令和元年司法試験の合格発表を受けて | びょうそくで司法試験(加藤喬の司法試験対策ブログ)

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 加藤喬
 青学法→慶應院(既修)
 平成26年、3回目の受験で労働法1位・論文36位で司法試験合格
 その後、辰巳法律研究所で講師デビューを果たし、司法修習も終え、現在は、資格スクエア・BEXAにて、過去問分析・方法論を反映した基本7科目・労働法の総合講座を担当

1.はじめに

 

  本日、令和元年司法試験の合格発表がありました。

 

  

  私は、これまでと同様、法務省合格発表掲示板前に立たせて頂きました。

 

 

  去年までとは比較にならないくらい、多くの合格者の方からご挨拶を頂戴しました。

 

 

  一回目合格の方、私と同じ三回目合格の方、五回目合格の方、失権後リベンジ合格の方など、様々な経歴の方がいらっしゃいました。

 

 

  また、ご兄弟でのダブル合格、ご夫婦でのダブル合格という方もいらっしゃいました。

 

 

  そして、ご両親にご挨拶させて頂く機会も多かったです。

 

 

  なかには、ご両親及びご祖父母と一緒に合格報告をして下さる方もいらっしゃいました。

 

 

  私は、祖父の存命中に合格報告することができなかったので、孫の司法試験合格を喜んでいるご祖父母のお姿を見た時には、なんだか自分のことのように嬉しい気持ちになりました。

 

 

  自分ができなかったことだけに、嬉しかったです。

 

 

  また、去年の不合格時に私から厳しいアドバイスを受けながらも、挫けずに、私を恨むことなく、勉強を続けることで合格を手にした方もいました。

 

 

  電話越しに号泣しながら、すぐに合格の報告をしてくれました。

 

 

 

2.合格者の方へ

 

  今年の司法試験に合格された皆様、本当におめでとうございます。

 

 

  初受験の方の中には、合格水準が分からないことによる不安や、絶対に落ちることができないというプレッシャーに押しつぶされそうになった方もいると思います。

 

 

  不合格を経験している方の中には、試験直前や発表直前に、自分の番号がないというトラウマがよみがえったという方が少なくないと思います。

 

 

  また、浪人中に徐々に出題傾向が変わったり、民法改正が迫ることで、相当なプレッシャーがあったと思います。

 

 

  さらに、自分の能力や可能性に不安を抱えながら受験勉強を続けた方も少なくないと思います。

 

 

  そして、中高・大学までの経歴が綺麗な方は、今の自分と過去の経歴や周囲の友人との間に存在するギャップに、苦しめられたと思います。

 

 

  改めまして、合格おめでとうございます。

 

 

  少し寂しいですが、私が皆さんの力になれるのは、司法試験までです。

 

 

  司法修習、弁護士事務所、裁判所、検察庁などで、良い師に出会い、実務家として成長して頂きたいと思います。

 

 

  これから、皆さんの周りでたくさんのことが良い方向に変化していきます。

 

 

  司法修習や実務家としての生活の中で、たくさんの出会いがあり、たくさんの経験をすることになります。

 

 

  一つひとつの出会いや経験を大事にし、充実した生活を送って頂ければと思います。

 

 

 

3.来年も司法試験を受験される方へ

 

  辛い時期であるとは思いますが、来年、笑って合格発表日を迎えることができるよう、早く気持ちを切り替えましょう。

 

 

  今年の論文順位よりも、不合格後、いつから・どういった勉強をしたかの方がはるかに大事です。

 

 

  極端な例ですが、去年10月の加藤ゼミ第1回目の段階では、「横領」の定義すら書けず、答案全体が不正確な記述だらけだったゼミ生も、これまで怠ってきた記憶をしっかりとやることで着実に実力を伸ばし、最終合格することができました。

 

  

  反対に、1000番台後半の成績で落ち続ける人もいます。

 

  

  今年の論文の順位が良いか悪いかは、来年の合格可能性とあまり関係がありません。

 

 

  今年の論文の順位は、科目(さらには分野)ごとの自分の課題を把握するために役立てるべきものです。

 

 

  例えば、ほぼすべての問題が過去問から出題された行政法・刑事訴訟法でA評価をとることができていないのであれば、知識不足ではなく、過去問を使った対策不足です。

 

 

  そのため、過去問で出題されている分野・論点について、理解を深め、平均的受験生を凌駕する答案を書けるよう準備する必要があります。

 

 

  反対に、過去問の流用が少ない民法・商法の評価が低いのであれば、過去問分析が足りないというよりは、知識不足のほうが原因であると思います。

 

 

  例えば、商法設問2において、247条類推の可否、株主平等原則(1号類推)、不公正発行(2号類推)という大きな項目を拾えなかったのであれば、インプットの範囲を広げることも検討する必要があります。

 

 

  科目ごとの自己分析のやり方については、近日中に、動画で紹介させて頂きます。

 

 

 

4.5年目または5回目の受験で不合格だった方へ(去年の記事と同じ内容となります)

 

  難しいことではありますが、自分が納得できる進路を選んで頂きたいと考えています。

 

 

  他資格に転向も一つの道であるとは思いますが、その際には、覚悟を決め、気持ちを切り替える必要があります。

 

 

  これについては、「司法試験から他資格(特に、司法書士)への転向について」という記事をご覧ください。

 

 

  また、予備試験についても同様です。

 

  

  試験後に予備試験経由で司法試験に合格する人もいますが、かなり珍しいケースです。

 

 

  予備試験と司法試験の傾向の違いなども踏まえて、どれくらいの確率で合格できるのかということを真剣に考える必要があります。

 

 

  今は、一部の法科大学院では比較的簡単に学費全額免除(さらには、毎月の定額給付)を得ることができます。

 

 

  再受験をするのであれば、予備試験の合格可能性を踏まえて、学費全額免除で再度法科大学院に入学することも視野に入れる必要があります。

 

 

  再度法科大学院に入学する際には、学費免除で合格して当たり前だとお考え下さい。

 

 

  一部の法科大学院を除き、免除なしでしか合格できないのであれば、司法試験不合格合格の可能性は低くないとお考え下さい。

 

 

  通常の法科大学院受験生と比べて、学習期間や試験の経験からみてだいぶ有利な立場にある一方で、入学後の成長速度や伸びしろでは不利な立場にあると思われるからです。

 

 

  例えば、合格率20%の法科大学院に、合格者全体の上位50%で合格したとします。

 

 

  単純計算して、合格者100名であれば、入学後から約2年間で、伸び盛りの受験生をあと30人も追い抜かなければいけません(当然、下位50人から抜かれることもできません。)。

 

 

  これでようやく、ぎりぎり合格できるかどうかという状態になるわけです。

 

 

  再度法科大学院に入学した人の中には、何度も司法試験で躓く人もいます。

 

 

  さらには、3回法科大学院に入学している人もいます。

 

 

  決して、他人事ではありません。

 

 

  真剣に、慎重に考えましょう。

 

 

  そして、企業等へ就職される方の中にも、司法試験への未練が残っている方がいると思います。

 

 

  入社後、未練が無くなるという方もいれば、未練がずっと残り再受験を試みるという方もいます。

 

 

  司法試験の受験には多くの犠牲が伴います。

 

 

  時間やお金がかかるだけでなく、多くの機会の喪失も伴います。

 

 

  フルタイム勤務で予備試験または法科大学院経由で司法試験合格を目指す場合、自由な時間がほぼなくなると思いますし、人によっては婚期が遠のいたり、友人と疎遠になったりと、私生活が様々な面で悪い方向に変化する可能性があります。

 

 

  そして、勉強漬けの生活が苦しくないというように、価値観や感覚まで変化してしまう可能性もあります。

 

 

  そうした犠牲を伴ってでも絶対に合格したい、そのために弛まない努力をするという覚悟があるのであれば、私は、法科大学院経由で司法試験合格を目指すのもありだと思います。

 

 

  それだけの犠牲やリスクを背負っても目指すだけの価値のある目標であると思います。

 

 

  真剣に、冷静に考えた上で、後悔のない道を選んで頂きたいと思い、記事にさせて頂きました。

 

 

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