個人の妄想です
ごめん、笑ったりして
彼は弟じゃないよ
キョトンとしている俺に番台から彼が謝った
勘違いしてごめんなさい
てっきり弟さんかと
まぁ兄弟の様なもんだけど
実はね、昨夜、彼が君を…
…はい？
あ、なんでもない
そろそろ混みあう時間だから
早く入った方がいいよ
ありがとうございます
ふっ
彼がさっきより小さく笑った
俺、またなんか変なこと言いました？
首を傾げてると
「ありがとうございます」はこっち台詞
君はお客さんなんだから
ふふっ そう言えばそうですよね
じゃ入ってきます
一番奥のロッカーの前でシャツを脱ぎ始めると、マッサージチェアに寝ていたおじいさんが俺に気づいた
おっ、にいちゃん
こんばんは
昨夜はお騒がせしました
そんなことは気にせんでいい
大事なくて良かった良かった
そういえば、さっきの人はどこだろう
言われてみれば、番台の彼にもおじいさんにも似てなかった
でもたしかにアニキって呼んでたよな
もう一度確かめようと周りを見渡したが、脱衣所に彼の姿はなかった