ちょっぴり、ワイルドに | 浮世離れした、半世捨て人のブログ

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“ 暑くて、やってられねぇ〜 ”




15:30

ゆるい起伏が続く住宅地、

戸建て住宅のあい間、低層階マンションがまばらにあり、

その傾斜地に、番地一つ分の公園。


大人二人が、手をつないでも届かないほどの桜の幹に囲まれ、

ツクツクボウシがせわしなく鳴く公園で、

ボク、けんすい運動します。



子どもたちが、ケガをするキケンのある遊具類、

腕や脚を挟み込んだり、回転軸に直接触れるモノ、

それらは、とうに撤去され、

転落防止バーが後付けされた滑り台、

ボクがけんすい運動する、うんてい、

そして、ブランコ。




公園にいるのは三人、

ブランコを立ち漕ぎする、

楕円形の度のきついメガネをかけた女の子、

彼女に付き添うお祖父さん、

そして、ボク。




黒いアシックスのウォーキングシューズ、

ベージュのチノパンに、胸ポケットがついた白いポロシャツ、

ポロシャツの下には、ランニングシャツ。

右手を孫娘の腰にあて、

そっと押しながら、穏やかな口調で、

「少し曲げたヒザを伸ばして、

  腕をグッと引いて漕ぐんだよ」

かつては、その口調で部下に話しかけていたのでしょうか。



ですが、孫娘はなかなか要領を得ず、

それでもお祖父さんは、物静かな和尚さんのように、

そっと、腰を押してあげ、

左手に持った、パステルピンクの水筒だけが揺れています。



ツクツクボウシが鳴き続ける音だけの公園で、

ボクはけんすいしながら、ふと、

「ブランコの漕ぎ方、(誰かに)教わったかなぁ?、

  教わってないなぁ、じゃあなんで出来るんだろ?」




きっと、

そういうモノなんでしょうね、

四十年以上前は。



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