フォルテピアノの世界第6回モーツァルトが愛奏したクラヴィーアたち

小倉貴久子先生のフォルテピアノの世界　第6回を聴きに行きました！

先生所蔵の楽器3台を含む、総勢5台の鍵盤楽器が東京文化会館小ホールに勢ぞろい。

画像左から

・クラヴィコード

・チェンバロ

・タンゲンテンフリューゲル

・フォルテピアノ（ヴァルター）

・フォルテピアノ（シュタイン）

もうね、これらをお一人で素敵に豪華に遊び心たっぷりに演奏してくださったんです。

贅沢過ぎるひとときでした。

～プログラム～

W.A.モーツァルト

☆チェンバロ

２つのメヌエットト長調 K.1e／ハ長調 K.1f
ヴィレム・ファン・ナッサウの主題による７つの変奏曲ニ長調 K.25

☆タンゲンテンフリューゲル

ソナタト長調 K.283（189ｈ）

☆フォルテピアノ（シュタイン）

ソナタハ長調 K.330（300ｈ）

☆クラヴィコード

ロンドイ短調 K.511

☆フォルテピアノ（ヴァルター）

（…開演前の調律中。フォルテピアノ製作家の太田垣さんです）

ファンタジーニ短調 K.397（385ｇ）[小倉貴久子補筆版]

ソナタ変ロ長調 K.333（315ｃ）

・アンコール

ロンドニ長調（ヴァルター)

トルコ行進曲（5台リレー全部弾き分け）

クラヴィーア：小倉貴久子

今回も素晴らしすぎて、そして楽しすぎて、語録を失いつつあるので。

先ほどこの演奏会のアンケートフォームより送信した感想をそのままここに載せます。

私の感動が少しでも伝われば幸いです。

小倉先生

昨日は感動の嵐でした！

5台全ての楽器を、まるで呼吸するかのように自然に弾きこなされ、モーツァルトと一緒に遊んでいるような錯覚を起こすくらい、聴いていて楽しかったです。
いつも感じることですが、今回は特に同時に5台も弾き分けるという超人的なプログラムであるにも関わらず、先生があまりに自然にそれぞれの個性を引き出されつつ演奏されるので、ただただ愉しさを感じて涙しておりました。

チェンバロでのK.1、こんなにもバリエーション豊かに装飾を紡ぎつつ表現されて、1曲目から心が踊りました。小倉先生は本当にすごすぎです！一気に惹き込まれました。

タンゲンテンフリューゲルでも多彩な音色を。シュタインの音色は初めて聴きましたが、控えめで女性的な感じで、ハ長調のソナタと絶妙な相性を感じました。

クラヴィコードでのロンドイ短調...!! 一音聴いた時から、（…ああ、クラヴィコードが歌ってる！）と感じました。先生の演奏はなんと美しく響くのでしょう。私はここでも泣きました。音量云々ではなく、もう先生の心から迸る情熱がそのまま伝わってきました。

そしてヴァルターでのファンタジー〜からの〜K.333。圧巻でした。心底ノックアウトされてまた感動の涙でした！モーツァルトの世界に没入しました。モーツァルト御本人も絶対あの場に居て、先生と一緒に楽器たちと共に戯れていたに違いありません。
一方、先生のその人並み外れた技量と熱量に、あの演奏は裏打ちされているのだということを、あらためて感じ入っている自分もいます。そこにもただただ感嘆のため息が出るばかりですが、先生の演奏はいつもそれを超越したところから、聴き手には感動と喜びだけをダイレクトに伝えてくださいます。
そしてアンコールのロンドニ長調。先生、初めて弾かれたのは6歳なのですね！凄すぎます…
しかもあの”発表会ではしゃいでいらっしゃったお話”、以前伺った時から私は大好きなのですが、あの場所での発表会でいらしたのですか！凄い...でも微笑ましいです。先生の音楽人生、必ずしも平坦ではなかったと勝手ながら想像をしています。日本では開拓されて居ないフォルテピアノの世界を切り開いてこられたのですから。
一ファンとして、一聴衆者として、こんなにも楽しくて嬉しいフォルテピアノの世界を私たちに教えてくださり心より御礼申し上げます。
私たちは先生にお会いできて、日本にいながらにして、いつでも先生の演奏を直接聴くことができて本当に幸せです。
アンコールのアンコール、トルコ行進曲はもう先生にしか演奏はできない!!!!!です。5台の楽器を瞬時に、かつ遊び心満載に弾き分けるなんて、サービス精神旺盛にも程があります！
でもそこには、先生の楽器への愛情や製作家に対する畏敬の念、感謝がてんこ盛りであることも感じられて、これまた胸いっぱいになりました。

本当に幸せなひとときでした！
ありがとうございました！！

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さて、みなさま。次回は12月です。

フォルテピアノの世界第7回は、12月17日トッパンホールです。