トリル
近所のサブディビジョン(住宅地)、
200平米程度に区画され、
同じような平屋が並びます。
舗装、未舗装まちまちで、
傍の排水溝もコンクリだったり、なかったり、
ゆっくりメダカたちが泳いでいて、
ボクの足音を感じて、
誰かが号令でもかけたように、
ぱっと反対へ向きを変え泳ぎさります。
ノラ犬の兄弟、

一緒に生まれて来たでしょうから、
ふた子って言うのかな、
それでいて、こうも身体の色が違うものなんですね。

合わせていた手のひらを、
開いたように、右と左がおんなじ、
どうしたら、こうも見事な模様になるのか。
そして、このチビ君自身、
排水溝を覗き、そこへ映る自分の顔を見て、
どう思うのでしょう。
黒い瞳でボクをじっと見つめていて、
ちょっと小首をかしげます。
ボク「ぁ、ダメだ。チビ、おまえって、
かわいいにも、ほどがあるぞ」