彼女は
自分の体を支える力も弱っているようで
俺からの圧で転びそうになっていたけど
腕に力を入れて
俺が彼女の体を支えることで
転ぶのは阻止出来た。
彼女の体は
同じ人間なのかと思ってしまうくらい
少し力を入れただけで折れそうな細さで
転ばないように支えた力さえも耐えられるか
心配になるレベルだったけど
俺が守ってやらなきゃって……
それを強く思って
だから緩めることは出来なかった。
俺の腕には
彼女のドクンドクンという
強くて忙しい心拍音が伝ってきて
静かな二人だけの空間だけに
俺も緊張感が高まった。
これからどんな事実をつきつけられるのか
恐いという気持ちもあったし
事情もあるのだろうけど
どうしてこうなるまで
俺に何も言ってくれなかったのかという
イライラも出てきて
心の目まぐるしい変化に
とても一言では
言い表せない感情になっていた。