Classic Pop Album | ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

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Clasic Pop Album紹介


Colour By Numbers / Culture Club (83,)


Culture Club
Colour By Numbers/Remaste

もしこのアルバムとの出会いが無かったら、洋楽にここまでハマらなかったでしょう。私が初めて好きになった洋楽アーチストがCulture Clubで、初めて聞いたアルバムがこの『Colour By Numbers』でした。


 Culture Club はボーカルのBoy Georgeを中心とするブリティッシュバンドで、82年の『Kissing To Be Clever』でデビューすると、「君は完璧さ」を全英チャート1位に送り込みDuran Duranと並び一躍ブリティッシュインベイジョンの中心的なバンドになります。83年にはDuran Duranとともに全米チャートに進出し、絶頂期に発表されたものが2ndアルバムの『Colour By Numbers』でした。デビュー時にはラテンサウンド系のファンキーな音を得意としていたCulture Club が、このアルバムでは60年代のMotownサウンドや、ゴスペル、70年代のフィリーソウルなどの音を取り込み、一層スケールアップした世界を展開します。アルバムタイトルどおりにそれぞれの音がカラフルな色彩を持ちながら輝きを放ちます。何よりこの当時のフロントマンBoy Georgeの作曲能力の高さはピークに達していて、どの曲も高いクオリティでありながら、アルバムの最初から最後までアップテンポとスローテンポの曲を交互に配置してラストまでドラマチックに展開します。贔屓目を抜いても、ポップアルバムの歴史の中でも屈指の作品だと思います。


 アルバムとしては『Kissing To Be Clever』に収録されている「Time」が入った邦盤がベストと思いますが、今回は全米盤を紹介します。オリジナルは1曲目「Karma Chameleon」で始まって10曲目「Victimes」で終わる計10曲です。収録されている曲のチャート順位は、「Karma Chamereon」(全米1位、全英1位)、「Church Of The Poison Mind」(全米10位、全英2位)、「Miss Me Blind」(全米5位)、「It's A Miracle」(全米13位、全英4位)、「Victims」(全英3位)です。


 オープニングナンバーはCuture Clubの代表曲である「Karma Chameleon 」(カーマはきまぐれ)で、ラテンのリズムをバックにしたファンキーなナンバーです。ゴスペルっぽいコーラスをバックに重ねることで音に厚みを持たせています。続く2曲目の「It's A Miracle 」もシングルヒットしたファンキーなナンバーですが、3分半のナンバーにも関わらずめまぐるしい展開を見せます。追加メンバーであるHelenのゴスペルチックなボーカルが良い味を出しています。ビデオクリップもCulture Clubの歴史っぽくて面白いです。3曲目はスローなゴスペルナンバーの「Black Money」で、Boy Geogeのソウルフルなボーカルの魅力が伝わるナンバーです。4曲目はJazzっぽい要素も持った「Change Everyday」で、ピアノとサックスの音が引き立っています。5曲目は前半のラストの「That's The Way」で、ピアノとBoy George、そしてHelenのボーカルが絡みあう感動的なゴスペルナンバーです。


 後半はSupremesなどのMotownソングという感じの6曲目「Church Of The Poison Mind 」でスタートします。7曲目はファンキーなダンスナンバーの「Miss Me Blind 」(恋は盲目)で、Roy Hayのギターサウンドが全体で強くフューチャーされています。ビデオクリップは名作(迷作?)で、「メラメラと燃えている~」で有名です。ここから一気にラストまでつながりますが、続く8曲目「Mister Man 」は1作目から続くレゲエを独自に消化したナンバーです。9曲目「Stormkeeper」も同様にレゲエチックなナンバーですが、間奏から入るサックスがアクセントになっています。そしてラスト10曲目は名曲「Victims 」。ピアノをバックにBoy Gerogeの独唱が始まり、2nd versでストリングスやコーラスをバックに盛り上がる感動的なバラードでアルバムは静かに終わります。


 最初から最後まで当時の勢いがパックされた作品で、今聞いてもBoy George のほとばしる才能を感じることができます。今のBoy Georgeだけを見ると、変に思う人がいるかもしれませんが、80年代は世界的に類まれなポップミュージック界の天才の一人であったと断言できる作品です。
 ★★★★☆