しばらくしてミアが戻って来た。

「渡したけど、返された・・・」

「はあーっ?マジで?なんで?」「わかんない・・・」

「そういえば・・・さっきね、他のクラスの人が廊下を通って行ったの見えた。それが松田君が偶然気付いて、見られたくないって思ったのかなー・・・」


学校帰りあまりの悲しさに、ミアはチョコを川へ捨てた。

誰もいない暗い部屋の中は、虚しく「TRY ME」を歌うミアの声が響いていた。ミアと一成は話す事なく卒業式を迎え、それぞれの道を歩んだ。


3の夏。ミアは地元に帰省した。ミアの家は『おおだまタクシー』を個人でやっている。その日の夕方、従業員とミアの家族と、なみも入れて15人という大人数で『バーベキューパーティーを開いた。