火曜日17:00
ピア近くのマーケット

マーケットは水曜日ですが、
前日から売り出す人たちも多く、
この午後、露店の人たち全て、
ここで野宿します。
タフですねぇ。
タマネギ、オクラ、インゲン、ゴーヤ、このあたりは日本と同じ(と思います)
トマト、カボチャは香もなく、刻まれて料理に。
トウガンは野菜不足を補う、増量が目的のようにいろいろと使われてます。
まぁ、なんであろうと、ボクはバリバリ粉砕して養分補給しますが(笑)
他には、稲わらと薄いポリ紐で織ったゴザ、
竹を薄く割り、縦横に織り込んだ壁材、
こういった品々の多くは、山に住む女性たちの手作り製品。
山は電気のきてない家も多いエリア、
ココ椰子が点在する、境界線のよく分からない裏庭には、
ニワトリが、残飯を先に食べる2匹の犬が終わるのを待っています。
おじいさんの子供の頃からあるマンゴーの木陰が、
小屋を熱帯の日射しから護ってくれ、
その床で、お母さんが薄く割られた竹を直角に交差させ、
「amakan /アマカン」、
と呼ばれる竹製の壁材を織り込み、
その手は機械のように正確な動きを繰り返します。
ソンダン(刃渡り45㌢の山刀)で薪割り、
小さな畑へ鍬をいれ、ご飯を炊き、
家族の汚れた服を手洗いする手。
指は節くれ、深く皺が入り込み、
爪の周りは野良仕事で黒く縁どられた指。
その指は、プラチナにサファイアがはまったリングを身につけたり、
お母さんが好きなうす紫色の、マニュキアを塗るところでもなく、
頼りになる、道具。
お母さんは織り込み続けます。
お母さんは近所の女性たちが織ったアマカンも一緒に、
ボンネットが突き出た、ドアが無く古いジプニーに積込み、
火曜日の午後マーケットへ来ます。
火曜日18:30
マーケット傍、ピアの材木問屋、メインは竹と竹製品、
大人の太ももほどもある竹や、
バンカーボート用に火であぶり曲げられた竹など、
屋根のかかっただけの倉庫に積まれてます。
その一角、薄暗い蛍光灯型電球の下でのウタゲ、
お母さんの同業者、問屋で働く人とのウタゲ、
お母さんのちょっぴり楽しみなウタゲ。
お母さんは大好きなコーラを飲み、
チキンをかじり、
自身の若い頃の「愛の武勇伝」を語り、
周りは彼女を見つめ、
じっと聞き入ります。
今でこそ、シャツがぴっちりになってしまうお腹も、
かつては、数々の男性を悩ませるウエストだったようです(笑)
先週も同じことがあったのかもしれませんが、
そんなことはどうでも良いこと、
楽しいウタゲなんですから。
と、一同「アハハハハ~ぁ」大笑い。
灯りに照らされたお母さんの影絵。
その影は口が大きく開き、
屋根の上、
西の空にオリオン座が輝いています。