季節はずれではなく、季節通りの花火をする。同僚や上司や後輩なんかと、ささやかな時間を楽しむ。それはきっと、意味のあることなのかもしれない。




 自らが持つ光を見て、それぞれが持つ光を見て、あるいは打ちあがる光を見上げて、様々なことを想う。その時に話題になっていること、今日の行動を振り返ってのこと、明日に向けてのこと、そして大切なこと。




 十分に楽しくて、ある程度来て欲しかった人も来てくれて、夏休みってこういうもんじゃないかとか感じたりもして。少し、今年の目標の空気感を実行できたようにも思えて。




 でも、どこか「まだ足りない」と思ってしまうのが、どことなく悔しい。それはつまるところ、花火そのものでもプロセスでも、若しくは結果でもなくて。言うなれば、ある二点のみにおいて、僕が本当に望む形ではなかったからかもしれない。




 情けないことだな、と想う。たとえ世の中はそういうものであるにせよ、大切なことはそう上手くはいかない。




 それはたぶん、僕自身に足りないものが多すぎるからのように思える。




 それでも、花火は楽しかったなぁ。今度やる時は、「まだ足りない」と想うことがないように出来たら、素晴らしいなと思う。




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 色とりどりの光を見上げて 君は何を想い笑うだろう




 雲間に覗く月明かりと共に 僕は君を想い 声にならない声を吐き出すんだ






 「風よ吹け」 この揺るぎない けれど幼くも儚い心が




 舞い上がる光を纏わせ わずかでも君のもとへと 届くように






 大げさな夢や言葉は ほとんど僕は持っていないけれど




 あるがまま握り締めた 誇るべき想いは胸に抱えている




 まるで光の花 そうだ 君が好き






 水面に浮かぶ波紋がぶつかり 新しい波紋がまた広がる




 そんな風に日々は流れ過ぎ行き 悲しく虚しい 想像を時にはしてしまうんだ






 青 赤 黄色 オレンジ 緑 白 紫 そしてピンク




 舞い上がる光は瞬き 黒を超え君のもとへと 届くかなぁ






 語るような夢や言葉は ほとんど僕は捨ててしまったけれど




 大切な灯火だけ いつだって一つ胸に抱えている




 光る花のために そうか 君が蕾






 余計な飾りなんて必要ない ただひたすらに単純でいい




 舞い落ちる小さな光のように たとえいずれ消えるとしても






 大げさな夢や言葉は ほとんど僕は持っていないけれど




 あるがまま握り締めた 誇るべき想いは胸に抱えている




 まるで光の花 そうだ 君が好き




 まるで光の花 そうだ 僕は好き




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 なんというかこう、書くべき文章や書くべき詩が浮かんだときは、書くしかない。書かないことで失われてきた文章や詩が、これまでに随分だくさんある。出来れば、そうすべきではない。




 それを書き留めるのはノートかもしれないし、紙きれかもしれないし、あるいはブログかもしれない。




 こんな風に、はっきりとした言葉を詩として書くのは、珍しい。どこかもっと、曖昧で濁したように書くのが常なだけに。




 現実問題はともかくとして、個人的には好きな感じだ。




 さてと、眠ろう。     arlequin