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これ、知ってました?集客に、お金はかからないのです。

エクスペリエンス・マーケティングで知られる、藤村正宏 さんの集客本。
この本は2003年の出版で、その後何冊も著作は出されてはいるものの、本書がベストだと(個人的には)思う。
今でこそ「五感を使え」だの当たり前のように言われているが、本書では当時からそれこそ「当たり前」のように主張がされていた。

●ちなみに本書は、「物語形式」が取られている。
正直、好きなスタイルではない。
ただ、それを上回るだけのノウハウが、本書には凝縮されており、また、ストーリー的にもかなりリアリティがある方だと思う。

●私の知るある書店では、2003年出版であるにもかかわらず、本書が平積みにされている。
しかも「斎藤一人さんがお弟子さんたちにお勧めした」と書かれたPOP付き(笑)。
自分で本まで出されている斎藤さんが勧めるなら、買ってもいいかな、と思ってしまって当然かも。
そして本書はその期待を裏切らないと思う。

これ、知ってました?集客に、お金はかからないのです。
イースト・プレス
藤村 正宏(著)
発売日:2003-09-19
おすすめ度:4.0

目次:
第1章 「それは、学校じゃ誰も教えてくれないよ。」―「どうしてヒトは集まる?」そのヒントは“時間”にあったんだ。
第2章 「テーマはね、もてなしの心を表現しやすいんだ。」―究極の「売る思想」は、お客様の“物語”を考えることなんだ。
第3章 「もっともっと価値を伝えなければならないんだ。」―お客様に「欲しい」と思わせる“コトバ”があるんだ。
第4章 「でも、どう思う?仕事は楽しいかな?」―“ムダ”だと思ってきたこと、実はそこに「集客のヒント」があるのさ。
第5章 「ものすごくカンタンで、しかも安い集客装置さ。」―ちょっと気を遣うだけで、スゴイ効果があるんだ、“音”って。
第6章 「つまり、人には一定の習性があるということなんだ。」―カンタンな“空間”の仕掛けで、売上は伸びるんだ。
第7章 「コトバではない方法で、呼びかけているんだ。」―誰だって、心から歓迎されたいよね。もちろん“色”でも。
終章 「そういう人間的なところが、ポイントなんだよね。」―お客様とぼくたち、互いの“心”の距離で、最後は決まるんだ。

急に売れ始めるにはワケがある

●元々は『ティッピング・ポイント』というタイトルで一世を風靡したマルコム・グラッドウェルの名著が文庫本化。
聖幸さん の記事(『名著「ティッピング・ポイント」が文庫で復刊』 )を拝見して購入。
本書は、文庫本としても比較的厚めの360ページ。
しかし、途中全く飽きることなく読みきることができた。

●「ティッピング・ポイント」という言葉が連想させる、「ブームの現象とその臨界点」についての内容だけを勝手にイメージしていたが、あにはからんや。
本書には「マーケティングの大事なヒミツ」がたくさん隠されていた。
売れる「ブランド」、売れる「テレビ番組」、そして売れる「本」。
まさにマーケティングそのものではないか?

●また、ブログを運営する人にとっても、本書の内容は興味深い。
特に「ティッピング・ポイント」の原因のひとつである、「粘りの要素」
これを獲得できれば、爆発的な人気を得ることも不可能ではないかもしれない(短期的にそこまで行くのは難しいとしても)。

●本書は、今のようなネット社会を想定して書かれてはいない。
ただし、そのコンテンツは今でも十分通用し、むしろ、その「動き」はネットにより加速されているとも言える。
なぜ本書の元本である単行本が、一時期高値で取引されていたか納得。
掛け値なしに「名著」だと思う

急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則 [SB文庫]
ソフトバンククリエイティブ
マルコム・グラッドウェル(著)高橋 啓(翻訳)
発売日:2007-06-23

目次:
はじめに ティッピング・ポイントとは何か?
第1章 爆発的感染、その3原則―ティッピング・ポイントへ至る指針
第2章 「80対20の法則」から「少数者の法則」へ・原則1―感染をスタートさせる特別な人々
第3章 粘りの要素・原則2―情報を記憶に残すための、単純かつ決定的な工夫
第4章 背景の力・原則3―人の性格に感染する背景
第5章 「150の法則」という背景―人の行動に感染する効果的な集団の規模
第6章 商品はどのようにして感染するのか?・Case study1―エアウォーク社の販売戦略から学ぶこと
第7章 自殺と禁煙・Case study2―ティーンエイジャーの感染的行動の謎を探る
第8章 ティッピング・ポイントを押せば世界は傾く―焦点をしぼること、実験すること、そして信念を持つこと

[告知]『「始めてみたけど効果がない」と思っている人の 「やり直し」のメルマガ営業術』発売

●まだ読んだわけではないので、その点はご注意を。
「メルマガコンサル」こと平野友朗 さんの新刊が今日出る。
平野さんは、この業界では珍しい(?)、典型的な「農耕型」マーケッター。
今回の本についても、特典が山盛りになっている。

「やり直し」のメルマガ営業術 解説ページ

●期間限定ではないものの、一応、7/13,14日にアマゾンのランキングに挑戦するようで、この両日にアマゾンで購入されることを「お願い」されている。
この拘束力の無い「お願い」というのが平野さんらしい(笑)。
価格も丁度1500円と送料もかからないので、私も当然購入。

●上記リンク先のページに

今までいろんな本を書いてきましたが、メルマガに特化した本はこれで最後。そう思って書きました。

とあった。
確かに本の売上冊数を考えたら、その方がいいかもしれない。
本のタイトルに「メルマガ」と入っていた場合、その時点で「メルマガ」を知らない人、もしくはネットを多用していない人からの購入は難しい。

●さらに、「知っているor多用している」人でも、ビジネスで、しかも「メルマガを使いたい」と言う人になると、もっと少なくなる。
それら「少ない人」にとっては、この値段は安すぎ。
やはり本来であれば、少人数相手に高額で提供するのが妥当なのだろう。
そういう意味でも買っておきたい一冊。

目次:
第1章 間違いだらけのメルマガ発行!
第2章 意外と知らないメルマガ発行4つの基本
第3章 ここだけは押さえたい! メルマガの書き方・送り方
第4章 絶対に失敗しない! 読者の集め方
第5章 もうワンランク上のメルマガ活用術!

1枚のお礼状で利益を3倍にする方法

●同じアメブロの人気ブログ、『お礼状と整理収納ファイリングのブログ【運が開けるお礼状・整理収納塾 】』 の管理人である、朝日心月さんの、お礼状の本。
ただし、「お礼状」とは言っても、本書の扱う「お礼状」は個人が季節の挨拶のように出すものとはちょっと趣きがちがう。
むしろサブタイトルである、「お礼状の皮をかぶった“営業状”」の方が、内容としてふさわしいくらい。

●「営業目的」で出す以上、行き当たりばったりではダメ。
基本的に「会社の誰がやっても」同じクオリティのものが出せるようにする必要がある。
そのためには、本書の第4章の「自動化のアイデア」は必読。
『レバレッジ・シンキング』 に収録されていた「おすすめブックリスト」の多くの本に見られた、「仕組み化」がここにはある。

●なお、私の経験として、お礼状や手書きの手紙(葉書)に対して「反応する人」と「しない人」が、世の中には存在する。
どっちがどれくらい多いかについてはさておき、先日ご紹介した『お客様の心に響く直筆三行はがき術』 によると、反応する人、そしてさらにそれがビジネスにまで結びつく人となると、それほど多くはないのが実情。
それでも成果をあげるためには、まず数をこなす必要があり、そのためには、無理なくできる「仕組み」が必要なのだと思う。

保険や高額商品の販売、または法人営業等をなさっている方なら、必読!

1枚のお礼状で利益を3倍にする方法―お礼状の皮をかぶった“営業状”
ダイヤモンド社
朝日 心月(著)
発売日:2006-02
おすすめ度:5.0

目次:
第1章 たった1枚のお礼状が、利益を3倍にしてくれる
第2章 お礼状の皮をかぶった「営業状」の具体例
第3章 これだけは押さえたい、お礼状の頻出文例+基本ルール
第4章 「手書きお礼状」を自動化するアイデア
第5章 上手な字を書く、知的な表現をするetc.差がつくお礼状のアイデア

Lifehacker インターネット時代のワークスタイル改善術!

●サイドバーにもリンクが貼ってあるブログ、「俺と100冊の成功本」 さんで、今年の上半期で5番目に売れた本。
最初の記事(【米国No.1ライフハッカー】Lifehacker インターネット時代のワークスタイル改善術! )を読んで、即買い。

●アマゾンから届いた後に気が付いたのが、この本かなり厚い(432!)。
しかも日本で「ライフハック系」として売られている本に比べると、はるかに技術的専門性が高い。
PCに詳しくない人で、「本は最初から最後まで読まないと気がすまない」という人は要注意。
・・・てか、それって自分だったんだが(涙)。

●もちろん、そんなド素人の私にも理解できるところはあるので、「ライフハック好き」なら要チェックの1冊。
そもそも、読んで理解できたとしても、実践しないなら理解できないのと結果は同じなのだから(笑)。

Lifehacker インターネット時代のワークスタイル改善術!
アスキー
Gina Trapani(著)新丈 径(翻訳)
発売日:2007-06-19

目次:
Chapter1 脳内RAMを解放しよう
Chapter2 注意力をかき乱されないようにしよう
Chapter3 何度も繰り返すことは自動化しよう
Chapter4 日常の作業を合理化しよう
Chapter5 データを持ち運ぼう
Chapter6 e-mailを管理しよう
Chapter7 整理整頓をしよう
Chapter8 生産性を上げよう
Chapter9 Webを使いこなそう
Chapter10 コンピュータをチューンしよう ほか

すばらしい思考法

●最近、人から「アイデア本でオススメは?」と聞かれて、真っ先に思い浮かんだのが本書。
著者のマイケル・マハルコは、かつて「アイデアのおもちゃ箱」 という名著(マーケットプレイスで高値取引中)を書かれた方。

●本書の魅力は「アイデアを生むパターン」の豊富さ。
先日ご紹介した『プロフェッショナルアイディア。』 とはほぼ真逆。ひたすらパターンとその具体例が記述されている。

●個人的に、アイデアとは「全く何も無いところから生み出すもの」なのではなく、「パターンに材料を挿入してできるもの」と考えている自分。
・・・って、昨日の『Value Seeds100』 の記事と同じようなこと、また言ってる罠(汗)。

●ただ、本書のパターンは、もっと汎用性が高いもの。
マインドマップフィッシュボーン・ダイアグラムといった思考ツールのほか、過去の天才達の思考パターンを紹介している。
また、企業での問題解決例等も豊富に収録。

アイデア本好きならマストの1冊!

目次:
第1部 天才の「ものの見方」が奇跡を起こす
 天才の新しい見方を知る
 考えを目に見える形にすればいい
第2部 誰も考えていないことを考える
 よどみなく考える、すばらしい方法
 斬新な組み合わせを考える
 無関係のもの同士を結びつける
 別の面を見る ほか

御社のホームページをヤフー!・グーグルで上位表示させる技術

●SEOの大家である、鈴木将司 さんの最新刊。
今回は東洋経済さんからの本ということで、テクニカルというよりは、ある程度ビジネス寄りの内容。
昨今は、時間がかかるSEOを嫌い、お金を払ってSEMで済ませようとする人(会社)が多い。
鈴木先生はそれを否定はしないが、まず「お客様のために汗水流しましょうよ」というスタンス。

●一番大事なのは、訪問した人が役に立つ、と思って、お気に入りに入れたり、リンクを張りたくなるようなサイト作り。
それは鈴木先生の本で一貫して言われている事。
そしてシンプルだけど、とても大事な事。

●もちろん、ヤフーのカテゴリ登録のコツについても言及している。
有料のエクスプレスであっても、ヤフーのカテゴリ登録の担当者曰く、「一般ユーザーが見てガッカリするようなサイトはダメ」らしい。
ヤフーに限らず、訪問者に「ガッカリ」させないのは極めて重要。
当ブログもガッカリされないよう、頑張りたい。

●個人的には「儲かる企業サイトの4つの原則」が非常に参考になった。
企業のネットマーケティング担当のみならず、小さなお店でホームページを自作している店長サンまで必読。

魂込めてサイト作りをしたい方に!


目次:
序章 検索エンジンマーケティングは誰でもできる―「努力しても売れない」からの脱却
第1章 見込み客が欲しがっているものを突き止める―検索キーワードを使った調査のテクニック
第2章 キーワードごとにマーケットがある!―競合調査と市場調査の方法
第3章 見込み客が欲しいものを用意する―問題解決型サイトの作成
第4章 見込み客に自社の商品の存在を知ってもらう―検索エンジン上位表示テクニック
第5章 信用を獲得し実際に商品を申し込んでもらう―儲かる企業サイトの四つの原則
第6章 アフターケアで関係を維持する―心の検索エンジンの上位表示を目指す

Value Seeds100―ワーキングマザーが見つけたバリューのタネ

「顧客バリューアドバイザー」こと、前田めぐるさんの、ビジネスネタ満載のマーケット本。
新しいビジネス、話題になりつつあるビジネス等、実際にビジネスに応用して使えそうなネタが100本収録されている。
ネタの1つ1つにキャッチーなネーミングがされており、口コミとして広まりそうなものも多い。

●何かしら企画を考える際、ゼロからウンウン唸るくらいなら、本書をパラパラっと眺めてから、ブレストをするのも良いかもしれない。
自分の中にアイデアのフレームワークが無い状態で、素晴らしい成果物が出るほうが、むしろおかしい。
考え方の型をこの手の本で仕入れて、そこに自分なりの素材やら、視点を盛り込めばいいかと。

●出版マーケティング的にちょっと残念だったのが、タイトル。
「バリューシーズ」という一番使われるであろうフレーズが、検索エンジンではヒットするものの、アマゾンのサイトではヒットせず。
「ヴァリューシーズ」でもダメで、「Value seeds」でやっとヒット。
購入者にストレスをかけるようなタイトルは、機会損失の面からもったいないな、と思った。
(もちろん、アマゾンのサイトがヘボい、というのはあるのだが(笑))

お客様の心に響く直筆三行はがき術

㈱PDR 代表の沼澤拓也さんのコミュニケーションの一つとしてのハガキの活用法の本。
「人脈」「人脈」と騒ぐ人が多い割には、名刺を交換するとイキナリDMまがいの「一括配信メール」を送ってくる人が多いのもまた事実。
そういう人は本書を読んで、コミュニケーションの何たるかを学んでほしいところ。

●ただし、手書きでハガキを出しまくるには、ある程度の労力と時間が必要。
それでも、少しでも出したハガキを生かすためには、先達のノウハウを生かすのが得策。
自分はハガキではなく手紙を出す事が多かったのだが、「絵ハガキならば、書く量は表面の半分だけ(残りは宛名)」と言われて「目からウロコ」だった(笑)。
しかも同じ文章量なら、1度に出すより、期間を空けて、何回かに分けて出す方がはるかに効果的だし。

●ハガキを出す行為が習慣化するくらい「仕組み化」することが、打開策なのではないかと思う。
気に入った絵はがきがあったら買いだめしておくとか、落款を作ってみるとか。
先日も落款を押して手紙を出したところ、文章ではなく、落款について言及されたメールが来た。
そういう部分に「反応する人」は、手書きの手紙等のコミュニケーションで効果がある、というのが自分の実感である。

お客様の心に響く直筆三行はがき術
東洋経済新報社
沼澤 拓也(著)
発売日:2007-04
おすすめ度:5.0

目次:
第1章 なぜ、はがきか
第2章 はがきが顧客をつないでいる
第3章 真心のはがきを作る役者たち
第4章 はがきが変化をもたらした―実践者たちの手記(1)
第5章 はがきの力を感じる時―実践者たちの手記(2)
巻末付録 お客様に「想い」を伝えるこの三行

できる人の教え方

●昨日に続いて安河内哲也さんの本を。
今回は単独(笑)。
アマゾンでは今現在予約中だが、普通に書店で売っていた。

●本書は、25万部売れた、『できる人の勉強法』 の続編にあたるもの。
ただし今回の本は、勉強本ではなく、「教え方」
予備校や会社の研修で講師を務める、安河内さんの現場のテクニックが詰まっている。

●個人的には、「教え方」の部分よりも、「人前で講師をする方法」のノウハウの方が腑に落ちた。
そもそも、「教え方」「コーチング」の違いがよくわかっていない自分(汗)。
本書とコーチングの本はどこがどう違うのやら(「自分で本読め!」と言われそう)。

●少なくとも、前著(『できる人の勉強法』)で獲得した読者の多くは、自分で勉強はすれど、人に教える必要がない人がほとんどであろう。
そういう人が本書を果たして購入するのかどうか。
個人的に前著が好きだったので、本書の今後の売れ行きが気になる・・・。

できる人の教え方
中経出版
安河内 哲也(著)
発売日:2007-07-11

目次:
プロローグ なぜ、人に教えなければならないのか
第1章 「教える」とは、どういうことか?
第2章 相手にわかってもらう教え方
第3章 相手のやる気を引き出す教え方
第4章 相手のタイプにあわせた教え方
第5章 多人数を前にしたときの教え方
エピローグ 20年間、教えつづけてわかったこと