Watch The Pop Music Video | ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

過去と現在の洋楽シーンをチャートデータをもとに紹介するページ(週一更新予定)

Watch The Pop Music Video - 1997年の全米ヒット曲 -


Spice Girls
Spice

最近の曲だけじゃなくて、昔の洋楽ヒットも聞いてみよう!というコーナーです。大体週1のペースで10曲程紹介していきます。なお、それぞれのビデオはYoutubeにリンクしています(別ウインドウで開きます)。ビデオが見られることを確認していますが、時と場合によっては見られない場合があります。


 90年代は80年代批判から始まりました。ポップなもの、ロックで言えばハードロックなものが否定されます。しかし97年その流れは大きく変化しました。UKグループSpice Girlsが全米チャートを制覇。しかもポップスにありがちなシングルだけのヒットではなく、アルバムが売れたのが大きな出来事でした。やがてSpice Girlsに続いてHanson、Savage Gardenが次々とヒットを放ち、その流れはBackstreet Boys、Nsyncに繋がっていきます。2年後の99年は空前のポップス全盛の年になりますが、その始りが97年でした。
 R&BではPuff Daddy率いるBad Boysレコードの独壇場でした。Puff Daddy自身は勿論、Notorious BIG、Maseがそれぞれメガヒットを放ちます。しかしその最中に起きたNotorious BIGの暗殺。2Pacと合わせてヒップホップの暗部を浮かび上がらせます。それだけじゃなく世界中で悲報が相次いだ年でもありました。2Pac、Notorious BIGの他に、INXSのマイケルハッチェンスの自殺、さらには英国のプリンセス・ダイアナが交通事故で亡くなります。97年の後半は追悼ソングがチャートのトップを独走するという異様な年でもありました。


まずは97年以降の流れを決めたこの曲から。全米で売れる前に日本でも盛んにプロモーションされてましたが、まさか全米で1位になるとは誰もが予想しませんでした。仕掛け人はCathy Dennisのマネージャーだったサイモン・フュラー。後にPop IdolやAmerican Idolといったアイドル発掘番組にも関わっていきます。そのきっかけとなったSpice GirlsはVictoria (現ベッカム夫人)、Melanie B、Emma Bunton、Melanie C、Geri Halliwellの5人。本国のUKでは国民的なスターとなって、それぞれがソロ活動をしてからもヒットを連発。伝説のグループとなりました。この曲は全米で4週間1位を記録しています。


Wannabe / Spice Girls (97年全米1位)


続けてオーストラリアから登場したのがSavage Garden。テクノポップなこの曲が全米でも順調に4位というヒットを放ち、チャートの流れがポップに追い風となっていることを証明します。この後バラードが大ヒットしてSavage Garden=バラードという風になりますが、個人的にはこの曲の路線でヒットをもう少し放ってほしかった。


I Want You / Savage Garden (97年全米4位)


ロックでもダンサブルな曲のヒットが多かった年でした。まずは西海岸サンフランシスコのロックバンドThrid Eye Blindが全米4位に放ったこの曲から。ちょっと歪んだ歌詞もアクセントですが、なんといってもテンションが高くなるこのメロディが最高に気持ち良い曲です。


Semi-Charmed Life / Thrid Eye Blind (97年全米4位)


イギリス出身のパンクバンドChumbawambaが放った全米6位のヒット曲です。バンドにとっては珍しいパーティナンバーで、このノリが世界中で大ヒットを記録しました。日本の洋楽ファンが集うMeantime で行われた90年代投票でも上位にランクインしていました。


Tubthumping / Chumbawamba (97年全米6位)


この年に外せない名曲の一つがこの曲。サウスダコタ出身の女性ロックシンガーShawn Colvinの全米7位を記録したヒット曲です。この年のGrammyのRecord Of The YearとSong Of The Yearを受賞。美しいメロディラインと完璧な構成が素晴らしいです。


Sunny Came Home / Shawn Colvin (97年全米7位)


Alanis Morissetteの活躍で女性ロッカーが数多く登場しますが、カナダ出身のフォークシンガーJewelもその一人でした。この曲は最高2位のヒットを記録しますが、その後B面ヒットもあってTop10に29週、Top40に至っては60週というとんでもないロングヒットを記録します。ちなみにこのビデオに流れているのはシングルとは違ったアップテンポverで、これはほぼ手に入りません。


You Were Meant For Me / Jewel (97年全米2位)


上の記録がロングセラーのトップと思いきや、さらに上手のロングセラーはこの曲だったりします。早熟の天才カントリー歌手Leann Rimes最大のヒット曲。作曲がヒットメイカーDiane Warrenですが、彼女の曲にしてはアレンジをあっさりに、Leann Rimesの力強い(ブレスの極力少ない)ボーカルを生かした曲に仕上がっています。全米チャート最高は2位。しかしTop10には32週、Top40には61週間もチャートインしました。恐らくこれを超えるヒットは出てこないでしょうね。


How Do I Live / Leann Rimes (97年全米2位)


97年と言えばBad Boyレコードの年でした。個人的にはポップ系のヒップホップという感じで、当時パフィーサウンドと呼ばれたエフェクトのかけ方が実にクールでした。Puff Daddyのデビュー曲となるこの曲はGrandmaster Flashの「The Message 」を下敷きにしながら、サビにMatthews Wilderの「Break My Stride 」を引用しています。全米1位を6週間記録しました。


Can't Nobody Hold Me Down / Puff Daddy f. Mase (97年全米1位)


結果的にNotorious BIGの遺作となった「Life After Death」は当時のPuff Daddy率いるBad Boysレコードの勢いそのままにエンターテイメントサウンドがギッシリと詰まった傑作ですが、そこからの全米1位(3週間)です。Herb Alpartの「Rise 」(79年全米1位)をサンプリングしています。


Hypnotized / Notorious BIG (97年全米1位)


ラストはこの曲で締めます。Notorious BIGの死後に急遽レコーディングされたこの曲は全米1位を11週間記録する大ヒットとなります。Puff Daddyの他に当時恋人だったFaith Evans、子分の112をフューチャー。サンプリングはPoliceの「Every Breath You Take 」(83年全米1位)。個人的には当時この曲が大嫌いでしたが、今聞くと、暗すぎずに実にポジティブにメッセージの伝わる良い曲だと思います。


I'll Be Missing You / Puff Daddy f. Faith Evans & 112 (97年全米1位)


ということで97年のヒット曲でした。