Watch The Pop Music Video | ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

過去と現在の洋楽シーンをチャートデータをもとに紹介するページ(週一更新予定)

Watch The Pop Music Video - Best Video Clip Selection vol 2 -


Natalie Cole
Unforgettable: With Love


最近の曲だけじゃなくて、昔の洋楽ヒットも聞いてみよう!というコーナーです。大体週1のペースで10曲程紹介していきます。なお、それぞれのビデオはYoutubeにリンクしています(別ウインドウで開きます)。ビデオが見られることを確認していますが、時と場合によっては見られない場合があります。


芸術の秋到来というわけではありませんが、前に一度特集した名ビデオクリップ集の続編を2回に渡って特集します。自称ビデオクリップマニアですから、ここで紹介するビデオは皆さん唸るぐらいに素晴らしいものばかりですよ。ごゆっくりとお楽しみください。


ちなみに前に紹介した名ビデオクリップ集はこちらで


まずはこのビデオクリップから。アフリカンビートのサウンドが魅力のTalking Headsの名作『Remain In Light』(80)からのカットで、81年に全米で91位に入るヒットを記録しました。曲以上にカクカクと変な動きをするDavid Byrneが記憶に残ります。ちなみにこのビデオクリップの監督はToni BasilとDavid Byrne。


Once In A Lifetime / Talking Heads (81)


84年にUKを中心に世界中でブレイクしたFrankie Goes To HollywoodのUKで9週間1位を記録した名曲です。「Two Tribes」というタイトルが示すように冷戦を描いたポリティカルな曲ですが、ビデオクリップはさらに進んで、当時のソビエト連邦のKonstantin Chernenko(のそっくりさん)とアメリカ合衆国大統領レーガン(のそっくりさん)が殴りあうというビデオクリップ。それも下半身潰しなど汚いやり方ばかり。そっくりさんビデオの元祖として知られています。監督は「Rock It」や「Every Breath You Take」など名ビデオクリップを数多く出しているGodley & Cream。


Two Tribes / Frankie Goes To Hollywood (84)


Van Halenのボーカルとして84年に「Jump」を記録したDavid Lee Rothはその後ソロ活動を開始。85年には「California Girl」で全米3位のヒットを記録すると、次のカットとなるこの曲で全米12位のヒットを記録します。このビデオクリップではMichael JacksonからCyndie Lauper、Billy Idol、Culture Clubなど当時のMTVで人気だったビデオをパロディしていて話題になりました。といいますか、このビデオクリップ自体MTVのパロディだったりします。監督はDavid Lee Roth自身。


Just A Gigolo / David Lee Roth (85)


Janet Jacksonのビデオだからダンスを見せるのは当たり前。ビデオがミュージカル仕立て、、というのもまあ普通でしょう。凄いのはこのビデオは1カットで撮っているということです(正確には2カットですが)。ヒッチコックの映画に「ロープ」という映画がありましたが、このビデオのように動きのある中で作られたものは初めてでは。このビデオクリップの効果もあってかこの曲でJanetは初の全米1位(1週)を記録。その後の活躍につなげます。監督は80年代の名ビデオクリップ監督Julian Temple。この後、Janetと組んで「Alritht」というクリップも作っています。


When I Think Of You / Janet Jackson (86)


Nat King Coleという偉大な父を持ったが故の娘Natalie Coleの苦悩の人生。15歳の時にその父が急死して、ドラッグ中毒となります。さらに追い討ちをかけるような喉の手術。そんな苦悩の人生の末、父の音楽に再び触れて、作り出したアルバムこそが父の名曲をカバーした『Unforgettable』でした。亡き父とのデュエットのこの曲は全米チャートで91年に14位を記録。アルバムは全米1位に輝きGrammy賞も受賞することになります。このビデオはそんないろいろな歴史が詰まったもので、何度見ても心温まります。監督はA-haの「Take On Me」などアニメーションを使わせたら天下一品のSteve Barron。


Unforgettable / Natalie Cole (91)


このビデオは最初の数秒がミソで、汚いトイレ(現実)の扉を開けた時に始まる華やかなミュージカルの世界。このビデオクリップを作ったSpike Jonzeの細部までこだわった隙の無さもさることながら、Bjorkが情感豊かに演じているのが素晴らしいです。まあこの後に実際に映画女優として活躍しているのも納得できます。個人的には最後に空をとんでいるような終わり方になっているのがポイントです。全英チャートで95年に4位のヒットを記録しています。名画「ダンサーイン・ザ・ダーク」はこのビデオの延長上にあるような気もします。


It's Oh So Quiet / Bjork (95)


同じくSpike Jonze作品で、Chemical Brothersのこの曲を紹介します。新体操の模様を描いたビデオですが、テクノダンスナンバーが見事なまでにはまっています。ただダンスだけじゃなくて人間模様とか心理とかも描いているのがにくいですね。97年にUKで17位と渋いヒットを記録しています。


Elektrobank / Chemical Brothers (97)


最初に断っておきます。涙腺の弱い方は注意してください。ラストは泣けといわんばかりです。(伏線の張り方が凄い)。行方不明になっている家族を助けようと旅にでる牛乳パックのミルク君。6分とは思え無いほどの密度の濃いストーリーになっています。曲は99年にUKで11位を記録。監督はGarth Jennings。


Coffee And TV / Blur (99)


Coldplayが登場するまではTravisはUKを代表するバンドでした。そのTravisがブレイクするきっかけになったのがこの曲で、このビデオでした。「今生きている世界を精一杯生きたい」という熱いメッセージをこのビデオクリップは腕立て伏せで描いています。賭けで腕立て伏せをする男に見守る友人。時に助けてくれる女性が出たりして、そんな助けもありながら男は精一杯腕立て伏せ(生きる)をしていきます。しかしこのラストがまた絶妙なんですね。UKで99年に8位を記録しています。


Turn / Travis (99)


現在も圧倒的な人気を誇るサウスラッパーのOutkastの01年に全米で1位を獲得したナンバーです。ビデオに登場する動物がそれぞれ見事に歌っている映像も素晴らしいですが、ストーリーがまた良くて、車が雷で壊れたり、嵐で雨漏りが激しくなったり、不幸な運命にあうOutkastの二人ですが、最後にはそんな状況が一変するような美しい終わり方になっています。


Ms. Jackson / Outkast (01)


ということで私が選ぶビデオクリップ選vol 2でした。次回はvol 3を送る予定です。