願いはただ一つ「自分の手で触る。自分の目で見る」ー「どろろ」の話 | 人が持つコミュニケーションの力を磨く・鍛える・呼び覚ますーコミュニケーション・ワークス公式ブログー

 

 

 

 

久しぶりにアニメを一生懸命見ています。

手塚治虫の「どろろ 」。

1969年に一度アニメ化されていて、50年ぶりのリメイク作品。

 

 

*  *  *

 

 

戦国時代。

 

 

 

鬼神と契約し、

生まれてくる自分の子どもの身体と引き換えに

権力と国の安寧を手に入れたとある領主がいた。

 

 

 

 

 

その子は生まれた瞬間、

目も鼻も口も手足も12の鬼神にもぎ取られ、

密かに川に流される。

 

 

 

16年後。

辛くも命を取り留め、

義手義足義眼ながら神のごとき身体能力を身につけた子「百鬼丸」は、

自分の身体を取り戻すため、

12の鬼神を倒す流浪の旅に旅立つ。

 

 

 

*  *  *

 

 

 

という…

なんか、身体を取り戻す話だよな〜、

というのは知っていたんですが、

設定が結構きついのでそこ止まり。

けれど、見てみると面白い。

 

 

 

 

 

 

 

「どろろ」は

貴種流離譚(きしゅりゅうりたん)

(尊い生まれの子が捨てられ、試練を経て親を超え世に正義をなす物語のパターン)

なおかつ

ロードムービーの基本構造を持ちつつ、

2019年、漫画とも1作目とも違う、いろんな意味で新しい進化を遂げている。

 

 

 

 

 

 

 

2019年のどろろは

百鬼丸が身体のパーツを取り戻すごとに、

 

 

 

「世界と(自分と)繋がりを取り戻す」

 

 

 

という「自分探し」のお話になっている。

 

 

 

 

 

 

 

手足はもとより、視覚聴覚嗅覚、声、触覚の全てがない頃は、

感情もない。

 

暑い寒い、痛いもわからない。

周囲は自分に「敵意があるか、ないか」のみで分けられているのだけど、

 

 

 

皮膚感覚を取り戻し、

聴覚を取り戻し、

 

世界と触れ合う感覚が増えるごとに驚き戸惑うその様は、

まさに、生まれたての赤ん坊が

ゆっくりと世界と出会っていく様子そのまま。

 

 

 

 

 

 

声を取り戻してからも、

「自分の声がうるさい」

(声は骨伝導でも聞くので、わんわん響いてうるさかったんでしょう)

 

 

 

という理由で言葉を話さなかった百鬼丸が、

初めて人の名前を呼ぶ場面はちょっと感動的。

 

(一緒に旅するどろろの名前を、かすかに絞り出す。

ものすごく変なイントネーションなのが笑える)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今現在、私の見ている百鬼丸は、

 

 

 

どろろを除く周囲の人間全員から

「自分の身体を自分の元に取り戻す」

という当たり前のことをガンガンに阻まれながら、

(百鬼丸が身体を取り戻すということは、父である領主の国が滅ぶということなので)

 

 

 

 

 

 

「ジブンの…てで…さわる…!」

 

 

 

 

 

 

ずっと一緒に旅してきたどろろを、自分の手で触るのだ、

自分の目で見るのだ、

 

 

 

 

と、その一心で血を飛ばしまくり、

闘っているところなんですが、

(その願いが切ない)

 

一体この後どうなるんだろう、百鬼丸は幸せになれるんだろうか、

と大いに心配なところなのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私がこのどろろと百鬼丸の旅を見ていて思ったのは、

私たちも、

 

 

 

「本当の自分の目」「自分の耳」「自分の感覚」

 

 

 

というものを取り戻している旅の最中なのではないか?

と。

 

 

 

自分のものだと思っているこの「世界を見る目」、

「世界を見て聞いて感じる視点」は

本当に自分のものか?

 

 

 

百鬼丸のように、本当はどこかへ置いてきているんじゃないか?

どこかに人質みたいに、

置いてきたんじゃないか?

 

 

 

代わりに持っているのは、誰か他のもの。

常識という名で(もしかして過去数十年?数百年?)

ずっと信じてきた何か。

そういうことにしておきましょう、というようなもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

そういうものが、

どんどんあらわになって、自由になる時代。

本当の意味で、

「自分の目で見て、聞いて、感じ、言葉にする時代」

を私たちは生きている。

準備はいいか?

 

お前の目と手と耳は戻ってきているか?

 

 

 

 

 

 

 

と、そういう物語にも見えます。

 

 

 

 

 

 

(とにかく絵が綺麗✨✨)