読み切りなので全員に公開します。

 

☆いつの日か・・・

 

彼女が旅立った。
二度と帰らぬ旅へ・・・
あまりに突然だった・・・

 

ここでいう彼女とは、あくまで三人称のこと・・・
恋人の意味ではない。

この時は・・・

 

彼女の旅立ちの日・・・
先生やクラスメイトが見送る中、
僕は、見送りには行かなかった。
認めたくなかった・・・いろいろな意味で・・・

 

家の自室に閉じこもり、彼女の事を思い出していた。

外は雨が降っている。


彼女の旅立ちを、神が泣いているのか・・・
泣くのなら、なぜ彼女を旅立たせたのか・・・

神のすることは、理解しがたい。

 

引き出しから、一枚の写真を取り出した。
彼女と撮った、最初で最後のツーショット写真。

僕はそれを眺めながら、思い出にひたっていた・・・

当日、僕に一通の手紙が届いた。
彼女からのものだった。

そこに書かれていた筆跡は、間違いなく彼女のものだった。


彼女は自分の旅立つ日を感じていたのか・・・
手紙には、こう書かれていた。

 

「親愛なる○○くんへ

 

元気?

君がこの手紙を読んでいる頃、私はもう君のそばにはいないよね・・・
私は前から知っていたんだ。
こうなることを・・・

 

君は誤解しているようだけでど、私は君の事を悪く思ったことはないよ・・・
それだけは、信じてね。

 

君の事だから、私の旅立ちの日には、来てくれていないよね・・・
でも、それでいいよ・・・
もし、来てくれてたら、君との本当のお別れになってしまう。
私は、嫌だよ。

 

もし、来てくれていなかったら、君にいつでも会えそうな気がするんだ。
そうそう、私を追ってこないでね。
向こうで、歓迎の準備をして待ってる。
だから、なるべくゆくっくり来てね。

じゃあ、いずれ・・・

 

追伸
○○くん、君はもっと自分に自信を持ちなさい
君の大切な、恋人△△より」

 

この手紙を読んだ後、僕は初めて彼女の本心を知った。
久しぶりに、心の底から泣いた・・・
しかし、その時は得てして、遅い場合がある。

でも、まだ終わらせない。


いつか彼女と向こうで再会した時に、恥ずかしくない人間でいよう。

そう心に誓った。


そして机に向かい、ペンを握った。
「描こう。書こう。僕の、そして彼女のこの世にいた証を残そう。」

もう、迷いはなかった。

 

今日初めて、彼女を三人称の彼女ではなく、

恋人の意味で彼女になった。

 

Fin

くどいようですが、フィクションです。