日本には2700名近い検察官がいる。秋霜烈日バッジを胸に、犯罪を捜査し証拠に基づいて真実を明らかにし、法を正当に適用して社会秩序を守っている。

 この日本の検察が自民党政権下で大揺れ、その権威が地に落ちて誇り高い秋霜烈日バッジも泥まみれ。

 大阪地検トップの検事正といえば、全国の検察トップの検事総長から数えて恐らく10数番目くらいのエリートなのであるが、この北川健太郎なる人物が検事正時代に部下の女性検事に性的暴行を働いていた。検事総長と法務大臣がただちに引責辞任し首相も国民にお詫び発言をせざるを得ないほどの驚天動地の大スキャンダル。ところが‥‥。

 この女性検事の勇気ある告発で北川は裁判で被告席に立つ身に転落したが、卑劣にも前言をひるがえし法廷で無実を主張している。しかもこの女性検事(ひかりさんという仮名)が地獄の苦しみに耐えられずとうとう辞職に追い込まれてしまった。

 ひかりさんが辞表を上司に提出した場所が大阪地検地下の被疑者取り調べ室だったというから実にひどい話で、ひかりさんを励まし支援しようという市民たちが次々に立ち上がっている。

 北川健太郎は安倍晋三夫妻が起こした森友事件のときに大阪地検ナンバー2の畝本毅次席検事と山本真千子大阪地検特捜部長を指揮して、事件に関与した財務省関係者38名全員を不起訴にした。

 山本真千子検事は安倍夫妻の窮地を救ったご褒美に栄転に栄転を重ねて現在は福岡高検検事長。

 畝本毅検事長は今は森喜朗元首相の顧問弁護士で安逸な暮らしを何食わぬ顔で貪っているが、妻の畝本直美検事こそ、東京高検検事長のときに自民の裏金議員のほぼ全員を不起訴にして、「よし、よくやった!」と岸田首相によって検事総長に取り立てられた異例中の異例の検察腐敗の元凶ともいえる人物。

 畝本検事総長は袴田巌さんの再審無罪が確定しても、判決にけちをつけて世間の大顰蹙をかったし、大川原化工機の冤罪をでっち上げた検察庁の重大な失態にもほおかむりしたまま。

 大阪地検に話をもどそう。

 大阪地検は過去に村木厚子さんの重大な冤罪事件(郵便不正事件)を起こしている。2009年に当時厚労省局長だった村木さんが実体のない団体に虚偽の証明書を発行したとされ逮捕・起訴された事件。

 大阪地検特捜部による信じがたい証拠改ざんが判明し、2010年に村木さんの無罪が確定した。検察の「取調べの可視化」や「人質司法」への批判が高まる契機となった。

 このときに大阪地検は生まれかわったはずだったが実は全くそうではなかった。

 大阪に跋扈している維新所属の議員が犯罪を起こしてもなかなか起訴にまで辿りつかないのは大阪地検自体が腐り切っているからではないだろうか‥‥。

 東京地検は伊藤詩織さん事件を起こした山口敬之を安倍晋三の無二の盟友だとしてついに地検は野放しにした。(写真は安倍首相ときわめて親しかったと自身で詳しく証言している元NHK御用解説委員だった岩田明子氏と山口敬之)

 当時TBSワシントン支局長だった山口敬之の不起訴を指揮したのは東京高検の黒川弘務検事長。 

 安倍晋三は黒川を検事総長に取り立てようと森まさこ法務大臣を督促して画策に明け暮れたが、黒川の賭け麻雀(相手は産経と朝日の記者)を週刊文春が暴露して検事をクビになった。  

 黒川は東京地検で安倍政権の腐敗の数々を握り潰して全てを知るからと6700万円の退職金を口止め料にまんまと手にした。賭博罪で略式起訴されたが安倍内閣の番犬だといわれた黒川氏は今も忠犬と散歩しているだろうか。

 山口敬之逮捕を直前に握り潰した中村格 警視庁刑事部長も菅義偉内閣で異例の出世をとげて全国30万警察官のトップである警察庁長官に上りつめて、現在は大手生保の特別顧問室におさまっている。

 森友事件で赤木俊夫さんに無理矢理に財務省公文書の改ざんをさせて安倍昭恵夫人の犯罪を隠蔽し、赤木さんを苦しめ抜いて自死にまで追いつめた佐川宣寿理財局長は国税庁長官に出世した。

 財務省の元高官が罪滅ぼしに岡山にある赤木俊夫さんのお墓参りを最近していると耳にしたが、事件を夫とともに主導した安倍昭恵さんがお墓参りをしたという話は私はまだ聞いたことがない。