ミュージカル「キャバレー」千秋楽

EXシアター六本木

1/22 1300開場/1330開演

R列 13,000

(ネタバレ有り)

 

201415、2年連続でブロードウェイで観た「CABARET」。

排他的で猥雑さ満載の独特な世界観が病みつきになる大好きな作品です。

普段日本版はあまり興味のない私ですが、今回は長澤まさみがサリー・ボウルズ役ということで発表直後から何気に楽しみにしていました!

特別長澤さんのファンというわけではないのですが、「モテキ」以降彼女から醸し出されるフェロモンのすごさが気になっていて、とくに高畑淳子さんと共演していた「キンチョー虫コナーズ」のCMとか、ただ訛っただけで何この色気!と思っていたので、彼女のサリーってどんなのだろうととても興味がありました。

 

でもゲネの取材映像を見て、石丸幹二さんの「MC」にちょっとだけ、あれ??

しかも「ゲイの『死神』役」と言っていて、「MC」ってそうだったの・・・?

そして少しだけ流れたオープニングナンバーも「猥雑」というより、カラフルでチンドン屋チックな雰囲気に若干違和感を感じて、うーんなんだかイメージと違うかも。。

 

そして千秋楽の本日やっと行ってきました。

OP、ブロードウェイ版はメイン画像にもなっている小窓からMCが覗きこむとても印象的な登場。

しかしこちらはちょっと違って、古い看板(?)からの登場。

(実は今回座席が後方だったため細かいところがよく見えなかったという残念な状態)

この演出はラストにもつながっているのですが正直BW版のほうが断然好き。

そこからカンパニー全員での「Willkommen」。

心配していた石丸MCは思っていたより違和感もなく、いい感じ。さすが!

でもこの曲もっと盛り上がっていいはずなんだけど、千秋楽の割にはちょっと盛り上がりに欠けたかな。。

そしてここからミュージカルというよりかなりストプレっぽい感じになってしまい、ちょっとテンポの悪さが気になる。

しかもコメディ要素多めの小ネタ満載。

自分のイメージ的にはこの作品のコメディ要素はMCが担当していて、コメディと言ってもブラックユーモアという感じだったのだけど、わりと明るい笑いというか動きや表情で笑いを取っていてとくにサリーにコメディ要素が多いのは「長澤まさみ」という素材を活かしてということなのだろうか?

生卵を飲むところとか(遠くてちゃんと見えなかったけど)毎回飲んでいるのかと思うとそれだけでなんだか泣けるw

 

そして今回の「キャバレー」曲順が違ってました。

2幕冒頭に「Mabe This Time」。

しかもなぜか英語!

この曲順と原語での歌にはちょっとびっくりでしたが長澤さん、結構歌ウマいです。

と言ってももちろん震えるほど上手なわけではないけど、時々ドス(?)を効かせたような歌い方も個人的には好みで期待以上でした。

歌だけでいえばミッシェル・ウィリアムズより上手いかも。

ただやっぱり高音は弱いし、欲を言えばもっと歌い上げてほしい。

それにこの歌い方だと長い公演期間中喉痛めたりしないかなという心配もあるけど、存在感や華やかさという点では間違いない。

「キャバレー」って本来MCが主役だと思うけど、松尾スズキ版はサリーが主演なんだと思う。

まあビジュアルもそうだし、名前も長澤まさみが筆頭だしね。

だから21曲目にサリーの代表曲を持ってきてるんだろうな。

そして「I Don’t Care Much」がなかったような気がするんだけど・・・気のせい??

 

それから今回MCとずっと一緒にいる小さなおじさん(誰なのか分からずすみません)が居るのだけど、その演出が個人的にはちょっと不思議でした。

この「MC」の存在感ってとっても特異な存在だと思うのだけど、もうひとり異質な存在がいると特異さが薄れてしまうような気がする。

そして全体的にお芝居の時の声が小っちゃい。

歌ってる時は気にならないけど、芝居になると途端に声が小さくなるのも残念なポイント。

それ以外にも「Maney」のちょっとやりすぎ演出や「If You Could See Her」をゴリラではなく死神(?「MC=死神」設定につながっているのか?)にした演出も正直気になるところではあったけど、全体的に役者さんはよかったです。

おそらく小ネタを入れることで緩急を付ける(本当は重い話を重く感じさせないような)狙いなのかもしれないけど個人的にはそれがちょっとジャマだったかな。。

 

千秋楽ということでカテコには松尾スズキさんも登場!

It Couldn’t Please Me MoreA Pineapple)」でパイナップルにペンを刺すかどうか葛藤したと言っていたけど、刺さなくて正解!