複雑な症状の病気である線維筋痛症について西岡久寿樹先生にお話を伺いました。

線維筋痛症という病気をご存知でない方も、レディーガガが「線維筋痛症」にかかったと公表されたことで知られたのではないでしょうか?

線維筋痛症は複雑な病気なので、今回は全体について伺い、また、数回に分けて様々な方面から伺っていきたいと思っています。

 

*どんな人がかかりやすいですか?

この病気は年代や性別を問わず発症しますが、特に3050代の働き盛りの女性に多く発症する原因不明の全身の激しい痛みを中心とした病気です。

 

*どんな症状が起こるのですか?

この病気の主症状は「痛み」です。

全身の痛みはとても激しいもので、体の中を割れたガラスがかけめぐるような感じ、鋭い棒で体中をぎりぎりと刺されるような感じと患者様はおっしゃいます。

また、関節炎症状、睡眠障害、自律神経症状、粘膜系症状などの様々な症状が全身の痛みから引き起こされて、複雑で一つの診療科では対応できない様々な症状が起こってきます。

痛みがひどい方は動くことが出来なくなってしまい、日常生活に支障が起こってしまいます。

これが原因で不登校になったり、引きこもりになったりする方もいらっしゃいます。

 

*原因はなんでしょうか?

詳しい原因はわかっていません。現在も世界各国でこの病気の病因解明の研究が行われています。日本でも厚生労働省の研究班が病因解明を行っています。

この病気が起こる要因は大きく、外因性(手術・けが・ウィルス感染他)によるものと内因性(生活環境の精神的ストレス他)によるものであることがわかってきています。

 

*診断はどのようにしてされるのでしょうか?

この病気は特異的なマーカーが未だ見つかっていないため、検査をしただけでは診断ができません。

私が線維筋痛症に取り組み始めた時は、18か所の圧痛点を抑えて13か所以上あった場合、線維筋痛症と診断していましたが、2010年に新たに米国リウマチ学会から予備基準が発表されました。この予備基準をもとに日本人にあうように私達のグループが作成したFAS31(患者様自身が記入)圧痛点をもとに総合的に診断をします。FAS31により症状の活動性を数字として評価をすることができるようになりました。この他にも米国で開発されたFIQを日本人向けに作ったJ-FIQも参考にすることもあります。

 

*一つの診療科で診ることができないとはどうゆうことでしょうか?

それは、様々な症状が痛みとして出てくるからです。

不眠、うつ状態などのメンタル系の症状、下痢、便秘などの消化器症状、けいれん、記憶障害などの神経内科症状、関節痛などの整形外科症状、リウマチ性疾患の症状、蕁麻疹などの皮膚症状など様々な症状が出てくるので、それぞれの専門医がチームを組んで診療にあたる必要があります。

しかし、大学病院や総合病院では縦の関係からなかなか各診療科を横断しての診療チームを組むことが出来ないのがこの病気の治療をする上で大きな障害になっています。

私達は、この診療の壁を取り除くため、各診療科による治療を進めています。