アマプラで映画視聴193作品目は「aftersun」でした。個人的レーティングは8/10です。印象に残る映像の美しさとポール・メスカルとフランキー・コリオの演技に魅せられます。余韻がある映画。ただこの映画、たぶん映画館でみた方がいい映画ですね。

思春期真っただ中、11歳のソフィ(フランキー・コリオ)は、離れて暮らす若き父・カラム(ポール・メスカル)とトルコのひなびたリゾート地にやってきた。輝く太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、親密な時間をともにする。20年後、カラムと同じ年齢になったソフィ(セリア・ロールソン・ホール)は、ローファイな映像のなかに大好きだった父の、当時は知らなかった一面を見出してゆく……。© Turkish Riviera Run Club Limited, British Broadcasting Corporation, The British Film Institute & Tango 2022

 

 

「ローファイな映像のなかに大好きだった父の、当時は知らなかった一面を見出してゆく……」って書いてあったので、何かこの親父に犯罪みたいなことがあるのかな、テープに隠されたメッセージとかあるのかな、と勝手に思ってそこに注目してみてましたが、見ていてもいっこうに何もおこりません。あ、そういうことじゃないんだ、僕が自分の子どもの頃の写真をいま見て、その写真の中の両親の姿に昔の自分が気づかなかった何かを見出す、みたいな映画なんやって。そのことに気づいたのが映画を半分以上みてからです。そこから自分の中で映画の見方をかえて、ようやっとこの映画の凄さと面白さに気づいていった感じです。とにかく二人の演技力は圧巻、脱帽です。このフランキー・コリオっていうオーディションを勝ち抜いた少女は確実に天才女優です。とにかく映像で表現されている部分から、それを読み取っていく、映画を見終わった余韻で思考をめぐらせて楽しむタイプの映画です。ローファイな映像から掻き立てられる安心感と不安感、相反する二つの感情が自分の中にわいてくる感じ。

僕のように同じ映画を何回もみない人のために以下、あらかじめ注目してみておいた方が映画が面白くなるポイントをいれておきます。これから書くことは全部映画の中ではまったく語られてません。

・父の精神的不安定さを最初から把握しておく。きわめて繊細で鬱的な人である。

・成長した、現代の少女は恐らく父と同じく繊細で不安定な側面がある人。

・父は、この映画の後どうなったかはまったく語られないが、たぶんもういない。

・成長した少女のパートナーは同性。父も同性愛者の可能性が映像表現の中でみてとれる可能性がある。

・父のナイーブさを理解しながら、大好きだという部分を表現している少女の演技力は絶対最初から注目しておいた方がいい。

ANKERのNEBULAポップインアラジンのが人気みたいだけど、持ち運べる方がいいな、と。