「ぇ……ゃ………あ……ありがとう……
ジンくんも食べて…」
彼女は遠慮がちにそう言って
皿を俺の方にそーっと寄せてくるから
俺に気を遣ってんのかなと思った。
「僕変な時間に食べちゃったから
少しでいいよ。
ほら僕を気にせず沢山お食べ。
食べたいのあったら盛ってきてあげるから」
あ、それとも恥ずかしいのかな……。
正直な所を言うと
食が細そうな彼女が
食べてる姿を見てみたかった。
だから皿を彼女の前へ戻し
食べるように促す。
彼女はどんな感じで食べるのかな?
楽しみに思いながら彼女を見ていると
たまにチラッと俺を見ながら
ちょっとだけ箸で取って口に運ぶ。
微笑みながら彼女のそんな様子を見ていると
最初は強張っていた彼女の表情も
徐々に緩んできて
さらに箸も進んでいった。
なんか幸せそうに食べるな……
彼女の幸せそうな表情を見ると
自分も幸せに思った。
それにしても
美味しそうに食べるなぁ……この子…
変な時間に差し入れを食べたから
お腹はあまり空いてないんだけど
彼女を見ていたら
お腹が空いてきた気がした。