一瞬、よそ見して、

ぁっ、やっちゃったぁ~、
も一度、舌打ちしてから、かけらを拾います。
プラスチックにメッキしてあるモノだと思ってて、
割れて、「ガラスだったんだぁ」と。
裏の買った日付は二年前、
たぶん60ペソくらい。
毎朝、パナソニックのシェーバーには、
無いと不便なので、
マーケットへ行き、代わりを探し、

ひと回り小さいモノ、30ペソ
この裏、薄いボール紙で鏡を押さえていて、
もし、濡れた手で触れたら、外れて来そう (怖
トリル
17:30
マーケット内、
小瓶のビール売ってる店は少なく、
その中のひとつが、
揚げ物メインの屋台が並ぶ通りに面した、
サリサリ(一軒間口)ストア。
正面には、スナック菓子のつながった小袋が、
横に張られたハリガネに吊るされ、
バラで1、2ペソです。
カウンターと同じ幅のガラスケース、
中にもチョコバー、バラ売りキャンディ、
クラッカーなど、びっしり押し込まれています。
それらは、口さみしい時につまむモノ、
ですが、いつしか常につまむモノになってます (笑
ここで一番売れているモノ、なんだと思います?
それは細長いポリ袋に詰められた水、2ペソです。
通りに並ぶ30ほどの屋台、
マーケット敷地内に自由に使える水道はなく、
どこかの商店から買うしかありません。
このサリサリでは、冷蔵庫で冷やして売り、
お客さんは、飲み水、手を洗ったりします。
ボクがそれを初めて見たときは、
たぶん、口が半開きだったでしょう (笑
二番目は、ソフトドリンク、
三番目は、バラ売りのタバコ、
変わったとこでは、赤ちゃんのオムツも
個別パッケージで売ってます (笑
お使いを頼まれ買いに来る、
小さな子どもがとても多く、
水、スナック菓子、ソフトドリンク、
そしてバラ売りのタバコ、
マールボロは5ペソ、ウィンストンは4ペソ、
ボクは吸いませんが、よく耳にするので (笑
4、5歳の子どもが、
ビーチサンダル履きの足をつま先立ち、
小銭を握った手をカウンター越しに伸ばし、
「アテ、マールボロ1本」と、
アテとは年長の女性呼称で、
彼女はたぶん20代、
こういう店の女性にしては愛想はよく、
子どもの握られた拳を、
人差し指と親指でこじ開け、
1ペソ白銅貨5枚をスッとつまみ取り、
彼女の手のひらの上で数え、
小さな手へマールボロを1本乗せます。
それを側で見ていたボク、
これまた、口が半開きだったようで、
そんなボクの顔を見て、
彼女は両頬にわずかに笑くぼを見せ、
すぐに両眉をちょっと「八の字」にして、
また、笑くぼを見せます。
その表情は日本人のボクに対して、
「私たちって下品でしょう」、
そう言っているようです、
いや、ボクにはしっかりそう伝わりました。
ボクも返事代わりに、
慣れない両眉を少し持ち上げ、
「そうでもないよ」、
そう言ったつもりですが、
伝わったでしょうか。
新しく買った、
30ペソの鏡の前で練習するかな、
いや、これは練習することじゃないな。