僕は3月11日の震災以来ずっと、放射能が

とても危険で、人に健康被害が出るどころか、

人が死んでしまうと、警告し続けてきました。


特に、乳児や幼児、小学校の子供、妊婦さん。

こういった方々は放射能の感受性が高いため、

一刻も早く避難するべきだし、避難する以外に

方法がないんだと言い続け、そのたびに全力の

向かい風を浴び倒してまいりました。


専門家でもないくせに、適当なことを言うな。

デタラメなデマ情報で、社会の不安を煽って

楽しんでいるんだ、オマエは! 無責任だ!

風評被害を拡大させている! 福島に謝れ!


僕がどんなに批判されても、どんなに罵声を

浴びまくっても、ブログを辞めずに、今日まで

書き続けてきたのは、福島の人を助けたいという

ただそれだけの理由です。そして、千葉、茨城、

栃木、埼玉といったホットスポットがある地域に

住む人たちの健康を守りたいと思ったからです。


小さな腕に無数の注射針の跡をつけながら、

あどけない顔にチューブをつけて、懸命に大きく

息をしながら、「お母さん、お母さん」と母を呼ぶ

子供の姿を、誰が見たいと思うものか!


何度も安産を祈願して、健康でいてくれれば

それだけで何も要らないと願う夫婦に生まれた

待望の赤ちゃんが、深刻な障害を抱えていたら、

何と声をかけたらいいのか!


僕は、そういう人を

一人でもなくしたい!


放送作家なんて仕事は、いつでもできます。

才能がないから、戻った時には安い仕事しか

回って来ないかもしれないけれど、そんなのは

人が死ぬことに比べたら、大したことじゃない。


僕が貧乏になっても、嫁と子供は困るだろうが、

僕はまだ結婚していないし、結婚するとしたら、

貧乏人に後ろ指差すバカに、しっかりと中指を

立てられる女と結婚したいと思います。


「低線量被曝が危険であるとは立証されて

いないのだから、わからないのに騒ぐな!」


世の中に、あまりにこんなことを言う勉強不足の

人たちが多いものだから、僕は常に孤立していて、

何を書いても、デタラメだと否定されてしまいます。

否定されると、その説得力はどんどん薄くなる。

結果、僕の言葉を誰も信じなくなる。


かわいこちゃんが不幸になる!

いや、もう不幸になっている!


実際に、恐れていた健康被害は出始めています。

福島で、2歳の子供が急性リンパ白血病になり、

妊婦さんの出産にも、何らかの異常が出ており、

小頭症や巨頭症のお子さんが生まれています。


もちろん、100%原発のせいとは言えません。

自然に急性リンパ白血病になり、自然に障害を

持ったお子さんが生まれたのかもしれません。

が、お母さんたちはきっと自分を責めるはずです。


僕がもう少し有名で、影響力のあるブログを

書ける才能があれば、もっと不幸の数を少なく

できたかもしれないのに、あまりにも無力すぎて、

まるで自己満足のようなブログになりました。


僕がブログで吠えたことによって、何か少しでも

世の中が変わったかと言ったら、変わってない。

だったら、何のためにブログを書いているのか。

毎日、自問自答しながら、それでも書いています。


今さら説明するほどのことではありませんが、

僕は、たいした男じゃありません。才能もないし、

お金もないし、知名度もないし、女にもモテない。

育ちが悪いのか、口が良いわけでもありません。


それでもサーフィンみたいなカッコイイ趣味の

一つもあれば、ちょっとはマシかもしれませんが、

何が好きかと言ったら、僕は「電車」が好きです。


田んぼ、森、海と、次々に変わる車窓や匂い。

ボックス席で、銀紙に包んだおにぎりを広げて

食べるおばあちゃんや、ジャージ姿で乗り込む

田舎の女子高生・・・。昭和に製造された古臭い

車両を舞台に織りなされる、二つとない物語。


僕はそういう景色を見て、ただニヤニヤする

気持ち悪い奴です。だから、榮倉奈々ちゃんや

瀧本美織ちゃんと付き合うことになった時には、

「鉄っちゃん」だと言ったらドン引きされるので、

「趣味はダーツです」と言おうと思っていますが、

本当は、鉄道が大好き。完璧に「乗り鉄」です。


チダイズム ~福島第一原発事故の真実&最新情報~-JJL358


だからなのでしょうか。僕は、こういう景色を

見ると、胸が締め付けられるように痛くなります。

線路が途切れると、この町の心のつながりまで、

途切れてしまったように感じるからでしょうか。


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これは、現在の「陸前高田駅」です。

ウィキペディア先生によると、在りし日の

「陸前高田駅」は、こんな感じだったそうです。


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鉄道好きの心をくすぐる、素朴な田舎の駅。

3月11日の、津波が陸前高田を襲ったあの日。

この近くを走っていた大船渡線では、一体、

どんなことが起こっていたのでしょうか。


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こちらは、津波で消滅してしまった大船渡駅。

あまり利用するお客さんの少ない駅でしたが、

もし震災がなかったら、きっと今頃、水色の

リュックサックを背負った男の子を連れた親子が、

この駅で降りて、夏休みを堪能したことでしょう。


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原発のせいで、これほど甚大な被害を受けた

東北の人たちを思うように救えていない無力さ。

ボランティアの数は、まだまだ圧倒的に少ない。


お父さんやお母さんを亡くし、それでも悲しみを

乗り越えて、必死に現実と立ち向かおうとしてる

かわいい女子高生だっているのに、結局、僕は

そんな人たちに、何もできていないのです。


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僕が、どうしても津波で犠牲者を出さない

町づくりを訴えたかった、山田町の中心、

「陸中山田駅」のホームです。火の海が

駅を襲って、何もなくなってしまいました。


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これが、今のリアルな陸中山田駅です。

もはや線路すら、どこかに行ってしまっている。

この悲惨な光景を生で見た後、僕はこの町の

海沿いに、集落ができつつあるのを見たのです。


誰か止めんかい!


僕のブログの力では、まったく及びません。

僕がブログで、たかだか数千人に広めたって、

世の中は何も変わらないのかもしれません。

でも、何もやらなければ、何も起こらないから。

「0」であるより、「1」である方がマシだから。


僕はショボい人間だから、応援してくれる人は

そんなに多くないし、友達もたくさんいません。

何かをする時は、だいたいいつも一人です。


「アイツ、あそこで何かやってるぞ。

うわー、頭おかしいんじゃねぇの?」


思えば、僕は小さい頃から、そう言われました。

大人になっても、そう言われていると思います。

普通の人と、ちょっと考えていることがズレている。

だから、放送作家なんていうものになったんだと

思いますが、最近は、テレビ番組でも通用しない

ズレ方をしているんだと自覚しております。


被災した駅の写真を撮るにしても、ブログには

いわゆる全体の写真しか載せていませんが、

やっぱり人とはズレているため、本当は、

こういう写真を撮っています。


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駅のホームの地面。


普通の人には、何のことやら分からないと

思うのですが、僕はこの写真を見ただけで、

在りし日の駅を、ほんの少し想像ができます。


上の写真からは、おそらくこのホームには、

親切にも屋根があったであろうということが。

下の写真からは、点字ブロックの形を見るに、

跨線橋(線路をまたぐ歩道橋みたいなもの)が

あったであろうことが・・・。


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ふと見ると、当時は駅のシンボルだったと

思われる大きな木が、焼けて枯れながらも

今も立派にそびえ立っており、駅舎は丸ごと

消えてなくなり、電車だって走っていないのに、

タクシーが1台、ポツンと客を待っていました。


あのタクシーの運転手さんも、電車の走らない

駅なんかで客を待っても、誰も乗らないことは

わかっているに違いない。だけど、自分にできる

精一杯のことが、列車のない、誰もいない駅で

待つということだったんだと思います。


みんな、一生懸命生きている。


それを、銀座のバーやクラブで酒を飲んでいる

国会議員の先生や天下りをした官僚の皆さんは

感じることができず、無策を続け、やっと通したと

思った法案は、アホを丸出しているのです。


テレビは相変わらず、現実逃避をするための

バラエティ番組しか作らず、某ニュースを学べる

番組ですら、「国民栄誉賞を徹底解剖」です。

ちなみに、その番組では放射能の問題を扱った

ことがありますが、「安全だ」と言っていました。


これが世の中のスタンダード。

僕のやることが、おかしいのです。


けれど、命を救えない作家なんて、クソです!

命を救おうとせず、嘘をつく番組を平気で作れる

作家なんて、もっとクソです! テレビで他人を

不幸にしてまで、自分の暮らしを守りたいか!


僕は今、この仕事に絶望すら感じ始めました。

僕はテレビやラジオで、いろんな人を笑わせて、

幸せな時間をいっぱい作りたいのに、今はもう

現実逃避マシーンになり下がり、嘘までついて、

国と一緒になって不幸の数を増やしている。


叫ぶ奴はおらんのか!


大正時代のように、ペンで勝負する人たちが

この世の皮肉を叩き斬ることもなくなった時代。

メディアは多様なのに、そういう人がいません。

僕が最先端を行き過ぎたのか、時代錯誤なのか。


ふと足元を見たら、どこかから流されたのか、

本来なら焼けて溶けているはずのビニールの

人形が、駅のホームに落ちていました。


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何かの戦隊ヒーロー。


この駅に子供を連れてきた人が忘れたのか。

それとも、流れ流れて、ここに辿り着いたのか。

なぜ、こんな瓦礫と化した駅に、こんなものが

落ちていたのかは、わかりません。


でも、地面に寝っ転がって落ちているなんて、

まるで戦いに負けたみたいだから、どんなに

叩かれても、子供たちの前で負けてはいけない

正義のヒーローを、僕はこの駅に立たせました。


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日本人の命を救い、

笑顔を取り戻すのだ!


こんな果てしない瓦礫の海の中で立ち上がり、

人々を救おうとしても、何も変わらないのかも

しれませんが、それでも僕はやり続けます。


立ち上がれ、ヒーロー。


僕のやることが、今は誰にも認められなくても、

いつか必ず、みんなが気づいてくれる日が来る。

5年後かもしれないし、10年後かもしれない。

もしかしたら、僕が死んじゃった後かもしれない。

けれど、それまで僕はブログを続けていきます。


ブログで世界を変えるのです。


最後に、たくさんの励ましの言葉をいただき、

ありがとうございました。いろいろと考えた末に、

明日から「ちだい節」を封印することにしました。

ただ客観的に、ただ淡々と、「心配ですね」という

結論に留めて書くつもりです。


提言はブログに書かず、

直接出せばいいんです。


僕の気持ちは、今、ここにたっぷりと書きました。

これ以上語ることはありません。「心配ですね」

その先のアイディアは、ブログ以外で直接動きます。

僕にしか書けない、圧巻のドキュメンタリーを書いて、

コメント欄を鎮める・・・。やってやりましょう!!