昨日の続きです。
奥のカウンターで、立ったままピルセンの瓶を手に、
少々トランス状態になっていると、
「 Samok Samok / じゃま、じゃま 」と、
ボクの背中に、肩をトンとぶつける女性。
狭い店内、食べ終わったメラミン皿を重ね、
裏の洗い場へ、その前に一度振り返り、
ボクを見てから、ツンとします(笑)
彼女はここで働いている娘、
クラスに一人はいる可愛い子、そんな感じの。
店先でオカズを盛り付ける横顔、
健康的で生き生きしています。
フィリピン人は衿もとにハンドタオルを、
二つ折りにしてかける人も多く、
彼女も衿もとに薄紫のハンドタオル。
お店の夫婦を「アテ」、「クヤ」と呼び、
アテは年長女性呼称、クヤは年長男性呼称で、
親せきのようです。
「親せきのよう」とは、昼時、店内混んでいて訊けません。
それはウソ、
ボクが、そういうことを訊けないだけです(笑)
彼女、奥で熟睡しているネコを、
「じゃま、じゃま」と、
ビーチサンダルで軽く小突き、
ネコは前足を突き出し、伸びをしてから、
店先へ向かいます。
コンクリート歩道へと出て、肉球火傷しないのかなぁ(笑)
やっぱり日陰がいいのか、振り返り、
ネコの目は、縫針のように細くなってます。
店先で注文を聞き、盛り付け、運び、
値段を訊かれ、元気良く応える彼女。
お客さんの「ペプシコーラ!」の声に、
ローカルメーカーの冷蔵庫から小瓶を出し、
栓抜きで、ポンと開け、半身を返して渡します。
背中までの髪は、白いヘアピンでゆるく留められ、
彼女の動きに合わせ、プリーツスカートのように、
ふんわりとカーブします。
彼女、その白いヘアピンが、
どれほど自身に似合っているか、知っているのでしょうか。
もちろん、知っています。
「女性とはそういうもの」と、
以前、何かで読んだ記憶がありますから(笑)
ブルーのミラーサングラスをかけ、
ボク「 Ari sa ko / またね 」 (私は行きます、の意味)
歩道へ出たところ、
彼女「 Balik Balik!/ また来てね!」と元気に。
ボクは後ろ向きのまま、左手を肩の高さへ、
手を拡げてから、グーを握ります。
ジプニードライバーが、お客さんが「降ります」と、
言った時に、「了解です」の意味でやる仕草。
一度やってみたかったんです(笑)
その、グーの手を開いて、
「あ~、あれが、若さってヤツなんだろうなぁ」(笑)