近所に住むアナベラが、
ボクの隣に住む大家さん宅へ来て、
洗って干した、毛布、タオルケット、バスタオル、

「ダルメシアン柄」毛布、
大家さんのセンスが現れます (笑
大家さん宅、洗濯機はありますが、
「大物」は洗えないようで、
アナベラに手洗いを頼み、
この量で午前中いっぱいかかり、
400ペソ
小柄で正直そうな目をした彼女、
アーク溶接の火の粉がかかったような穴が、
彼女のシャツに点々としています。
いつもオムツをした女の子を連れ、
自分でしっかり歩いて来るので、
2歳にはなっているでしょう、
洗濯している間中、このチビなオシャベリさん、
ずっと何かを話しています。
洗濯物を長く張られたハリガネに干すアナベラ、
ちょっと、もじもじしながら、
アナベラ「おカネ、貸してほしいんだけど、
おカネは、毎日(少しずつ)返します」
ボク、ぁ~来たなと、
「毎日返す」は言葉のあやで、
毎日返せるならば、借りる必要もないのです、
もちろん、そんな挙げ足取りはせずに、
出来るだけ、穏やかに「ゴメンね、ムリです」、
アナベラ「わかった」と、きまり悪そうに、
そして、その残念さを隠すように微笑みます。
ボクもこの国で、少額ではあるものの、
お金を貸して、それを返してもらうのが、
いかに大変かを経験しています。
アナベラにはもう1人、
小学2年くらいの女の子がいて、
他に13、4歳の男の子も1人、
この子は親せきの子どもです。
たまに125CCのバイクで、
近くのサリサリ・ストアへ、
何か買い物に行ってます。
免許は持ってませんし、
事故でも起こしたら、どうするんでしょう。
旦那さんはトライシクルドライバー、
毎朝、自宅の前でトライシクルを洗っていて、
働き者だなと、思ってましたが、
トライシクルは未登録のため、
(登録料は3,000ペソ)
人出が多い場所、通りでは捕まりやすく、
行ける場所、通れる道も限られ、
収入は他のドライバーより少ないようです。
その家の前には、
軍鶏(シャモ)二羽が片方の足首を、
黄色い3ミリのナイロン紐で繋がれていて、
フィリピンでは道の一部のように、
よく見かける風景です。
何かがずれて、
そのずれたままが当たり前になり、
そこへお金が関わり、
さらに予期せぬ方向へと向かう暮らし、
これが、
その日暮らし、なのでしょう。
そして、
これからも、ボクが付き合っていく人たちです。