リニア新幹線は本当に必要か | 大和郡山市議会議員、上田健二

大和郡山市議会議員、上田健二

大和郡山市に生まれ育つ。片桐西小、片桐中、上牧高校、服飾専門学校卒。片桐民主診療所勤務を経て、党北和地区青年支部長として若い世代へのサポート活動を進める。2007年4月市議初当選、現在3期目。


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26日、本会議にて一般質問が行われ上田けんじは、リニア中央新幹線について聞きました。その内容は以下のとおりです。


JR東海は、東京―名古屋間を2027年に、東京―大阪間を2045年の開業を目標に、9兆円以上の資金をかけて、リニア新幹線を建設するとしています。2011年5月には、国土交通大臣が、交通政策審議会の答申を受けて、JR東海に「建設指示」を出し、現在、環境影響評価がすすんでいます。当市においてもこの6月議会で初めて誘致施策に500万円が計上されました。

 しかしいま、巨額の資金を投入して、リニア新幹線を建設する必要がどこにあるのか、大きな疑問が残ります。現在の東海道新幹線は、重要な公共交通機関であり、リニア新幹線による経営の悪化は、国民負担やサービスダウンなど、国民生活と経済に深刻な影響を及ぼしかねます。

 ところが「建設費は、JR東海が全額負担する」としているために、需要予測が適正なのか、建設費負担にJR東海の経営が耐えられるのかなど、計画の基本に関する国民的な検証はほとんど行われていません。なぜ、9兆円を超える巨費を投じてまで、リニア新幹線を建設しなければならないのかという根本問題で、JR東海からも、「建設指示」を出した政府からも、まともな説明がありません。

 このような巨大プロジェクトが、まともな国民的議論もなくすすめられようとしていること自体重大であります。

然るに、このリニア中央新幹線が本当に必要なのか、実際にできるのか、プロジェクトとして成功するのかも含めてこれからご一緒に考えていきたいと思います。

まずは、リニア中央新幹線にかかるこれまでの経緯についてお聞かせください。

(森総務部長から経緯を答弁)


次にリニア中央新幹線をどのように考えていくのかお聞きします。

JR東海が掲げている目的の一つに「輸送能力の増強」とあります。しかし、国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、わが国の将来推計人口は長期的減少するとしています。とりわけ新幹線の利用が多いと思われる15才から64才までの人口は20年後の2030年には17%も減少すると予測されています。現に東海道新幹線の座席利用率は最近、数年のあいだに約10%低下し50%台となっています。年末年始と盆は除いて普段は4割近くが空席になっているのが現状です。JR東海のいう「輸送能力の増強」その根拠がありません。


もう一つJR東海が掲げている目的に「施設の老朽化と東海地震の対策」としています。しかし昨年の東日本大震災を受けて、日本の鉄道事業全体として、何より最優先させるべきことは、リニア建設ではなく、東海道新幹線をはじめとしたすべての鉄道の地震・津波対策であります。また設備資金に関してもJR発足時に、旧国鉄の債務24兆円を国民が「肩代わり」しています。毎年、数千億円程度税金で穴埋めされていますが、今も19兆円が「国の借金」になっています。さらに9兆円もかけてリニア新幹線をつくる余裕があるなら国民に返還することや、東日本大震災で被災した鉄道の復旧などに充てるべきであります。


最後にJR東海が揚げている最大の目的は「東京・大阪間の時間短縮」です。リニアの最高時速は500キロ、東海道新幹線は270キロと比べてもはるかに速いスピードです。かつて東京大阪間は8時間かかっていました。それが新幹線の登場で2時間半と3分の一に短縮されました。そこでさらにリニアで1時間7分に、新幹線の約半分で移動できるようにするというのが計画の核心となります。しかし、おととし2010年12月、中国では、日本の川崎重工業製の新幹線車両をベースにした走行実験で時速486キロの記録が達成されました。新幹線でこれほどの高速走行が可能となればリニアの専売特許はなくなります。また、国民のニーズはスピードよりも利用のしやすい適正な価格を求めています。良い事例は言えませんが先月の連休に起きた高速事故、国の規制緩和もと安全軽視の格安競争が引き起こした高速バスの事故が物語っています。


そのほかには、建設コストが新幹線の1.3倍、使用電力が3倍以上必要というのも問題です。省エネ時代の流れに反します。

また8割が地下トンネルで、地下40m、大深度地下を走行します。しかし、運転手は乗車せずに遠隔操縦での運行となります。事故や火災、地震などの災害から乗客を守れるのか、大きな不安があります。日本以外の国で唯一、リニア開発を進めてきたドイツは、2006年、走行実験中、前方の障害物を確認できず激突し、試乗見学者23人を死亡させる大事故を起こしました。2年後の2008年に、ドイツはリニア事業から完全撤退をすることとなりました。日本のリニア事業は、高速増殖炉もんじゅと同じ運命をたどることになるのではないでしょうか。またJR西日本の脱線事故も記憶に新しくあります。地下40mで、時速500キロ、もし一度事故が起これば、想像するだけでも恐ろしくなります。


ほかにも、強力な電磁波が人体に与える影響もあります。リニアが発生させる電磁波は、車両の床面で20万ミリガウス、座席で2万~3万ミリガウス程度だと言われています。世界保健機構WHOは、基準値1000ミリガウスと定めていますが、日本には規制値自体がありません。白血病、脳腫瘍、ガンへの影響、ペースメーカや子供、妊婦に影響がないのか不安が残ります。

また国の意識調査でわかったことですが、国民は、震災前と震災後と比較してリニアの必要性が変わってきています。国土交通省、交通政策部会、中央新幹線小委員会の会議資料にあるパブリックコメント実施結果によると、リニア促進が震災前2011年2月調査では、300件(全体の30%)とあったものが2011年5月には42件(4%)に激減、一方で中止・再検討が142件(14%)から648件(73%)へと急増しています。主な理由に「東日本大震災の影響が収まっておらず、新たな大規模事業を進めるような社会状況ではない」、だとか「中央新幹線の整備にかかる費用、エネルギー、人的資源などは、まず東北地方をはじめとする被災地の復興にあてるべき」など挙げられています。


 しかしそのような情勢の変化を俊敏に捉えずにいま、各地の中間駅の建設予定地などでは、リニアを地域経済の活性化の「起爆剤」として、開発計画をたてようとしています。リニアを口実に大型開発を推進しようという動きが、すでに始まっています。過大な期待で、過大な投資をすれば、そのしわ寄せが地域経済に押し付けられる。

過去の事例で、夕張がその一例に挙げられます。

我々がとくに、地方自治体、地方政治の役割として考えなければならないのは、公共投資だけでなく、住民や地元業者に「リニアに過大に期待をかけさせることへの責任」もあるということを重く受け止めなければなりません。官だけでなく民間の投資もリニアに合わせてすすめ、結果が「見込み違い」となれば、住民を大きくミスリードさせることになります。地方自治体と地方政治の見識が問われています。 リニアにまちづくりの将来をかけていいのか、リニアだのみの活性化はきわめて危険だと私は感じます。

そこで当市は、リニア中央新幹線をどうかんがえるのか、中間駅の誘致を行う理由をお聞かせください。



(森総務部長から誘致を行う理由を答弁)

3回目の質問として、私の意見に対してどのように考えるのかお聞きします。
この国家的プロジェクトがいかに危ういものか過去の事例を、一つ紹介しておきます。みなさんは、超音速コンコルドという航空機をご存知だと思います。現在は飛んでおりません。超音速機開発は1950年代から始まり、イギリス、フランスが国の威信をかけて航空機メーカー・トゥルーズとコンコルド開発を始めました。1970年にマッハ2(音速の2倍)の試験飛行に成功、76年には実用化に成功しました。しかし、2000年のパリ・ドゴール空港の事故を最後に、営業を中止、会社は消滅しました。その失敗の原因は、経済性、技術信頼性、環境対応性のすべてにおいて大きな欠陥があり、最後まで克服できなかったことにあります。

具体的には、燃料消費量が普通のジェット機の7倍ときわめて多く、コストが高いこと。燃費が悪いため航空距離が6200キロとみじかいこと。客席数が100席と少なく料金は4倍と高い、利用者は大富豪や芸能人、投資家が多く空席が目立ち、赤字経営でした。また、巨額な開発費を要し技術改良に対する資金的余裕がなかった為、事故の原因となりました。また離着陸時の騒音が大きく、初飛行を受け入れた世界の主要空港、日本の羽田空港もふくめ各地から強い拒否反応を受け、民間航空機市場参入にも失敗をしました。さらに、オゾン層を破壊することも懸念されました。以上のことがあげられます。

イギリス、フランス両国の威信を掛けたプロジェクトだったが失敗に終わった典型的な事例となりました。

最後に、私が質問するにあたり参考とさせていただいた教授の言葉を紹介して質問にかえさせていただきます。

「今、必要か、リニア新幹線」という本を出している橋山れいじろう氏、現在は千葉県商科大学大学院客員教授、アラバマ大学名誉教授で政策評価、公共計画、経済政策を先行されている方です。教授が本を出した理由はただ一つ「やる以上絶対に失敗は許されない。なぜなら、一民間企業がやる事業とはいえ、東京・大阪間にもうひとつの新幹線を作る事業は、その公共性、公益性の大きさから「順公共事業」に相当するだけではなく、総工事費10兆円を超えることが必至と思われる世界最大の大規模鉄道プロジェクトが万一失敗した場合、そのツケは必ず国民が負担させられることになるからである。そうした例は、旧国鉄、東京湾横断道路、本四架橋、関西国際空港、最近の日本航空をはじめ、我が国には数え切れないほどある。」と書かれています。

本市もいま、生駒市との誘致合戦で熱をおびていますが、今一度たち止り冷静になってお考え頂きたい、結果どうなるのかは子や孫が体験することとなります。将来に恥じない対応をお願いするとともに現在の見解をお述べください。


(森総務部長から見解を答弁)

<感想・・・市からの答弁は、奈良県の及び紀伊半島の玄関口になればよいと、リニア推進の立場でした>

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