一昨日から始めた映画『恋空』レポート。

まだ、第1話第2話 をご覧になっていない方は、

まず、そちらをご覧になってから、読み進めてください。


前回は、ユウ(小出恵介)というニューフェイスの

ストーカーが登場したところまでお話ししましたが・・・。


しばらく、勉強を教えたりするだけの関係だったユウと美嘉。

しかし、やがて一緒にドライブに行くことに成功したユウは、

美嘉にお店で買ってきた大きな花束をプレゼントして、

「付き合ってくれ」と言います。


バカ! そこは地雷なんだって!

美嘉ちゃんは痛いコなので、お花を摘むのは

優しくないからダメなんだってば!!


そう思った次の瞬間、美嘉ちゃん、大きな花束を

普通に受け取り、「どうして、私なんですか?」と言いました。


エェェェェッ!!!?? (゚ロ゚ノ)ノ


買ってきた花だったらOKなんですか?

また逃げ出されても面倒なだけですけど、

「お花がかわいそう」の線引きが難しすぎです。


ちなみに、ユウくん、美嘉ちゃんを好きになったのは、

100%新垣結衣ちゃん的なルックスだと思いますが、

この質問に対し、何って答えたかって・・・。


「なんか・・・、妹みたいやからな。」


簡単に言うと、妹属性に萌えだそうです。

普通、「妹みたいだから」と言ったら、告白を断る時に

使うのが一般的ですが、肯定的にしゃべり出すユウくん。


これでは、秋葉原にある「NAGOMI」という妹カフェみたいな

ところが好きだと言っているようなものです。

(だとしたら、僕と話が合いそうだけどね。)


妹萌えの変態ながら、ルックスよし、慶大生で頭もよし、

おまけに、美嘉ちゃんの流産の過去に気づいていながら、

あえて、すべてを受け入れ、それでも付き合うというユウくん。

美嘉ちゃんにとっては、完璧な彼氏だと言えそうです。

唯一欠点があるとしたら、若干、KYなところがあるぐらい。


ある日、美嘉ちゃんの父さんの会社が倒産寸前で、

一家離散の危機に直面した時、美嘉ちゃんは悩みを

相談している間に、うっかりユウくんの家で寝てしまい、

無断外泊してしまうんですが、その後、ユウくん、

美嘉ちゃんの家にまで上がりこみ、「オマエが離婚だの

何だのって言うから、オマエの娘がかわいそうなことに

なってんじゃねぇか!」って言いたかったんでしょうね。

家に帰ってきたお父さんに、真っ先に言った言葉が・・・。


「彼女は朝まで、僕の家にいました!」


どんな暴言を吐き捨てるおつもりでしょう?

こんな言葉じゃ、絶対に意味が伝わりませんよ!


僕が父親(高橋ジョージ)の立場だったら、爽やかに、

僕は高2の美嘉ちゃんと付き合うロリコン気味の

大学生なんですが、僕たち、もうチョメってますよ!

と言っているようにしか聞こえませんもの。


ですが、夫婦喧嘩の末に、テーブルの上でバラバラに

破られた100枚ぐらいの写真を、1枚ずつセロテープで

貼り付けるという、とても1日では終わらなそうな

ジグソーパズルを、たった数時間でやり遂げた

ユウくんのウルトラCのおかげか、暴言のことなど

一切スルーで、家族は再び仲良しに!


美嘉ちゃんは、そんなユウくんに、もうベタ惚れ。

二人はいい感じに付き合っていました・・・。


その後、やってきた2度目の命日(クリスマスイブ)。

この地球温暖化のご時勢、1回ぐらい雪が降らない年が

あってもいいと思うんですけど、福岡はこれで3年連続の

ホワイトクリスマスとなりました。


この年は、毛糸の帽子をかぶった金髪に公園で遭遇。

美嘉ちゃんは、「帽子をかぶっているヒロを初めてみた」と

言いますが、ヒロは、「あ・・・あぁ、イメチェン」と言います。


「雪が降ってて寒いから」とか言えば自然なのに、

「イメチェン」などとホザくもんだから、すっかり帽子キャラに

なってしまった金髪男。実際に抗がん剤治療を受けているので、

本当に帽子キャラなのかもしれないけど、「イメチェン」って!


「幸せになれよ!」みたいなことで去っていく金髪、改め、

帽子男。その後、がんの治療に専念するためなのか、

一切姿を現さなくなり、学校で会うこともなくなりました。


やがて迎えた卒業式当日。高校生活の思い出を

振り返るかのように、図書室に行った美嘉ちゃんは、

図書室の小さい黒板に、「あなたは幸せでしたか?」という

疑問文を書いて、卒業式に出席します。


ところが、肝心の金髪、改め、帽子男は卒業式を欠席。

もう二度と会えないかと思った矢先、もう一度、図書室に

戻ってみると、「とても幸せでした」という答えが

書いてありました。そうです、あの金髪の野郎、

わざわざ学校に来てるのに、卒業式は欠席です。


でも、そんなやり取りがあっても、金髪の姿を見ることは

一度もなかったので、美嘉ちゃんは、ユウくんと同じ大学に

進学して、とってもハッピーな大学生活を過ごしていました。


僕の中では、このへんで終わってもいいんじゃないかと

思ったんですけどね。この「恋空」、いよいよこの後から、

クライマックスに向け、ますます手のつけられないド変態な

展開になっていきます。ちゃぶ台をひっくり返したと同時に、

パソコンをひっくり返さないように、くれぐれも注意して、

この先を読み進めてください。



やがて、やってきた12月24日、クリスマスイブ。

ここまで来ると、ツッコむ気すら失せますが、

この年も福岡は相変わらず、ホワイトクリスマスです。


この年は、例の公園に、ユウくんの車で送ってもらった

美嘉ちゃんですが、ユウくんは、この公園の駐車場に

車を止めながら、美嘉ちゃんにプレゼントを渡します。


ユウ:「10秒以内に開けないと没収な。」

美嘉:「えーっ♪」

ユウ:「10・・・、9・・・、8、7、6、5・・・!」

美嘉:「わー!ちょっと!早い、早い~っ♪」


くっだらないやり取りの末に、

ユウくん、誓いのリングをプレゼント。


美嘉ちゃんに「ずっと一緒にいよう」と言って、

美嘉ちゃんは、さっそく誓いのリングを左手薬指に!

えぇ、これはまさしく、婚約指輪だと言っていいでしょう。


「じゃあ、行ってくるね」と言って、車を出ようとする美嘉。

「俺も一緒に行くよ。だって、そこに行ったら、またあの男に

会うかもしれないだろ?」と言うユウ。


さあ、皆さん。今から、この美嘉というクソ女が

言う言葉を、よーーーーく聞いといてください。


元カレとの再会で、元カレのところに戻って

しまうのではないかと心配したユウに対し、

美嘉ちゃん、何って言ったのかって、左手薬指の

誓いのリングを見せて・・・。


「今、誓ったばっかりじゃん!」


そうです。確かに、そう言って、車を出て行ったのです。

そして、花壇に到着した美嘉ちゃん。そこで目撃したのは、

なんと、金髪男ではなく、金髪男の友達がお供えをして、

拝んでいるところでした。


「なんで、あなたがいるの?」


すると、この金髪男の友達、「美嘉だけには絶対に

言うなって言われたんだけどさぁ、あいつ、もうすぐ

死ぬかもしれないんだ。ガンで!」と、男同士の約束を

あっさりと裏切り、親友の秘密を簡単に暴露し始めます。

あげくに何を言い出すのかと思ったら、


「あいつ、まだ美嘉のことが好きなんだ!」


おい、小坊主。オマエは知らないかもしれないが、

美嘉ちゃんには、たった数分前に結婚を誓った

妹属性に萌える彼氏様がいらっしゃるんだ。

今さら、金髪ごときが好きだとホザいたからって、

そう簡単に寝返るわけがないでしょう。


・・・おや? どうした、美嘉ちゃん?


ちょっと美嘉ちゃんの様子が心配です。

金髪の友達が去った後も、花壇の前にしゃがみ込み、

ずっと考え事をしている美嘉ちゃん。すると、そんな様子を

心配したのか、ユウくんが花壇のところにやってきました。


「まだここにおったんか。何かあったのか心配したわ。

ほら、こんなところに1時間もおったら、風邪ひくよ。」


ユウくんは優しいですね、完璧な男です。

きっと、心配しながら、車の中で待っていたのでしょう。

気持ちの整理もついたでしょ、さあ、帰るんだ、美嘉ちゃん。


「私、行かなくちゃ・・・。」


えっ? えっ? えっ??

まさか、元カレが「がん」だからって、たった1時間前に

左手薬指につけた婚約指輪を見せながら、「さっき誓った

ばっかりじゃん!」などと、明るいトーンで話したばかりなのに、

ユウくんを捨てて、元カレのところに行くっていうの?


バカヤロー! どんだけ血迷えば、そんな結論になるんだ!

「女性専用車両が、電車の最後尾にあるのは差別だ!

もっと使い勝手のいい真ん中にあるべきだ!」などという

キチガイ全開のフェミニズムを唱える女の人の頭の上に、

ポコチンを置いて、「ちょんまげ~!」って言っちゃうぐらいの

血迷いっぷりですよ!


「行くなーっ!」と叫んで、美嘉ちゃんを掴むユウくん。

「放してー!」と言って、暴れ始める美嘉ちゃん。


すると、次の瞬間、なんと、たった1時間前に渡したはずの

婚約指輪が雪の上に落ちてしまいました。申し訳ないと思って

指輪を拾おうとする美嘉ちゃん。ところが、ここで、さっきまで

さんざん「行くな、行くな!」と、美嘉ちゃんを掴んでいた

ユウくんが、衝撃的な言葉を口にします。


「拾うなーーーっ!!」


ちだいさん、このシーンで大爆笑。

じゃあ、「行くな」って言うんじゃねぇよ!!


あーーーっひゃっひゃっひゃっ!

こりゃコントだ! 最高のショートコントじゃねぇか!

笑いすぎて、おなかが痛い。・・・あれ? でも、まわりから

笑い声が聴こえてこないなぁ。みんな、どうしてるの?

パッと、僕の隣の隣の席に座っていたアホそうな顔の

カップルの女を見たら、このシーンを見ながら!


グスンッ・・・。ズルズルズル・・・。フガッ!


エェェェェッ!!!?? (゚ロ゚ノ)ノ


1200万人が「恋空」で泣いたっていう話は、

てっきり、面白すぎて笑っているうちに、笑いすぎて涙まで

出てきちゃったんだと思っていましたが、よくよく見ると、

隣の隣の女だけでなく、映画館にいる女、ほぼ全員が

号泣しまくっていました。


泣けるのか! 普通の人は、このシーンで泣けるのか!

映画「手紙」では、クライマックスで号泣しまくりだった

僕ですが、「恋空」のこのシーンでは、まったく泣けません。

ヤバイです。このままでは、放送作家として最も重要な、

「恋空で泣きました」みたいな、みんなと同じ感性に

チャンネルが合わないまま、映画が終わってしまいそうです。


もし、ここで強引に泣くとしたら、ユウを演じる小出恵介さんが、

きっとこんなふうに、サエコさんをダルビッシュに奪われて

しまったんだろうなぁって、重ね合わせて泣くぐらいです。


ヤベェ。それを考えたら、

違う意味で涙が出そうだ・・・。


「行け! 俺が泣く前に早く行け!」と言うユウくん。

小出恵介さんが、サエコちゃんと別れる頃には、サエコちゃんの

おなかの中には、既にダルビッシュの・・・。きっと、「行け!」とか

かっこいいセリフも言えずに終わったんだろうな。 もうちょっとだ!


走って、金髪のところに行ってしまう美嘉ちゃん。

そして、婚約指輪を、どっか遠くにぶん投げる小出恵介。

実際には、自分が指輪を投げるのではなく、野球ボールを

ぶん投げているダル毛の男のところにサエコちゃんが・・・。



あっ! 僕も「恋空」で泣けました!


およそ2年の積み重ねも、一家離散の危機を救ったことも、

たった1時間前に指輪をもらって愛を誓い合ったことも忘れ、

元カレが「ガンだった」というだけの理由だけで、

今の彼氏をフッた美嘉ちゃん。


とても常人には理解しがたい女ですね。

どこで病室を知ったのか、その足で病室へと辿り着いた

美嘉ちゃんは、元カレの金髪(今は帽子をかぶっている)が、

今でも美嘉ちゃんのことを好きだっていうことが確かめると、

大学を休学して、金髪の看病に励むことにします。


僕としては、わざわざ大学を休まなくたって、毎日のように

面会に来ればいいだけの話じゃないかと思うんですけど、

休学したものの、病室で編み物したり、「みかんキャラメル」を

食べてみたり、看病というほどの看病は、何もやってません。


ちなみに、「みかんキャラメル」を食べている時には、

この金髪野郎、とうとう頭まで病に冒され始めたのか、


「美嘉とミカンって、響きが似てねぇ?(大爆笑)」


響きが似てても、全然面白くないんですけど!

いくら病気とはいえ、どんだけ笑いの沸点が低く

なっているんでしょう? そんなことなら、オマエの

ストーキング行為の方が、よっぽど面白いです。


病気になっても、ストーカー熱だけは冷めないのか、

編み物をしている様子やら、窓を見ている様子やら、

ことあるごとに、美嘉ちゃんをデジカメで隠し撮りする金髪。

病気以上に治る気配が感じられないストーカー行為。


すると、金髪の看病をしている途中で、美嘉ちゃんは

この病院で思いがけない人に遭遇することになります。


美嘉ちゃんをレイプさせ、流産までさせた、サキです。

あの頃は、さんざんっぱら金髪のことが大好きすぎて、

ひどいことをしていたのに、こいつ、再び現れた時には、

どっかの男とセックスし、臨月のおなかで登場しました。


「私のこと、恨んでるんでしょ?」と言うサキちゃん。

当たり前です。レイプに加え、おなかの赤ちゃんまで

殺してくれたわけですからね。呪い殺したいほどでしょう。

すると、「私のことを殴りなさいよ!」と言い出すサキちゃん。


いいんですか、サキちゃん? あんたは、その言葉を

顔面平手打ち程度で考えているかもしれませんが、

もし、僕が美嘉ちゃんの立場だったら、禁断のボディーに

深くて重たいパンチを入れているところですよ。


「さあ、殴りなさい!」と顔を差し出すサキちゃん。

バカヤローですね。ですから、殴るところが違うんですってば!

まぁ、いいです。殴られてから後悔すればいいでしょう。

自分から殴れと言っているわけですから、遠慮なんて

いりませんよね。さあ、美嘉ちゃん、思いっきりどうぞ!


あれ? どうした、美嘉ちゃん?


そうですか、ここで出ましたか。美嘉ちゃんのド天然。

なんと、美嘉ちゃん。「元気な子を産んでね」って言いました。


あんだけ酷い仕打ちをされたのに、「妊娠している。

よって、無罪!」ってことみたいです。学校でセックスしたり、

麻薬に手を出したりもしていた女なのに、こんなところだけは

どこまでもピュアですね。


やがて、本当に死ぬ間際だということで、金髪男に特別に

外出許可が下り、学校やら、お気に入りのショボい土手やらに

出かけることになった二人。


学校では、卒業式の日に「あなたは幸せでしたか?」という

質問に対して、「とても幸せでした」と書いた黒板が話題に

なるんですけれども、ここで衝撃的な光景を目にします!


卒業してから余裕で1年ぐらい経つのに、

まったく劣化することなく、そのまんまの

状態で保存されていた、黒板の文字!


いい加減にしろよ、このバカ監督!

「あー、あった、あった!」じゃねぇだろ!


そんなしょーもないメッセージ、翌日に即行消されるわ!

そんな奇跡を、当たり前のように起こすんじゃねぇよ!


「とても幸せでした」という文字を、「とても幸せです」という

現在進行形の文字にして、軽く幸せな気持ちに浸った後、

お気に入りのショボい土手に行った二人。

するとそこで、「結婚したい」と言い出した美嘉ちゃん。

二人の思いつきにより、突然、結婚式を始めることに

なるわけですが・・・。


ずっと病院にいたため、指輪を買えるわけでもなく、

プレゼントというプレゼントを用意できなかった金髪男。

美嘉ちゃんにあげたのは、なんと!


摘んだ花で作った

丸い髪飾りでした。


あのさぁ・・・。オマエら、最初の出会いを忘れたわけ?

そこは、「いくら結婚式とはいえ、摘んだ花の髪飾りなんて

お花がかわいそう!」だろ? なんで普通なんだよ!


外出許可が下りた日の話は、それで終わり、

それから数日後、とうとう金髪男は死にそうになりました。

脈拍の異常を伝える「ピリリリリン・・・」っていう機械音が

鳴り響く中、何があっても帽子だけは取らない金髪男。


酸素マスクを固定するのに、帽子なんて邪魔でしかなく、

帽子を取るのは常識なのに、帽子を取らない医者も医者です。


いや、これは医者が悪いんじゃない。女の長澤まさみですら

坊主になったっていうのに、男のくせに、主演を演じながら

坊主にすらならない、腐りきった俳優魂しか持っていない

この役者が悪いんだ! リクエストしない監督が悪いんだ!


映画をナメやがって!


どんなクソストーリーでも、どんなに矛盾いっぱいでも、

役者が本気なら、まだ救いようがあったものの、

これでは、フォローの言葉も見当たりません。


金髪男が死にかけている頃、美嘉ちゃんは

何をしていたのかと言えば、金髪が撮りためてきた

隠し撮りの写真を現像に出しており、暴走族の姉から

金髪が死にそうであるとの連絡を受けて、ダッシュで

病院に戻るわけですが、ここで、どこまでもベタに・・・、


走っている途中でコケる美嘉ちゃん。


写真が道路にバーッってなってしまうんですが、

そこに写っているのは、全部、美嘉ちゃんでした。

泣きながら、「私ばっかり・・・」と感動する美嘉ちゃん。


いい加減、キモいことに気づけよ!



気づかない間に大量に写真を撮られているんです。

中には、寝ている間に撮られた写真もあるわけです。

結局、この男、死ぬ間際までストーカー丸出しじゃん!


すると、思いついたかのように、携帯からテレビ電話で

病院に着くまでの模様を生中継する美嘉ちゃん。

これに気づいた金髪は、テレビ電話の美嘉ちゃんに

「笑って!」とリクエストします。泣きたい気持ちなのに、

精一杯の笑顔を見せる美嘉ちゃん。


やっぱ新垣結衣ちゃん、

笑顔もカワイイ。


金髪男、最期は新垣結衣ちゃんの

とびっきりの笑顔に癒されながら、ご臨終しました。

(なんていう、羨ましい死に方なんだ!)


大好きだった金髪男が死に、悲しみに暮れる美嘉ちゃん。

ご遺族から、金髪が死ぬまで書き綴っていたという日記を

もらうことになるのですが、読める心境じゃありません。


やがて、金髪男が大好きだった、あのショボい土手に出かけ、

悲しみに暮れようとする美嘉ちゃん。土手に行く途中にある

橋の上に差し掛かった時、美嘉ちゃん、何を血迷ったのか、

欄干の上に昇り始め、自殺を試みようとしました。


落ち着け! 落ち着くんだ、美嘉ちゃん!

そんな橋の上から飛び降りるなんて、絶対ダメだよ!


だって、そんな低い橋の上から、水がいっぱいの川に

飛び降りたところで、死ねるはずがないんだもの!

どうせだったら、もっと高い橋に行かなくちゃ!


しかし、この映画のクライマックスは、次の瞬間、訪れます。

いざ川に飛び込もうとした美嘉ちゃん。すると、いきなり

完全にCGでできた2羽のハトが美嘉ちゃんの目の前を

バッサバサバサバサ・・・・・・と、飛んでいきます。


エェェェェッ!!!?? (゚ロ゚ノ)ノ


この衝撃ときたら、なかなかのもんです。

水戸黄門で言うところの、正体を知らないヤツらに

さんざんジジィ扱いされながら、困っている娘のために

情報収集しまくって、やっとシッポを掴んで乗り込んだら、

開き直った悪いヤツが、「やっちまえ!」みたいになって、

バトルにバトルを重ねた後、「静まれ、静まれー!」と言って、

カクさんが、“ふところ”から出したのが、「ハト」。

・・・ぐらいの衝撃です。


何の前フリもなくハトを出すのは、

手品だけにしていただきたい!


ハトにビックリした美嘉ちゃんは、「わーっ!」ってなって、

セーフティーな方に落ちるんですが、その時に持っていた

金髪の日記が道路に転がり、パラパラパラッとめくれると、

そこには、美嘉、美嘉、美嘉・・・。美嘉ちゃんのことばっかり

書いてあるわけですね。


ここで映画館中の女子が

全員、一斉に大号泣!


何でしょうか、この展開は一体?

僕は、この映画で泣いている女子たちに聞きたい。

これは、三浦春馬がカッコイイから、日記にいっぱい

「美嘉、美嘉」って書いてあっても泣けるんだろうけど、

これと同じことをアキバ系で三十路手前にして童貞の

僕がやったら、キミたちは何って言うのかね?


「え~、キモ~い!」だろうが!


今、「キモい!」って言った女、全員覚悟しておけよ!

僕が死んだらなぁ、「恋空」みたいに、オマエらのことを

ず~っと空から、エロ~い視線で見守ってやるからな。

外に出れなくしてやる!


ちなみに、この「恋空」という物語、最後はどのように

終わるのかと言うと、第1話の一番最初に話したとおり、

この話自体が、ただ電車に乗りながら、この女が勝手に

昔の思い出を振り返っているだけなので・・・。


暇つぶしに折り鶴を折りながら、電車は目的地である

福岡の田舎の駅に到着。家族の出迎えを受けた

美嘉ちゃん(新垣結衣)は、家族に「ただいま!」と言って、

それに対してお母さんが、「今夜は、からあげよ!」と言って、

ミスチルが流れて終了します。


初恋、ファーストキス、初体験、レイプ、イジメ、

妊娠、流産、別れ、新たな出逢い、婚約、病気、

限られた大切な時間、最愛の人の死、ハト・・・、


からあげ。ミスチル。


この映画が、ハッピーエンドなのかバッドエンドなのかと

聞かれたら、それはおそらく、最愛の人は死んでいますが、

「今夜は、からあげ」なので、ハッピーエンドだと思います。



いかがだったでしょうか?

3日間にわたってお送りしてきました、映画『恋空』。

多少、関係者の皆様に暴言を吐いてしまいましたが、

この映画、僕は、とっても面白かったと思います。

「いしともブログ」的にですけどね。


あくまでネタとして書いているつもりですが、もし万が一、

ご立腹になってしまった場合には、妊娠してるからって

サキちゃんを許した美嘉ちゃんみたいに、ウマみたいな

顔したブサイクだからって、許してもらえれば幸いです。


なにしろ、この映画を観て、僕、あんまり

泣いたりはしなかったんですけど・・・。


「からあげ」は、無性に

食べたくなりましたから。


最後に一言。3日にわたってお届けした「恋空」ですが、

一番の笑い所は、どこだったのかと聞かれたら、それは、

この話が、すべてノンフィクションでお届けされていたって

ことだと思います。本当に、本当に、ありがとうございました。