トリル地区
ボクの住むサブディビジョン(住宅地)は、
「将棋の碁盤」を少し斜めにした地形、
水は、雨も、生活排水も、
その傾斜に沿って流れて行きます。
日本でボクの家を建ててくれた大工さん、
「水は正直だから」と、
黙っていても下へ下へと、
平らになるまで、海まで流れて行きます。
その「将棋の碁盤」の一番下の線、
一番下の通りは、もう勾配がとれず、
水が行き止まり溜まってしまいます。
その通り沿い、
男性が目の細かい網を手に、
足元、アイスのファミリーパック、
中身をズーム、
判りづらいですが、
まっすぐと「Cの字」を繰り返して、
ピコピコと泳いでいるのは、
全部ボウフラ、
あの蚊の幼虫です。
男性「水槽の金魚の餌だよ、
金魚には活き餌が必要なんだよ」、
フィリピンではペットの金魚、緋鯉、
それなりに飼われています、
特殊な品種ではなく金魚すくいの、
あの普通な金魚です。
ほとんどのドブの勾配がとれてなく、
ここは、その典型で通年水が溜まり、
まるでボウフラの養殖池。
金魚に首輪でもして、
鵜飼みたいにしたほうが効率いいかも。
網戸よりも、
蚊取線香よりも、
積極的な「攻めの蚊対策」、
(まぁ、排水勾配とれば一気に解決ですが)
この男性のような人たち、
もっと増えてくれるといいのに。
フィリピンでは、
今年八月末までに、
1,000人以上がデング熱で亡くなっています。


