令和2年向け・司法試験過去問のランク付け 刑事訴訟法(1位)の年度ごとの説明 | びょうそくで司法試験(加藤喬の司法試験対策ブログ)

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 加藤喬
 青学法→慶應院(既修)
 平成26年、3回目の受験で労働法1位・論文36位で司法試験合格
 その後、辰巳法律研究所で講師デビューを果たし、司法修習も終え、現在は、資格スクエア・BEXAにて、過去問分析・方法論を反映した基本7科目・労働法の総合講座を担当

1.科目ごとの司法試験過去問の優先順位

 

  今年までの出題を前提にすると、司法試験過去問の優先順位は以下の通りです。

 

1位  行政法・刑事訴訟法

2位  憲法

3位  商法

4位  民事訴訟法

5位  民法・刑法

 

  行政法・刑事訴訟法は、過去問で出題範囲の大部分をカバーできるからです。

 

  以下では、刑事訴訟法のランク付けについて公開するとともに、ランク付けの理由について説明させて頂きます。

 

  なお、行政法についてはこちらの記事で公開しております。

 

 

2.刑事訴訟法のランク付け

 

(1)司法試験過去問から学ぶべきこと

 

  刑事訴訟法は、司法試験過去問により出題範囲の大部分をカバーすることができます。

 

  何を書くべきかが比較的明らかであることも踏まえると、伝聞・非伝聞の結論を除けば、基本的に、何を書いたかではなく、どう書いたかという次元で差がつく科目であるといえます。

 

  そのため、司法試験過去問で出題された分野・論点、特に2回以上出題された分野・論点については、正しい論証を書き、正しく説得力のある当てはめをすることができるよう、しっかりと準備しておく必要があります。

 

  また、伝聞・非伝聞の区別では、いかなる事実を要証事実として設定するか(ひいては、伝聞・非伝聞の結論)で間違えることがないよう、過去問を通じて要証事実を導く過程について正確な理解を身につけるとともに、過去問演習を通じて要証事実を導くための思考手順に慣れる必要があります。

 

  伝聞・非伝聞の区別では、要証事実を導く過程の説明の説得力(推認過程又は証拠構造の説明の説得力)も大事ですが、まずは、結論レベルのことで間違えないよう、正しい要証事実を導けるようになりましょう。

 

  正しい要証事実を導くための学習をする過程で、自然と、推認過程や証拠構造の理解が深まり、、要証事実を導く過程の説明の正確性・説得力が増してくると思います。

 

(2)刑事訴訟法の出題の傾向

 

  司法試験の刑事訴訟法では、典型論点が再度出題された場合、典型事案からずらすなどして捻りが加えられることが少なくないです。

 

  例えば、訴因変更の要否は、平成24年設問2で基本問題として出題された後、平成26年設問2において、第1回公判前整理手続で顕在化するという形に捻って出題されています。

 

  訴因変更の可否も、平成26年設問2で基本問題として出題された後、令和元年設問2において、公判前整理手続終了後という形に捻って出題されています。

 

  別件逮捕・勾留も、平成23年設問1で基本問題として出題された後、令和元年設問1において、学説対立という形に捻って出題されています。

 

  共謀を立証するための犯行計画メモの使い方(伝聞・非伝聞の区別)も、平成18年設問2で基本問題として出題された後、平成27年設問2において、共通意思形成の事実を認定できない事案であるため作成者の作成当時の意思・計画を要証事実とすることはできないという形で、平成18年設問2とは異なる事案で出題されています(推認過程を正確に理解していないと、この点に気が付けません。)。

 

  平成30年以降、刑事系論文で、学説対立をはじめとする多角的検討が求められる傾向になっていることを踏まえると、再度出題される可能性のある分野・論点については、多角的検討の一環として学説対立が出題されることに備える必要があります。

 

  また、平成30年設問2では、領収書について、詐欺罪の交付行為を立証するための証拠としての使い方について複数検討させる出題がなされていますから、同種前科証拠・類似事実証拠や伝聞非伝聞の区別については、複数の推認過程を説明できるように準備しておく必要があるともいえます。

 

(3)出題の傾向・実績を踏まえた出題予想

  

 ア.来年出題される可能性が低い分野・論点

 

  強制処分該当性・任意処分の限界は、平成19年、平成22年、平成26年、平成27年、平成28年、平成30年に出題されているため、来年出題される可能性は低いです(但し、平成22年のおとり捜査・会話録音は出題可能性が高いです。)。

 

  別件逮捕・勾留も、平成23年、令和元年に出題されているため、来年出題される可能性は低いです。

 

  訴因変更の可否も、平成24年、令和元年に出題されているため、来年出題される可能性は低いです。

 

  訴因変更の要否も、平成24年に基本問題として出題された後に平成26年に応用問題として出題されていること、隣接分野である訴因変更の可否が令和元年に出題されていることから、来年出題される可能性は低いです。

 

  公判前整理手続絡みの問題も、平成26年、28年、令和元年という頻度で出題されていることを踏まえると、来年出題される可能性は低いです。

 

  必要な処分の限界+令状事前提示原則とその例外という論点の組み合わせも、平成20年と29年に出題されているため、来年出題される可能性は低いです(但し、「必要な処分」の限界は、様々な事案で出題することが可能であるため、来年出題される可能性が低いとはいえません。)。

 

  現行犯逮捕(プレテスト)、準現行犯逮捕(プレテスト・平成25年)も、令和元年に別件逮捕・勾留が出題されたため、来年出題される可能性がやや低くなったと考えます。

 

 イ.来年出題される可能性が高い既出の分野・論点

 

  平成18年に出題された職務質問、職務質問のための「停止」としての有形力行使、所持品検査は、重要論点であるにもかかわらず、平成18年以降、一度も出題されていませんから、来年出題される可能性が高いです。

 

  平成19年に出題された同種前科証拠による犯人性立証も、複数の推認過程を問うことができるため多角的検討という近年の出題傾向と相性が良いこと、平成19年に出題された後に最高裁の立場が明らかになったこと、平成19年に出題された犯人特定目的のビデオカメラ撮影が平成30年に出題されたことなどを踏まえると、来年出題される可能性が高いです。

 

  同種前科証拠については、犯罪性向が固着化している場合における例外許容性(川出説)、顕著な特徴が相当程度類似すること自体による犯人性推認に対する反証、類似事実証拠との比較、主観的要素の立証という形に捻って出題される可能性もあります。

 

  平成21年に出題された捜索差押時に行われる写真撮影も、撮影対象が令状記載の差押対象物に該当するかどうかの当てはめで関連性を検討する力(司法試験の刑訴法論文で重視されています)を問うことができるため、来年出題される可能性が高いです。

 

  平成22年に出題された遺留物の領置、おとり捜査、会話の一方当事者の同意に基づく会話録音も、来年出題される可能性が高いです。

 

  おとり捜査、会話の一方当事者の同意に基づく会話録音は、強制処分該当性・任意処分の限界に属する論点であるものの、強制処分非該当が学説上ほぼ確定しており、任意捜査の限界が主たる検討対象になるという点に特徴があり、通常の強制処分該当性・任意処分の限界とはやや異なります。そのため、来年出題される可能性は高いと考えます。

 

  逮捕に伴う捜索・差押えは、平成18年・24年・25年に出題されて以来、一度も出題されておらず、学説問題との相性が極めて良いため、来年、学説問題として出題される可能性が高いです。

 

  違法収集証拠排除法則は、平成18年・22年ではサブの検討事項にとどまりますし(伝聞メインであり、前提捜査適法であればそもそも論点として出てこない)、平成27年でもメインであるものの理論構成の1つにとどまるという位置づけですから、来年、メイン論点として出題される可能性が高いです。

 

  平成27年に出題された自白法則も、学説問題として出題しやすいので、来年出題される可能性が高いです。

 

  伝聞法則が2年連続で出題されなかったことはなかったので、来年、伝聞法則が出題される可能性も高いです。

 

 ウ.来年出題される可能性が高い未出題の分野・論点

 

  一応、司法試験で出題されていない分野・論点のうち、来年出題される可能性が高い分野・論点についても紹介させて頂きます。

 

  差押対象物に関する差押令状の記載を解釈した上で差押対象物該当性を検討するとともに、別件差押えについても検討するという問題は、来年出題される可能性が高いと考えます。

 

  訴訟条件の判断基準(訴因基準説・心証基準説)、訴因の特定(特に、識別説・防御説)も、学説問題との相性が良いため、来年出題される可能性が高いと考えます。

 

  類似事実証拠による犯人性立証は、平成25年最高裁決定の金築補足意見が示した同種前科証拠と類似事実証拠の違いも踏まえながら悪性格立証を媒介とする推認過程の許容性を検討することも含めて、来年出題される可能性が高いと考えます。

  

  多角的検討という出題傾向や同種論点を捻って再度出題するという出題傾向と相性が良いことや、類似事実証拠に関するH25重判4解説を現考査委員である堀江教授が担当していることなどが理由です。

 

  一事不再理効も出題される可能性が高いと考えます。

 

  一事不再理効の客観的範囲は「公訴事実の同一性」であるため、訴因変更の可否が出題された令和元年の翌年に出題される可能性は低いように思えますが、令和元年に出題された「公訴事実の同一性」は狭義の同一性である一方で、一事不再理効の客観的範囲として問題となる「公訴事実の同一性」は単一性であることが多いため(常習窃盗に関する2つの最高裁判例はいずれも単一性に関するもの)、来年出題される可能性は高いと思います。

 

(4)Aランク

 

  [プレテスト]

  設問1では、現行犯逮捕、準現行犯逮捕、違法逮捕後の再逮捕、勾留要件が問われています(認定によっては、違法逮捕に引き続く勾留請求も問題となります。)。

 

  今年まではAランクでしたが、今年の設問1で別件逮捕・勾留が出題されたことに伴い、逮捕・勾留全般について、来年出題される可能性がやや低くなったため、Bランクに格下げです。

 

  設問2では、共謀形成過程における共犯者の一方の発言により共謀を立証する場合における当該発言の使い方(推認過程)が問われています。

 

  伝聞非伝聞の区別で直接の立証事項という意味での要証事実を設定する際には、①証拠に対応する主要事実の確定、②①の主要事実の証明に至る推認過程の確定、③②の推認過程における直接の立証事項を要証事実として設定、という過程を辿り、 ④③の要証事実が公判廷外供述の内容であれば伝聞となります。

 

  そこで、まず初めに、検察官がWの証言中の乙の発言により窮極的に立証しようとしている主要事実が共謀であるということを、問題文のヒントから導くことができるようになる必要があります(①)。

 

  次に、発言の存在自体を要証事実とする推認過程と、発言当時の乙の心理状態を要証事実とする推認過程の双方について説明できるように準備しておきましょう(②、③)。

 

  設問2は、Aランクに位置づけます。

 

  設問3では、321条2号後段の検面調書の相対的特信情況、共同被告人の自白調書を本人との関係で使う場合と共犯者との関係で使う場合における伝聞例外規定の適用態様の違いが重要です。

 

  設問3も、Aランクに位置づけます。

 

  [平成18年]

  設問1では、主として、①職務質問、②職務質問のための「停止」としての有形力行使、③所持品検査が出題されており、これらを復習する必要性が高いです。

 

  ④無令状捜索・差押えも出題されていますが、メイン論点ではなく、学説対立が顕在化する事案でもないため、復習する必要性は高くありません。

 

  設問2では、主として、伝聞・非伝聞の区別として、被告事件の客観的状況と一致するメモにより被告人・共犯者間の共謀を立証する場合におけるメモの使い方(推認過程)が問われています。

 

  これについては、直接証拠型1つと間接証拠型2つの合計3つの推認過程について正確に理解しておく必要性があります。

 

  犯行メモは、平成30年設問2の領収書のように、複数の使い方を説明させる問題として出題される可能性が高いです。

 

  [平成19年]

  設問1は、Cランクです。

 

  犯人特定目的でのビデオ撮影は、平成30年にも出題されており、来年出題される可能性が低いからです。

 

  設問2は、Aランクです。

 

  同種前科証拠による犯人性立証について、①悪性格立証を媒介とする推認過程と、②顕著な特徴が相当程度類似すること自体を間接事実とする推認過程の双方を正確に理解しておきましょう。

 

  関連して、犯罪性向が固着化している場合における例外許容性(川出説)、顕著・相当程度類似による推認に対する反証、類似事実証拠との比較、主観的要素の立証についても確認しておきましょう。

 

  [平成21年]

  設問1では、捜索差押時に行われる写真撮影の適法性が出題されており、理論面・当てはめ(特に、写真②・④における推認過程)の双方につき正確に理解しておく必要があります。

 

  設問2では、伝聞法則との関係で、実況見分調書全体の性質、同調書中の被告人の説明部分・写真部分の要証事実が問われています。

 

  後者では、立証趣旨の捉え方について検察官と弁護人の意見が対立しているため、各々の立証趣旨に従った場合における説明部分・写真部分の伝聞非伝聞の帰結や伝聞例外の適用態様、証拠調べ請求をした検察官が示した立証趣旨を無視して要証事実を設定することの可否について検討することになります。

 

 

  [平成22年]

   設問1では、主として、遺留物の領置(「遺留した物」、領置の限界)、押収した携帯電話のデータ復元の可否が問われており、いずれも再度の出題に備える必要性が高いです。

 

  設問2では、主として、おとり捜査の適法性、会話の一方当事者の同意に基づく会話録音、伝聞法則が問われています。

 

  おとり捜査の限界については、川出説で書けるように準備しておくといいでしょう。

 

  [平成24年]

  設問1では、令状捜索として、場所に対する捜索令状により捜索場所内の物を捜索することの可否、捜索実行中の捜索場所内に搬入された物に対する捜索の可否、捜索対象に差押対象物が存在する蓋然性が、無令状捜索としては、「逮捕の現場」(T社の管理権と乙の使用の競合)、捜索対象に被疑事件に関連する証拠物が存在する蓋然性が問われています。

 

  いずれも、再度の出題に備える必要性が高いです。

 

  なお、平成18年・24年はいずれも、相当説と緊急処分説の対立が顕在化する事案ではないため、両説の対立については過去問以外で学習しておく必要があります。

 

 

  設問2では、択一的認定、訴因変更の要否が問われており、いずれもBランクです。

 

  [平成27年]

  設問1では、会話当事者双方の同意に基づかない会話録音の強制処分該当性・任意捜査としての限界が問われており、来年出題される可能性が低いことを踏まえると、B又はCランクです。

 

  設問2では、主として、①自白法則、②不任意自白の派生的証拠、③被告事件の客観的状況と一致する本件文書により被告人・共犯者間の共謀を立証する場合における本件文書の使い方(伝聞・非伝聞)、④被告人からの指示をメモしたとされる本件メモにより被告人・共犯者間の共謀を立証する場合における本件メモの使い方(伝聞・非伝聞)が問われています。

 

  ①では、学説対立(特に、虚偽排除説と違法排除説の対立)まで確認しておきましょう。

 

  ②では、自白獲得手続の違法性を認定できるのであれば違法収集証拠排除法則(違法性承継論)で、自白獲得手続の違法性を認定できないのであれば毒樹の果実論の転用(リークエ記載の堀江教授の見解)で処理できるように準備しておきましょう。関連して、自白法則の根拠が派生的証拠に妥当するかどうかも説明できるようにしておきましょう。

 

  ③では、平成18年に出題された犯行計画メモと同様、3つの推認過程を説明できるようにしておきましょう。

 

  ④では、平成18年の事案との違いを踏まえ、作成者の意思・計画を要証事実とすることの可否について説明できるようにしておきましょう。

 

(5)Bランク

 

  [平成20年]

  設問1では、被告人の元交際相手が作成した本件ノート(日記)の証拠能力について、3つの立証趣旨との関係で検討することが求められています。

 

  まず、立証趣旨ごとの主要事実を確定した上で、同じ推認過程に属する立証趣旨ごとにグルーピングする必要があります。

 

  次に、立証趣旨のグループごとに、①対応する主要事実の確定→②①の主要事実の証明に至る推認過程の確定→③②の推認過程における直接の立証事項を要証事実として設定→④伝聞非伝聞の結論→⑤伝聞に当たる場合には伝聞例外の要件検討、という流れを辿ります。

 

  本問では、立証趣旨がいずれも間接事実レベルの事実しか指していないため、立証趣旨ごとの主要事実を正確に把握できる(①)かも重要になってきます。

 

  伝聞例外では、321条1項3号の絶対的特信情況がメインの検討事項になりますから、本問を通じて、絶対的特信情況の当てはめの作法を身につけましょう。

 

  再伝聞については、供述代用書面である本件ノートに公判廷供述に関する324条を準用(類推)できる根拠、さらに、学説問題として再伝聞肯定説・否定説も確認しておきましょう。

 

  設問2では、必要な処分の限界+令状事前提示原則とその例外という論点の組み合わせが出題されており、これは平成29年にも出題されているため、来年出題される可能性は低いです。

 

  もっとも、「必要な処分」の限界は、様々な事案で出題することが可能であるため、来年出題される可能性が低いとはいえません。

 

  そのため、一応、Bランクに位置づけます。

 

  「必要な処分」については、特に、必要性の当てはめの作法(流れ)を確認しておきましょう。

 

  [平成23年]

  別件逮捕・勾留が出題された設問1は、Cランクです。

 

  伝聞法則が出題された設問2は、Bランクです。 

 

  [平成25年]

  設問1では、準現行犯逮捕、無令状差押えが出題されています。

 

  令和元年に別件逮捕・勾留が出題されたことにより準現行犯逮捕の出題可能性が下がり、無令状差押えは学説対立が顕在化する事案で出題されているわけではありませんから、いずれの分野もBランクに位置づけます。

 

  設問2では、実況見分調書全体の性質、同調書中の作成者(司法警察員)の説明部分・立会人(被告人)の説明部分・写真部分の要証事実・伝聞例外の適用態様が問われています。

 

  実況見分調書絡みの伝聞法則の問題を理解する上で非常に有益な問題であるため、Aランクに位置づけます。

 

  ポイントは、①犯行状況を立証趣旨とする[別紙1]が実質証拠であり、犯行目撃可能性を立証趣旨とする[別紙2]は[別紙1]に関する補助証拠であるという証拠構造の大枠を理解すること、②犯行状況と犯行目撃可能性を立証するために説明部分・立会人(被告人)の説明部分・写真部分の各々によるいかなる事実を直接証明することになるのかという観点から各々の要証事実を設定するということです。

 

  [平成29年]

  設問1では、①必要な処分の限界+令状事前提示原則とその例外という論点の組み合わせ、②場所に対する捜索令状により捜索場所に居合わせた者の携帯品を捜索することの可否、③場所に対する捜索令状により捜索場所に居合わせた者の身体・着衣を捜索することの可否が問われており、①はCランク、②・③はBランクに位置づけます。

 

  設問2では、弾劾証拠と回復証拠が出題されており、弾劾証拠については学説対立を含めてBランク、回復証拠についてはCランクに位置づけます。

 

  [平成30年]

  設問1は、犯人特定目的でのビデオ撮影の強制処分該当性・任意捜査としての限界を問う問題であり、Cランクに位置づけます。

 

  設問2では、伝聞法則との関係で、詐欺事件の被害者が作成したメモと被告人が作成したとされる領収書の証拠能力が問われています。

 

  領収書については、対応する主要事実の確定した上で(本問では、交付行為)、交付行為の証明に至る推認過程を2つ以上、説明できるように準備しておきましょう。

 

  領収書自体は、来年出題される可能性が低いですが、①対応する主要事実の確定→②①の主要事実の証明に至る推認過程の確定→③②の推認過程における直接の立証事項を要証事実として設定→④伝聞非伝聞の結論という伝聞非伝聞の結論を導く思考手順の理解を深めるうえで非常に有益な問題です。

 

  そこで、領収書は、Aランクに位置づけます(本件メモは、Bランクです。)。

 

  なお、領収書については、「伝聞法則 要証事実を導くための思考手順」という記事を参考にして頂けると思います。

 

(6)Cランク

 

  [平成26年]

   設問1では、任意同行後の被疑者の取り調べの適法性、起訴後勾留中の被告人の取り調べの適法性が問われています。

 

  いずれも、Cランクです。

 

  設問2では、訴因変更の要否・可否の双方が問われており、いずれもB又はCランクに位置づけます。

 

 [平成28年]

  設問1では留め置きの適法性が、設問2では接見指定の可否・方法が、設問3では伝聞証言該当性が、設問4では公判前整理手続終了後における新たな主張に沿った被告人質問を制限することの可否が問われています。

  

  設問1・2・4はCランク、設問3はBランクに位置づけます。 

 

 [令和元年]

   設問1では別件逮捕・勾留の適法性(学説対立を含む)が、設問2では「公訴事実の同一性」と公判前整理手続終了後の訴因変更請求の可否が問われており、いずれもCランクに位置づけます。

 

 

   以上が、刑事訴訟法のランク付けとなります。

 

 

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