ダバオ市
オラス地区
片側2車線のマッカーサーハイウェイ、
ボクの乗るジプニーが信号待ち、
ジプニーの窓。
窓というよりは、大きく切り開かれた開口部とでも言ったらいいのかも、
そこから見えた家の壁、
平たい割り竹を組んだ壁、
その家の経済状態を示す壁。
選んで住んだわけでもない、
ハイウェイ沿いと、竹の壁の家。
その壁のわき、
細長く切り欠かれています。
うす暗いなかには、
メッキの燭台にロウソクの淡い炎、
白い箱も見え、
その箱は柩です。
柩を室内へ入れるため、
ドア枠を切り欠いたわけです。
ここの葬式(住居内遺体安置)は9日間、
その間、ドアは開け放され弔問客を迎えますが、多くはなさそうです。
ハイウェイ沿い、
止まないバイク、車の流れ、
その流れを気まぐれに止める信号のたもとの家。
柩の奥で、冷蔵庫が開けられ、
室内がぼんやりと照らされ、
もう一つ部屋があるのだと判ります。
信号が変わり、
ボクの乗ったジプニーはディーゼル音をガラガラいわせながら走り出し、
ボクが、見えることから見えないことまで、これ以上想像するのを止めてくれます。


