哀れなるものたち(ヨルゴス・ランティモス監督作品) | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう

 

監督 ヨルゴス・ランティモス

脚本 トニー・マクナマラ

原作 アラスター・グレイ

撮影 ロビー・ライアン

編集 ヨルゴス・モヴロプサリディス

音楽 イェルスキン・フェンドリックス

出演 エマ・ストーン、マーク・ラファロ、ウィレム・デフォー、

   ラミー・ユセフ、ジェロッド・カーマイケル

2023年度 製作国 イギリスアメリカアイルランド 上映時間 2時間21分

 

胎児の脳を移植されて死の世界から蘇った無垢な女性が、

偽善と虚飾に彩られた不浄な社会の中で成長していく姿を通して、

理性の仮面の下に隠された人間の獣性を暴いたダークファンタジー。

監督のヨルゴス・ランティモスは、出世作「籠の中の乙女」で、

親のエゴによって、外界と接触を断たれて純粋培養された子供の滑稽な姿を通して、

心の解放を問うていましたが、本作では更にスケールアップして、

世界の真実を知るためには、汚濁に塗れなければ理解できない事を、

“知らない事を知っている”主人公ベラの大胆不敵な行動の中から炙り出していきます。

SNSを通して様々な情報を家庭で知ることが出来る現代ですが、

切り取られた映像の外側に真実があることを、女戦士ベラが好奇心と言う武器を

使って教えてくれる、“携帯を捨てよ旅に出よう”を謳った、ニューヒロイン映画

の大傑作です。必見!

 

 

本作はR18で、性的な場面が多数ありますが、暈しで映像を台無しにすることが

なかったことに、良い意味で驚きました。多分、動画配信になると弄ってくると

思うので、映像の美しさを堪能するためにも、絶対に劇場で観て欲しいです。

 

 

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