縞模様のパジャマの少年 | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう




飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら








監督・脚本 マーク・ハーマン
原作 ジョン・ボイン
音楽 ジェームズ・ホーナー
出演 エイサ・バターフィールド、 ジャック・スキャンロン
2008年 アメリカ/イギリス



ホロコースト物の映画は、ひとつのジャンルを形成するぐらい
手を替え品を替えて毎年作られていますが、
本作は、本来の童話の残酷性に着目して、
今までにない新しい切り口で作られたファンタジー色の濃い
ファミリー向けのホロコースト映画で眼を背けたくなるような
直接的なリアリズム描写は排除されて、観客の想像力に訴求する
表現方法で絶滅収容所の悲劇が描かれています。

ドイツ人とユダヤ人の少年が絶滅収容所の鉄条網越しに
向かい合う映画ポスターと「衝撃のラストに、あなたを何を感じるか」の
宣伝文句から予想していた通りの落ちが待っていましたが、
結局、このラストシーンありきに終始した鋳型に嵌った内容で、
他に見るべきところはありません。

ホロコーストの悲劇を繰り返さないためにも、次の世代の子供たちに
見てもらいたいと作者は語っていますが、それよりも現在、
自分たちが味わった悲劇を中東で繰り広げているイスラエルの姿を
見せる方が、教育的効果は何倍もあるはずなのですが、
それが叶わないのは、ユダヤ人がアメリカの映画界を牛耳っているからで、
これからもホロコースト映画は作り続けられるて行くことでしょう。
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