小学五年の担任は、
四角い顔に、ひげ剃り跡もくっきり青々とした、
小松先生(20代)、
先生の目は「これぞ正義」と二重くっきりの目。
クラスみんなで、せがみ、騒いで、
やっと見せてもらった奥さんの写真は、
一同、ショックな美しさ(笑)
意地悪な言葉を準備していたボクも、
唾をゴクリと、喉を鳴らすだけ(笑)
子供心に、「先生の正義感は女性にモテるのかなぁ」と。
そんな「美しい奥さんと、正義感」の、
小松先生が分数の授業で、
ポロっと「人生の1/3は寝ているんだぞ」と、
一同、ノートをとる手を止め先生を見つめます。
教科書の端にページめくりマンガを描いていた、ボクも(笑)
電気代を払いに「ダバオライト」トリルのオフィスへ。

道路まではみ出し、さらに長くなるので、二列待ちになり、
防弾ガラスの向こうにいる、女性オペレーター1人でこなします。
右、左、と1人ずつ支払い処理されていくはずですが、
60歳(シニア)以上は優先され、実際には三列になり、
一歩、また一歩と静かに、ゆっくりと前進します。
フィリピンではどこでも行列、
日本で美味しいラーメン屋に行列するように(笑)
スーパー、ホームセンター、薬局、そして各役所で。
米、魚、肉、を買うのと同じく、電気も買い、
その違いは、料金だけ後払い。
ボクの前の若い女性、オムツがまだ取れない女の子を抱き、
自身のお腹も次の赤ちゃんでポッコリと、大変そう。
抱かれた女の子は大きな目、
白目がうっすら青みがかった目で、
ボクをじっと見つめます。
髪の毛を引っ詰めた、若いお母さんのうなじに汗が流れ、
また一歩進みます。
列んでいる全員が同じ事を考えているのかも、
「自分の前で、オペレーターが乱暴にキーを叩く、
濃紺の古いデルのコンピューターが壊れませんように」と(笑)
いや、そんな事を考えているのはボクだけ、
日本と比べる事が出来る、ボクだけかもしれません。
みんな、待つ事はあたりまえの中で、育って来てますから。
ふと、
「この大きな目の女の子、これから人生のどれくらい待つのだろ」
30分待ち、ボクの支払いの番です、
