話は少しさかのぼります。

3月27日(水)に東京オペラシティの近江楽堂へ

小倉貴久子の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》《第36回》J.S.シュレーター
を聴きに行きました。
小倉先生のフォルテピアノの潔く美しい音色と、共演者の方々との絶妙な掛け合いが、何とも言えずただただ素晴らしく、ため息が出ました。

 

 

いつも、このシリーズのプログラムに登場するゲスト作曲家とモーツァルトの関わりに驚かされてばかりです。

なぜかというと、(お恥ずかしながら)私が初めて知る作曲家であるばかりか、それぞれがとても魅力あふれる人物であり、作風であるからです。小倉先生が毎回ご紹介くださるゲスト作曲家の話や、その作品を実際に耳にするたびに目からうろこが100枚くらい落ちます。

 

そうだったのか~、そんな出会いが合って、実際そんなやり取りが合って、この作品が生まれたのか。モーツァルトとその作曲家がお互いどんな影響を与えあったのか、と実感させてもらえる場です。近江楽堂という親密な空間に広がる美しいフォルテピアノの演奏に、あたかもその人物がポン!と目の前に登場してくるような錯覚に陥ります。毎回です。この…クセになる、ワクワク感。

一度この現場で体感したなら、あなたもきっとクセになる…♡。そう、本当に。(*´艸`*)

実際にモーツァルトが生きていた時代に、モーツァルトが日々演奏し作曲したであろう楽器で、その時代の演奏スタイルで、聴ける。この贅沢…!現代の楽器での演奏とは全く異なる世界です。とっても奥深く、興味は尽きません。

 

モーツァルトの作品が、彼独自の作風に昇華されるまでの過程にはいろいろあったんですね。彼が演奏旅行先で出会った先達に学び、親交を深める中で、多くの刺激を受けて自分の作品にも反映させたり。その過程を、私はこの「モーツァルトのクラヴィーアのある部屋」から学ばせていただいています。

 

モーツァルトが並外れた才能の持ち主であった(しかし努力の人でもありました)ことや、その短い生涯の中で優れた作品を多く残していることは、言わずもがな…ですね。

「モーツァルトは素晴らしい!」…それは紛れもない事実なのですけれど、そこだけに目が(耳が)集中してしまうんですね。モーツァルト作品の優れた演奏を聴き、自らもずっと練習するだけだった気がします。しかしモーツァルトがその作品を生み出す過程で、彼に多大なる影響を与えたであろう先輩作曲家が本当はたくさんいたわけです。私たちは普段そのことにあまり注意を払っていないのかも知れません。

 

 

〔ゲスト作曲家〕J.S.シュレーター Johann Samuel Schroeter [c.1752-1788]

小倉 貴久子(クラヴィーア)・渡邉 さとみ(ヴァイオリン)

松永 綾子(ヴァイオリン/ヴィオラ)・懸田 貴嗣(チェロ)

 

J.S.シュレーター:ヴァイオリンとバスつきのクラヴィーアソナタ ニ長調 作品2-1/クラヴィーアとヴァイオリンのためのソナタ ト長調 作品4-5/コンチェルト ハ長調 作品3-3

 

W.A.モーツァルト:小品 ハ長調 K.15x/ディヴェルティメント(三重奏曲) 変ロ長調 K.254/

クラヴィーアとヴァイオリンのためのソナタ ト長調 K.301/四重奏曲 ト短調 K.478

 

 

今回は、肖像画さえも残っていない”J.S.シュレーター”という作曲家でした。

音楽一家の中に生まれ、当時非常に人気があった人だそうです。知らなかった。父は音楽家、姉も優れた歌手兼作曲家であったとか。さらにはシュレーターの奥さんも歌手(それも美人の)であったそう。

ライプツィヒなどで教育を受けた後、1770年代半ばにロンドンで活躍するようになります。バッハの息子でモーツァルトとも親交があったヨハン・クリスティアンから評価され、ヨハンが亡くなった後同地で英国王妃シャーロットの音楽教師に就任。

実際にモーツァルトがシュレーターと直接会った記録はないですが、モーツァルトがシュレーターのいくつものピアノコンチェルトのカデンツァを書いていたのは事実であり、その演奏を今回目の前で聴きました。シュレーターの作品に刺激を受け、学んだ足跡が見られて非常に興味深かったです。

モーツァルトとほとんど同時期に生まれ、早世してしまったシュレーター。年代だけでなく作風もモーツァルトに似ていました。…と言うかモーツァルトがシュレーターを尊敬し、その作風を取り込んだというべきでしょうか。とても闊達で、心地よい作風です。

 

小倉先生のフォルテピアノに、ヴァイオリンの渡邉さとみさん、松永綾子さん、チェロの懸田貴嗣さんらが加わり、その音色の溶け合い具合がもう素晴らしくて。

ヴァイオリンのお二人は、ヴィオラにも持ち替えたりと大忙し。しかし受け持つ楽器やパートが変わっても、あの一体化した音色は私の耳から心へ、心地よく響きました。小倉先生の左手から奏でられるバスと、チェロの懸田さんの深い音色が重なり合って響き渡りました。奏者によってこんなにも音色は違うのかと、改めて感じつつもこの一体感。小倉先生のやわらかな指から奏でられるはつらつとした音色にお三人の鮮やかな音色が加わって、まるで音でお話し合っているよう。

 

上行していく3度のパッセージも、丁々発止の掛け合いも、色合いを次々と変えていくハーモニーも、美しさだけを感じさせてくださいました。難しさなど、どこにも感じませんでした。それがまた本当に素晴らしくて、出るのはため息ばかり。

 

特に最後に演奏された、「クラヴィーアとヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための四重奏曲 ト長調 K.478」は、絶品でした。現代の楽器で演奏されるのとはまた全然違う輝きを放っていました。本当に素晴らしすぎました。

 

先生仲間の何人かで、演奏会が終わってからお茶をしに行きました。

しかしみんな言葉もなく、出てくるのはうっとりとしたため息ばかり。

なんで、どうして、あんな演奏ができるの~?…そんな、言葉に出して言っても何にもならないことを。

わかっていても、つい何度も口に出してはみんなで気もそぞろにコーヒーを飲んで。お菓子をつまむ。

美しい演奏の余韻は尽きず、ため息も尽きず、コーヒーの味もお菓子の味もよくわからないまま、それぞれの帰路に着いたのでした。

いいのです、みんなであの場をあの演奏を共有できたことだけで、それで充分。

言葉は要らないってこういうことだよね。

 

みんなそれぞれ教室を持つ先生ばかりなので、平日の夜こうして演奏会に足を運ぶのは難しいですが、日程をやりくりしてこうして小倉先生の演奏会に来られる幸せを、また噛みしめたいと強く願うのでした。

 

 

 

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