洗濯は手洗いなんですよ、ボク(笑)
シャツ8枚程度の量を洗うと、
擦れる人差し指、中指、薬指、
第一、二関節あたりが少しヒリヒリします。
チャーミングな妻は手のひらの付け根あたり、
手首の少し前で、生地を擦っています。
ボクは手のひらで全面で、手を洗うようにしたら、
ヒリヒリ感から解放されました(笑)
昨年6月
ミンダナオ島農村部を訪問、

ぐるり360度の水田、
知人の石川さん(仮名男性40代)の農場見学。
夜の訪問者、


「ミンダナオ番長」の名に恥じない、
ライトグリーンのクロームメッキボディ。
テンション上がります(笑)
そこへ、家事全般手伝いに来てくれる、
ジョビ(女性17歳)、モスリム。
最初、モスリム女性が頭に掛け頭髪を隠す、
ショール(呼び方は色々あるようです)を、
かぶってなかったので、
「モスリム」と紹介された時、
ボクは「アレ?」って感じです。
後で知ったのですが、フィリピンでは、
ショールをかぶらない人たちもいるそうです。
彼女はティーンらしく、元気でケラケラと大声で笑い、
教義で禁じられている豚肉を、
知らずに食べてしまったエピソードでは、
両手で顔を覆い、「キャ~、知らなかったダヨ~」と、
さらにケラケラ笑います(笑)
意地悪に石川さんが、
「味はどうだった?」
ジョビ「美味しかったダヨ~」(笑)
好奇心旺盛で、ボクの iPad mini 内の写真を、
人差し指で送りながら質問して来ます。
彼女はイロンゴ語、妻はビサヤ語、
通じるは通じますが、
同じ言葉でも意味が違ったりと、
妻は「70% くらい分かります」と。
ボクはゼロ(笑/涙)
彼女の家は、奥地の農村部、電気はきてなく、
信じられませんが、石川さん宅で、
テレビを観たのが初めて、と。
夕食後、石川さんのリビングで、
砂嵐が混じるブラウン管のテレビ画面を、
ジョビが少し下から、両目を見開き、
時々イロンゴ語で画面に文句をつけながら、
手振りも交え、観入ってます。
なにかのドラマのようですが、
彼女は完全にブラウン管の中、
ボク「彼女には、どんな風に映って見えるんでしょうね?」
石川さん「画面、そのまんまの事が起こっている、でしょうね」
ボクは子供の頃、
仮面ライダーを食い入るように観てましたが、
中に「人が入っている事」は知ってました。
その事を頭から締め出し、
ジョビと同じ気持ちになって観てみましたが、
画面は、あくまでもドラマ、お芝居です。
頭の中で、自動に「お芝居を観る」、
列車が、レールを外れて走れないように。
彼女はどんな(思考)世界にいるのだろうと。
二日間滞在させてもらい、
帰りのバス停まで、バンで送ってもらう際、
ジョビが、ボクのリュックへ手を伸ばします。
ボクはほとんど反射的に、
リュックを両手にがっちり抱え込み、
同時に、石川さんが、
「彼女へ渡してあげて下さい」
優しい口調ですが、命令口調でもあります。
ボクは、一瞬ためらい、石川さんとジョビを見てから、
彼女へリュックを渡します。
古いタウンエースバンの中、三人掛けシートに、
妻、ボク、ジョビが座り、
ジョビは赤ちゃんでも抱えるように、
両手でボクのリュックを抱きかかえ、
なにか静かにハミングしています。
リュックの心配を一切せずに旅行したのは、
これが初めてです。
バス停で、
石川さんと別れの握手、
そして、ジョビとも握手。
彼女の幅の狭い女性らしい手のひら、
ボクの折り返した指先は、
彼女の洗濯、野良仕事で硬くなった関節に触れます。