おはようございます
なが～いGWも終わって、今日から平常運転再開ですね。
主婦としては、連休も年中無休なので、
休みが終わってホッとしているところです
読書は順調に進んでいますよ。
『シーソーモンスター』 伊坂 幸太郎
「シーソーモンスター」
人畜無害で平和主義者の北山直人にとって
目下の悩みの種は嫁姑問題。
妻の宮子と母親が絶望的に仲が悪いのだ。
因縁的なものを感じるほどの深刻さ…。
その仲の悪さは、二人の前職にも関りがあった。
ある日、勤務する医薬品会社に絡んだ
汚職に気づいた直人は、本人らしからぬ勇気を振り絞り
真相を解明しようと試みるが、敵に先を越され窮地に！
助けに駆け付けたのは、犬猿のなかの妻と母親。
二人の協力によって、直人は無事救出された。
妻と母親の嫁姑問題に終わりはあるのか？！
「スピンモンスター」
舞台は2050年の日本。
水戸直正は小学生の時に交通事故で自分以外の家族全員を失っていた。
その時衝突した相手方の車も大破し、
家族の中で唯一生き残った小学生が檜山景虎。
その後、16歳になって同じ学校で再会を果たす水戸と檜山。
この二人も因縁めいたものを感じる相性の悪さ。
大人になったある日、配達人の水戸は
初対面の男性からある手紙を託されるが、
その手紙が彼を思わぬ窮地に立たせることになる。
そして、その手紙を手にした水戸を、
警察官となった檜山が追うことに。
本物の怪物は、どこにいるのか？！
伊坂さんお得意の巧みに張り巡らされた伏線を
辿る楽しさは健在です
2話の短編から構成されていますが、
ちゃんと二つのお話もつながっていますよ。
「シーソーモンスター」は、
少し前の綾瀬はるか主演のドラマ「奥様は、取り扱い注意」
を思い出させます。
なかなかスリリングで、ハラハラドキドキ
普段はなんの刺激もなく平坦な生活をしている男性の周りで、
急に物語が動き出す面白さ。
この物語の中では、「海族」と「山族」の出会いから
ストーリーは動き出します。
間違いなく、山に囲まれて育った私は「山族」だな。
そうか、そう考えると海のそばで育った義母は「海族」。
だから、どうしようもなくそりが合わないんだ！と
妙に納得したりして（笑）
伊坂さんって、すごく平和主義者だと思います。
だからこそ、争いが絶えないこの世を憂い、
このような物語を書きたくなるんだろうなぁ。
物語の根底に大きな優しさを感じる
伊坂さんらしい作品を堪能しました
