ファーザー(フローリアン・ゼレール監督作品) | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう

監督・脚本 フローリアン・ゼレール

脚本 クリストファー・ハンプトン

原作 フローリアン・ゼレール

撮影 ベン・スミサード

編集 ヨルゴス・ランプリノス

音楽 ルドヴィコ・エイナウディ

出演 アンソニー・ポプキンス、オリヴィア・コールマン、マーク・ゲイディス、

    イモージェン・プーツ

2021年度 製作国 イギリス/フランス/アメリカ 上映時間 1時間37分

 

認知症の父親を介護する娘の苦悩を描いた作品ですが、

観客が父親と同じ目線で、周りの世界が混乱していく様を描いているので、

自分を見失っていくことの苛立ちと恐怖を追体験することで、

認知症患者に対する理解が深まると思います。

厚生労働省の調査で、2025年には65歳以上の5人に1人(700万人)が

認知症を患うと予測されていますが、他人事ではない高齢化の問題を、

サスペンスタッチで見せたシナリオの上手さ(アカデミー賞最優秀脚色賞)と、

親子を演じたアンソニー・ポプキンス(アカデミー最優秀主演男優賞受賞)、

オリヴィア・コールマンの飯伏銀の演技には、脱帽するしかありません。