異世界転生物小説  | ギリゼのブログ

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主に映画やゲーム、食事に関する内容です。もしそれでも宜しければご愛読宜しくお願いします。

 

 ライトノベルに初めて触れた事はよく覚えている。中学生の頃に図書室で『涼宮ハルヒの憂鬱』を借りて1晩で読んですっかりハマってしまった。高校生になってから『とある魔術の禁書目録』や『ハイスクールD×D』を本屋で買って読んだ思い出がある。

 今はライトノベルを読む機会がなくなってしまった。何冊もシリーズが続いている本より1巻完結の本が好きだ。

 私が高校生の時に有能さを隠すライトノベルの主人公が流行していた。私のクラスメイトもそんな主人公に憧れていたのかもしれない。

 彼はあまり目立たないが器用な人間だった。絵を描く事にも長けており同人漫画作家の素質が十分あるはずだ。

 実際に彼がR18の絵を描いていた事があった。

 時代は変わり異世界転生物が異様に流行中だ。社会から必要とされていないニートが交通事故などで死んで異世界に転生する。

 何故か転生した途端に強くなって美少女ハーレムを築く。昔からハーレム物というジャンルはあったがあまりにも情けない。

 よほど読者が人生に疲れているのか楽な展開を望んでいるようだ。時代劇のような決まった流れを好むほど刺激の苦手な脳へ退化している。

 『Re:ゼロから始まる異世界生活』など面白い異世界転生物も当然あるから一概に悪いとはいいがたい。しかし似たり寄ったりの内容ばかりだと当然読者も飽きるだろう。実際に異世界転生物は『なろう系』と呼ばれ嘲笑されている。

 私にとって小説は芸術であり娯楽作品だ。いくら芸術性が高くとも内容を理解できなければ意味がない。

 だが自分を慰めてくれる媒体が小説だと友人は言っていた。

 あのレオナルドダヴィンチの名画『モナリザ』に慰めてもらっている人間がいるのか気になる。

 別の友人に売れたいなら読者が喜びそうな内容とキャラクターを作ればいいと助言してくれた。

 私もそうすれば人気になる可能性は十分あると思っている。だがエンターテイメントばかり追求すればいいとも限らない。

 売れなければ生きていけないが商業主義に走れば自分らしさを損なう。

 エヴァンゲリオンの劇場版は陰鬱な昔の方が好きだ。商業主義に走れば魅力が損なうと言っていた友人の言葉はその通りだと思う。

 私も商業主義のためではなくただ純粋に書きたいから異世界転生物を書きたい。

 もし私がもう少し遅く生まれていたら異世界転生物小説に夢中だったかもしれない。活字に触れられる機会があるならそれも悪くないと思っている。

 何を読もうが私は恥ずかしい人間に育ってしまう事は決定事項だ。