新年度が始まり、慣れない環境に少しずつ疲れを感じ始める5月。
「なんとなく気分が落ちる」「やる気が出ない」

そんな“五月病”の背景に、実はSNSの影響があるかもしれません。

 

■ SNSが引き起こす脳と心のバランス崩壊

SNSは、私たちの“関心”に応じて、

予測できない報酬(variable reward)「いいね」や通知、

スワイプによる更新を絶えず与えてきます。
これはカジノと同じように、脳内のドーパミンを

刺激し中毒性を高める設計です。

ドーパミンが増えると「左脳(言語・論理)」が活性化しますが、

過剰になると「右脳(感性・創造性)」が抑制され、

心のバランスが崩れてしまいます。
その結果、集中力や思考力、満足感が低下し、

感情の揺らぎに耐えづらくなるのです。

 

■ 「関心がある情報」があなたを縛っている

人間の脳は「未解決の情報を放っておけない」

性質があります(ツァイガルニク効果)。
・健康が気になる人は、延々と健康法を検索し、
・社会が気になる人は、ニュースを追い続け、
・仕事に敏感な人は、他人の成功例に心を奪われます。

こうして、関心のある情報こそが、最も深く自分を縛る罠になっているのです。

 

■ SNSと五月病の深い関係

新生活による無意識のストレスに、SNSが拍車をかけています。

  •     他人との比較による自己否定

 SNSは“幸せのハイライト”だけが並びます。

 うまくいかない自分とのギャップが、孤独感や無力感を生みます。

  •     情報過多による脳疲労

 大量の断片的な情報は、記憶力・集中力を低下させ、疲労や抑うつにつながります。

  •     つながり疲れと即レスのプレッシャー

 SNS上の人間関係に過敏になり、「見られている自分」ばかりを意識してしまいます。

  •     夜間のSNSで睡眠の質が悪化

 寝る前のスマホ使用は脳を興奮させ、眠りの質を下げ、心身の回復を妨げます。

 

■ 回復のカギは「自分に戻る」こと

情報に向けていた意識を、自分の呼吸・体・感覚へと戻してみましょう。
それは、「整える」という行為の核心です。

・SNSから意図的に離れる
・「比べない」姿勢を意識する
・顔を合わせて話す機会を大切にする
・ホメオストレッチなどで、自律神経を整える
・不調が続く場合は専門機関に相談する


◆ 最後に

大切なのは、「心地よい無関心」を自分に許すことです。
「知らなくていいことは、知らなくていい」
「今すぐ変わらなくてもいい」
そんな知的な節制こそが、情報過多の時代を生き抜く力になります。

整えるとは、「関心から離れて、自分に戻ること」。
その第一歩として、今日一日はスマホを置いて、脱力してみませんか?