平常心 | 仏光さんの心の相談室
2012-10-15 06:09:01

平常心

テーマ:楽に生きる

いよいよ明日はわが家の猫、トラの大手術の日です。上手く腫瘍が切除されればいいですね。朝、私が起きるとトラも起きて来ました。何をするということは無いのですが、誰かが起きるとトラも起きなければいけないと思っているのかもしれません。今は窓から外の景色を見ています。いつもと変らない朝のトラの風景ですね。


そこでなるほどと思ったのですが、トラは何も心配などしていないのですね。自分に癌があるとか、明日手術するとか、老齢なので手術に耐える体力があるかどうかとか、な~んにも考えてはいないのです。全くいつもどおりに今日の朝を迎え、いつもどおりに窓際にたたずんで外の景色を見ています。多分考える事といえば、そろそろ腹が減ったくらいのことでしょうね。その内ニャ~ニャ~まとわり付いて朝ごはんをねだると思います。毎朝そうですから。


何が幸せと言っても、明日大手術をして自分が死ぬかもしれないのに、今は何の心配も無いことです。知らぬが仏とはこの事ですね。これが人間だったら大変です。手術が上手く行くだろうか?もし明日死ぬ事になったらどうしよう?家族に言い残す事があるなど心配でヘナヘナニなる人が多いでしょうね。私もいつか死ぬ時が来るのですが、ぽっくり死ねたら良いけれども、トラと同じような状況になった時に、いつもと同じ平常心で悠然と外の景色を見ていられるかな?というと今は全然自信がありません。


もっと禅の修行が進んで、もっと高い心の境涯を得る事が出来るならば、トラと同じようにな~んにも考えずにいつものように朝を迎えていつものように過ごす事が出来るかもしれません。こういうところが人間というのは大変邪魔臭くできているのですね。猫のトラは脳の容量が少ないこともありますが、将来の事とか過去の事を色々考える事が出来ないのですね。トラの頭の中には今と此処しかないのです。私が一生をかけて禅の修行で目指している心の境涯を生まれつき持っているようなものですね。


予想通りにトラは窓際から降りて私の足もとに来ました。これから私が動いてキッチンの方へ行くとまとわり付いて朝飯をねだると思います。何時もこういうパターンにトラはなっているのですね。全くの平常心とはこの事です。平常心に関しては本当にトラが羨ましいと思います。これで分かるように、如何に人間はまだ来ぬ先のことを色々考えて心配をして「今」という時間を無駄にしているのだろうと思うのです。多くの人は「ああなるのでは無いか?こうなるのでは無いか?」と心配に心配を重ねているのですね。


心配したら状況が良くなるのならば毎日心配していても良いのですが、心配する分だけ損をしていると思います。だから平常心を保つという事は、今と此処に集中する事なのですね。今と此処に集中していれば要らぬ心配は減ることになります。「頭では分かっているのだけれど」と良く聞くのですが、これを本気で自分のものにしようとする人は大変少ないですね。坐禅のは自分も気付かないうちに少しづつ心配を減らしてくれます。何故なら将来の心配など自分の頭の中に作り上げた蜃気楼みたいなものだということに気付くからです。これは大変ありがたいことですよ。


でも、まだまだ私はトラのように明日死ぬかもしれない時に平然といつものような朝を迎える自信はありません。こういうことができるのは猫の特権ですね。今トラは朝ご飯を貰って一心不乱に食べた後、また窓際で外の景色を見ています。同じ事を過去16年間毎日トラはしてきたのですね。明日死ぬかもしれないのに全くの平常心です。何だかんだと心配ばかりしている人は、私のように少しは猫を見習った方が良いかも知れませんね。


合掌


仏光

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