つーまりーは、たんじゅんにー | 犬好き麻酔科医ブログ

犬好き麻酔科医ブログ

海外臨床留学麻酔Dog、カブリオレのお送りする、
最新論文から、医療の未来像まで。
日々精進。

山崎正義の曲に乗せ、、、
引き続き、EurJA。


Lung recruitment improves right ventricular performance after cardiopulmonary bypass: A randomised controlled trial



BACKGROUND:
肺が無気肺になると、肺の血管抵抗も増えてね、あと、低酸素の影響もあってね、
右心系には不利な状態になるね。
ARDSの右心不全も、注目されてるしね。
で、人工心肺を使うと、その間は、原則、換気されない状態なわけでね、
無気肺は、非常に起きやすいわけです。

OBJECTIVE:
人工心肺終了時に、肺胞リクルートメントすると、
右心系の動きが良くなるか?

DESIGN:
RCT。

SETTING:
単施設。

PATIENTS:
比較的軽症の40名 で、心臓機能も正常、で、
ユーロスコアも、6点以下の患者。

INTERVENTIONS:
標準; PEEP 6で換気される。
介入; リクルート後に、PEEP10で換気。

施工前、手術終了時、30分後、にTEEで、
右心機能、心拍出量 を評価する。

MAIN OUTCOME MEASURES:
右心機能、無気肺。

RESULTS:
で、、、、
血行動態、無気肺、は、施工前は、差がなかった。

手術終了時、
心拍出量は、
標準 2.9 ± 1.1 が、 2.6 ± 0.9  へ、減少 (P = 0.24)
介入 2.8 ± 1.0 が、 2.6 ± 0.8  へ、減少。(P = 0.32).

右心機能は、なんと、95%もの患者で見られたって。
程度は軽いけどね。
ただ、、、
両群では、差はない(そりゃそうだ、、、95%だもん)って。

無気肺は、 施工前、
18/20 🆚 19/20 、、、、、と、
差がなし。ってか、、、ほぼ全例。

術後、、
心拍出量は、
標準では、低下のまま、2.6が2.4
介入で、スゴイ上昇! 2.6が3.7!!
だって。。。

右心機能も、介入で改善、、、、
無気肺は、
100%🆚 10%と、改善。

CONCLUSION:
人工心肺後の無気肺は、右心機能を悪化させるが、
リクルートメントと、PEEPで、改善される、、、、と。


おい、、、、、
おい、、、、、
ちょっと、データとして、良すぎ、おかし過ぎでしょ?

リクルートして、PEEP10にすると、
心拍出量が増える!!、って。
そんれ、絶対、患者因子やろ、って感じで、
他まで怪しく見えるわ。

トコロで、、、、
人工心肺離脱時に、肺胞リクルートメントするのって、ルーチンじゃないの?
ずーっと、そうやってきたから、やらずに換気とか、もう、それだけであり得んわ。
特に、小児心臓とかやってる人は、
加圧して、気管吸引するとこまで、ルーチンの人もいるっしょ?
僕は、加圧するだけで、
痰が多い人は、呼気でわかるから、多い場合だけ、吸引するけど。

データは、チョット、、、
だけど、
やることは、当然のこと。
ただ、、、、
PEEPだけを比べた方がまだ、面白いわ。
でもね、
元気な心臓じゃない場合は、PEEPの影響受けることは多々あるし、
PEEPで、輸液量も増えるかもしれんし、
心拍出量も、減るかもしれん。
右心だって、影響、モロに受けるときはあるよ?
右心不全対策用の換気は、
通常PEEP➕、低一回換気な訳だし。

ってまあ、文句は幾らでもつけられるけど、、、、

ルーチンとして、
離脱前加圧、は絶対するべし、
その後のPEEPは、、、、
僕の知る限り、かけない、、、、という人は、論外として、
4-10の間なら、なんでもいいんちゃうかな、
それだけのことだと思うぜよ?



後は、、、、
よく見ると、そんなに面白いのなかった。。。

Alb➕外液 🆚 HES➕外液で、
筋肉代謝に変わりなし、
って、どっちも使わんがな〜、ってのと、

ECMO中、低酸素許容で、神経予後は変わらんかった、って。

どっちも、当たり前だと思うんだが、、、。
でも、
ECMO中って、INVOSが割と便利で、使ってますよ。