食べもの屋を営んでいて

いちばんツライのは


・お客様がこない、ことでもなく

・忙しい日にかぎって、アルバイトがいないことでもなく


売れ残った食材をすてるときだ。


幸いなことに経験はないのだが


お店を閉店させることになったとき


・お金が回らなくなる

・高齢で体が動かなくなる

・後継者がいない


ということもあると思うが


朝から、ときには前日から

丹精込めて作った料理を

誰からも必要とされず


ゴミ箱に捨てるむなしさに

耐えることができない

が、いちばんの理由だと思う。


しか~し

捨てるしかない

と思っていた食材を見つけて


ひそかに、うふふ

と、ほくそえむものがある。


納豆。


お店のメニューに納豆サラダという

メニューがある


中学生男子が、やりがちな

クラスでいちばんかわいい子

には入らないが


「あいつ、おもしろいんじゃねえ?」

ちょっと、気になる位置


大人気では、ないので

賞味期限、微妙になることがある。


夫は、納豆が苦手なので

も~しょうがないな

と、いうことでおかみの口にはいる


納豆は、おまけでついてる

辛しだけを入れて、はしで

しゃかしゃか混ぜる


きっちりと、100回。


くちびるに紅をさすのも

おっくうになるぐらい

がさつで、細かいことはニガテなのだが

食べものの事となると、話はべつだ


がぜん、マメになる。


空気をふくんで

納豆が、ふっくら、ぷりぷりになる

旨味がたっぷりと、ふくらむ。


そばの上に、このまま納豆をのせると

給食が終わって、昼休み

校庭に飛び出していく小学生のように

どんぶりの中に納豆の粒が飛び出していく


まてまて

いい、あなた達は、単独で勝負をしては

いけません。


みんなで一つになって、旨味を引き上げる

食材なのです。


ぷっくりと、ふくらんだ納豆に

玉子を、ひとつ落とす


フライパンの上に多めに油をひいて

一気に流し込む


じゅわ~、という音が聞こえたら

菜箸を素早くかき混ぜる


納豆オムレツというより

納豆いり玉子。


前へならへ、のような整頓にはなりませんが

「この線から出てはいけません」


すごすごと、大人しくすわってくれる

こうなったら、しめたもの


そばの上に、ほかほかの納豆オムレツ

(いり玉子)を

のせて、大根おろし

たたいた梅、わさび、のりを入れる


きりっと、引き締めたそばの上に

とろ~り納豆オムレツ

のりを挟んで、わさびと梅が

キリっと、口を変えてくれる


そば屋でよかった。

幸福の朝ごはん。




さて、納豆の仕入れは

おかみの仕事なので

さっそくでかける。


納豆のパックを手にとり

賞味期限を、確認し

2週間後か~、うふふ。


いやいや、まてまて

クラスの中で、かわいい子NO1にはならないが


話がおもしろい

胸がちょっと大きいとかで


たま~に、NO1女子を引きずり降ろすことがある。


納豆が冷蔵庫の奥から

いつのまにか

「ない!」


と、なった方がいいに

決まっているのだが・・

 

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あす、11月5(火)お休みをいただきます。


愛知家のコンセプト


さいたま市民、130万にの方

全員に、ご来店いただく事は

できませんが


1日、20人の方の

お腹と心を

まんぷくにします。