Unapologetic / Rihanna | ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

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Unapologetic / Rihanna (12)

Unapologetic/Rihanna
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 2005年にデビューを果たしてから7年間で6枚目のRihannaのオリジナルアルバムです。これほど短期間 にアルバムをリリースしながら、コンスタントにシングルヒットが生み出され、ここ数年で最も活躍しているポップシンガーだろうと思います。タイトルはChris Brownとの一連の事が象徴されているのか「Un Apologetic」(謝罪しない)と付けられています。

 

 アルバムはシングルヒット「Diamonds」の印象で聞くと、良い意味で裏切られるものになっています。新しいポップサウンドへの挑戦が伺える刺激的なトラックが多く、何度か聞いていくとその中でもポップでメロウな部分もしっかりと残っているアルバムになっています。1曲目「Fresh Off The Runaway」はDavid Guettaの手によるナンバーで、最近流行のテクノダンスサウンドかと思いきや、80年代後半のヒップホップサウンドで驚かされます。全米1位を獲得したStargateプロデュースのパワーバラード「Diamonds」が続き、3曲目はNicki Minajの「Your Love」を手掛けたOakプロデュースの「Numb」です。Kanye Westの「Can't Tell Me Nothing」をバックトラックにトリッピンなサウンドが展開し、これにEminemを絡ませるという不思議なナンバーです。4曲目の「Pour It Up」はKanye Westの「Mercy」をプロデュースしたMike Willプロデュースのポップナンバー。5曲目の「Loveeeeee Song」は今年デビューアルバム『Pluto』を発表したFutureの手によるダウンロウなサウンド。6曲目「Jump」はGinuwineの「Pony」をサンプリングしたStargateプロデュースのパーティサウンドです。このように今までのイメージとは違った一癖も二癖もあるサウンドが続きます。一方で7曲目「Right Now」はDavid Guettaらしいテクノとメロウなサウンドが光るナンバーで、シングルカットすればヒットするであろうポップなナンバーです。アップテンポばかりじゃなく「What Now」「Stay」などしっとりとしたバラードも収録されています。そしてこのアルバムのハイライトの一つ「Nobody's Business」はChirs Brownとのデュエットで、このアルバムの中で最もポップな80年代チックなR&Bサウンドです。Chris BrownがまるでMichael Jacksonのように歌っていて、まるでMichael とRihannaがデュエットしているようです。その他にもレゲエチックな「No Love Allowed」、UKで活躍するLabrinthの手による「Lost In Paradise」などアルバム全曲外れなしの密度の濃い内容になっています。


 Rihannaにとっても一つの転機となりそうなアルバム。このアルバムを聞く限りまだまだRihannaの時代は続いていきそうです。
★★★☆


Diamonds
Right Now
Nobody's Business