中山道34番目の宿場町、奈良井宿。

 

難所の鳥居峠手前の宿場町で、その賑わいから"奈良井千軒"とも謳われ、昭和53年(1978)に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。

 

<旅の行程>

1日目:茅野→上諏訪(高島)→下諏訪

2日目:下諏訪→木曽平沢→奈良井

3日目:奈良井→南木曽(妻籠)

 

中山道に形成された1km程の町並みは、まるで江戸時代にいるかの様な錯覚を覚えます。

 

◆奈良井◆

(国選定重要伝統的建造物群保存地区)

 

コロナ禍の真冬。

 

ここまで人が居ない奈良井宿は二度と見られないかもしれませんね。

 

奈良井宿には今も8軒程の宿があります。

 

あぶらや

 

元は油屋だったのが屋号の由来。

 

後に煙草屋を経て、昭和40年代から旅館業を営むようになりました。

 

奈良井宿には10軒超の漆器店があります。

 

 

街道の所々にある湧水の水場。

 

水場

 

かつて、旅人の喉も潤したのでしょうね。

 

街道を振り返る。

 

 

越後屋

 

昭和48年(1973)、奈良井宿で最初に開業した飲食店です。

 

元は漆器店でした。

 

現在、奈良井宿にある飲食店は25軒程。

 

 

吸い込まれそうな奥行き感。

 

松の巨木はどれだけの旅人を見てきたのか。

 

 

郵便局もこの通り江戸時代風情。

 

 

2階部分が迫り出した造りは"出梁造り"と呼ばれる、奈良井宿特有の建築洋式。

 

庇の"猿頭"と呼ばれる飾りも独特。

 

 

堪らない千本格子な風景。

 

山沿いには多くの寺院が建っています。

 

大宝寺

 

徳利屋(原家住宅)

(塩尻市指定有形文化財)

 

今は蕎麦屋ですが、かつては脇本陣だった旅籠で、島崎藤村や正岡子規も宿泊したそうです。

 

江戸時代の息吹を感じながら頂く蕎麦は格別でしょうね。

 

松坂屋

 

当時、"木曽物"と呼ばれて人気を博した塗り櫛を今に伝える漆器店。

 

この辺りから道幅が広くなります。

 

 

ゑちごや

 

寛政年間(1789〜1801)創業の現役の旅籠で、「東海道中膝栗毛」の弥次さん・喜多さんが泊まった宿として知られています。

 

御宿 伊勢屋

 

文政元年(1818)創業の老舗旅籠。

 

江戸時代は下問屋を担っていました。

 

上問屋史料館(手塚家住宅)

(国指定重要文化財)

 

慶長7年(1602)から明治時代まで問屋だった建物で、天保11年(1840)の築造。

 

緩やかな弧を描く街道。

 

 

重伝建の中の重伝建な奈良井宿。

 

その数百年の歳月の中でどれほどの旅人が通ったのだろう…

 

それぞれの目的、行き先、想い…

 

そんな事を想像しながら、旅する幸せを一歩々、心の底から感じて。

 

続く。

 

 

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