おはようございます
豪雨被害の後は、猛暑
心も体も休まる間もない日々が続いている方々、
くれぐれもお体には気を付けてくださいね
北海道でさえ真夏の授業はキツイです
変な箱ものに大金をつぎ込むくらいなら、
子どもたちの命を守るために、
一日も早く学校にエアコンを完備して欲しいです!!
さて、先日読んだ『アンダーグラウンド』の続編読みました。
『約束された場所で』 村上 春樹
『アンダー~』は地下鉄サリン事件の被害者への
インタビューを記したノンフィクション。
それに対して、『約束された~』はオウム真理教信者への
インタビューをまとめた1冊です。
正直言って、信者の証言の方が被害者のの証言よりも
読者の好奇心を刺激するものかもしれません。
なぜ入信したのか?当時の真理教内部はどうだったのか?
麻原はじめ、世間を騒がせた幹部たちの様子は?
…など、秘密のヴェールに包まれた内部を覗けるから。
でも、この2冊を読み終えて思いましたが、
あくまでも双方から事件を客観的に見ることで成り立つ世界。
被害者側と信者側、この二つは合わせ鏡なのだと。
私もやっとこの事件が起きた時点の地平に立てたような気がします。
初めてオウム真理教について考えられる材料をもらったような。
著者のこの2冊の本を書いた目的は、
被害者を盲目的に憐れむことでもないし、
オウム真理教をのぞき見趣味的に暴くことでもない。
ただ、「その時、本当に何があったのか?」を
知りたかっただけ。
『約束された~』の巻末に
この2冊を書き終えた後に収録された
心理学者の河合隼雄さんとの対談があります。
その中で初めて村上春樹さんの主観が登場します。
地下鉄サリン事件とは何だったのか?
オウム真理教とは何だったのか?
どのお話も興味深いものでした。
サリンの被害を受けてフラフラになりながらも
仕事を全うするという使命感から職場に行った多くの被害者たち。
自分の意思を教祖に明け渡し、
殺人でさえも教祖の命令に盲目的に従った信者たち。
どちらも滅私の精神で組織の歯車になるという点では
通底するものがあるのではないか、という指摘は
日本社会が抱える大きな問題を鋭くえぐっているかもしれません。
現世に居場所を見つけられない若者に対して、
オウム真理教以外に彼らの居場所を用意できなかった
社会の責任についても、決して他人事ではないですよね。
この事件を、当時の被害者とオウム関係者以外の
一般の人々(私を含めて)がしっかり受け止めなければ、
またいつか、第二のオウム真理教なるモンスターが登場する。
そんな危機感を覚えました