グリーンブック ピーター・ファレリ監督作品 | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう

監督・脚本 ピーター・ファレリー

脚本 ブライアン・ヘインズ・カリー、ニック・ヴァレロンガ

撮影 ショーン・ポーター

編集 ポール・J・ドン・ヴィトー

音楽 クリス・パワーズ

出演 ヴィゴ-・モーテンセン、マハシャーラ・アリ、リーダーカーデリーニ

2018年 製作国 アメリカ 上映時間 2時間10分


 

アフリカ系アメリカ人による公民権と人種差別撤回を求めた公民権運動がピークに

達していた1962年に、白人至上主義者の多いアメリカ南部へのコンサートツアーを決行

することになったジャマイカ系アメリカ人の天才ピアニストと、その警護兼運転手として

雇われたイタリア系アメリカ人が遭遇する波瀾万丈な道中を描いたロードムービーで、

ドクター・シャーリーの愛称で知られたドラルド・ウォルブリッジ・シャーリーの実話が

基になっています。

あらすじを読んだだけで、大方の展開を予想できた予定調和の作品でしたが、運転手役の

ヴィゴ・モーテンセンとピアニスト役のマハシャーラ・アリのダブルアクトの如き息の合った

掛け合いが見事で、「メリーは首ったけ」や「愛しのローズマリー」等のコメディ映画を

得意とするピーター・ファレリー監督の演出によって、見終わった後に仄々とした気分に

させてくれる作品です。

ピアニストが世間知らずの裸の王様で、運転手によって救済される設定(白人の救世主)

になっている事や、シリアスな内容をファンタジーのオブラードで包んでしまったことに、

アフリカ系アメリカ人の監督を中心に批判の声が上がりましたが、「黒人議員の多い選挙区は

ネズミまみれの、ひどい場所」や元ソマリア難民の女性民主党議員に対して「もといた国へ

帰って、完全に壊れて犯罪まみれの地元を直す手助けをしたらどうだ」と言った差別発言を

繰り返すトランプ大統領に煽られて勢いを増すレイシスト団体の台頭で、いつか来た道に

戻らないためには、本作のような集客が見込めるエンターテインメント作品も必要だと思います。

 

アカデミー賞で、最優秀作品賞、助演男優賞(マハラーシャ・アリ)、脚本賞受賞)

 

 

 


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