小脳は上小脳動脈,前下小脳動脈,後下小脳動脈の3つの動脈により栄養される.小脳梗塞は後下小脳動脈灌流域である小脳後下面に好発する.


小脳梗塞ではめまい,悪心・嘔吐で発症し,種々の小脳性運動失調症状がみられる.しばしば頭痛がみられる。



良性発作性頭位めまい症,前庭神経炎などとの鑑別が重要。

ときに梗塞→細胞浮腫→脳浮腫により脳幹を圧迫し,意識障害の急激な悪化や呼吸停止を引き起こすので注意。


CT,MRIにより梗塞病変の検出(小脳出血との鑑別)と,脳室の拡大(水頭症)、脳幹の圧迫所見の有無などを確認する.梗塞巣の検出には,骨のアーチファクトが少ないMRIが特に有用である.