妻と寿司屋に入った。それも、寿司が回らない寿司屋にだ。
メニューを見て、それぞれ注文をする。私は、○○寿司セットと生ビールを。妻は、△△寿司セットを。注文を取りにきた店員が妻に「ドリンクは?」と訊ねた。妻は困った顔をしながら、「いらないです」と答える。店員は一瞬「は?」みたいな顔してから、「わかりました。以上ですね」と言い、厨房へ消えていった。

 

帰路、妻がキレていた。キレるのは理解できる。妻は酒類が苦手であり、ジュース類で寿司を食べる気もしない。そこに輪をかけてひどかったのは、その寿司屋はお茶が一切出なかったことである。「私はね、温かいお茶でお寿司を食べたいの。お茶も出さないくせに、なんで私が『ドリンクを注文しない非常識な客』みたいな顔されなきゃいけないの。もう2度とあの寿司屋は行かない」。

 

正直言うと、私もビールなんて注文したくなかった。お茶がよかった。私もお茶でお寿司が食べたかった。なかったから、仕方なくマナーを守るためにビールを注文したのだ。(時間的に余裕があれば日本酒を注文するところだが、この日は電車の都合があったため、ゆっくり飲めなかった)

 

マナーだと知りつつも、飲みたくないから注文しなかった妻。マナーだからと思い、飲みたくないビールを注文した私。どちらがよいのかは分からない。ただ言えることは、「マナー」のお陰で、妻は不快になり、私は飲みたくないビールを飲んだという事実である。

 

 

 

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