【290】郡山で古バス堪能 | 酔いどれパパのブログ

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「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

過日、郡山で古バス&一杯。


郡山に泊まるのは昨年6月以来だが、 蒸し暑かった前回とは打って変わった涼しさで、気持ちよく町歩きを楽しむことができそう。


ホテル近くのライブハウスに貼り出されたタイムスケジュールに目を通すと、16時半からジャズのプレイがあるようなので、それまで歩数を稼ぐべく、まずは郡山駅前ターミナルに向かうと、こちらのバスが入ってくる。

1982~1992年に製造された三菱ふそう製初代エアロバス。

全国的にも絶滅危惧種となっている初代エアロバスが福島交通に残っているとは聞いていたが、まさか偶然会えるとは。

到着便かも知れないと、近づくバスの行き先に目をこらすと「特急 福島空港」と書かれており、案内所前の乗り場に入線して客を乗せ始めた。
待っていたお客さんに続いて乗り込み、最後部に陣取ると20人ほどを乗せて発車。

車内は昭和感あふれる内装で、高校生の時にエアロバスで課外活動に向かった頃の観光バスの雰囲気を思い出させてくれる。

調べてみると、この2054号車は福島交通が約1年半をかけてレストアし、今年7月から郡山駅~福島空港間を結ぶ空港連絡バスのメイン車両として活躍しているとのこと。

台風による水害で屋根まで没した過去を持つとは思えないレストアぶりに福島交通の心意気を感じながら、8DC10エンジンのサウンドに酔う。

45分間、初代エアロバスを満喫して初めて訪れる福島空港到着。
当然、今日は飛行機に乗る予定ではないので、エアロバスが折り返すまでの50分間を、空港見学しながら過ごす。
空港内は円谷英二が福島県須賀川市出身という縁からウルトラマンに関する展示がなされ、ポストもオリジナルカラーをまとっている。
17時の郡山駅行き発車に合わせて乗り場に向かうと、新千歳空港からの到着便が遅れているので、連絡バスの発車も30分繰り下げると放送が入る。

空いた時間でさらに歩数を積み上げるべくマイカー用駐車場を囲む道路を歩いていると、隅っこで折り返しを待っているエアロバスの姿が目に入る。

あらためて眺めると1991年製とは思えない美しさで、小学6年生だった1986年に新宿西口高速バスターミナルから独りエアロバスに初めて乗り込み、甲府駅までの時間を楽しんだ時の感動が蘇る。

ひとまわりしてからバス乗り場に立つと、エアロバスが入ってきて私を含めた4人の客を乗せて福島空港を発車する。

遅れて発車したためか所定45分の所要時間を10分近く縮めるペースでかっ飛ばし、すっかり暗くなった郡山駅前に到着。
暗くなったおかげで、屋根上のマーカーランプや黒バンパーに埋め込まれたフォグランプの生み出す趣を味わうことができるが、それも束の間、所定より20分延着したエアロバスはすぐに駅前ターミナルを出てゆく。

その後ろ姿を見送り、ホテル近くの居酒屋で郡山名物の鯉を肴に、地酒の「笹の川」を啜りながら、あらためて初代エアロバスに出会うことができた幸福を噛み締めた。
(おわり)