でも
今回こんなことになって
遠距離の辛さを身にしみて感じていたから
帰る足が鈍った。
ソウルにいた時よりも
こんなにも会うのが大変で
会えても短時間で
見える距離じゃないと思うからこそ
他の男に取られないかとか
疲れて倒れたりしないかとか
常に色々心配してなきゃいけない。
俺の方がどんどん
不安が増してるような気がした。
だからつい不安が言葉に乗って
無理なことを言い出してしまう自分。
「ホントはこのまま………
ソウルにお前を連れて行きたいんだけどな。
そんなこと言っても、来ないだろ?」
こんなこと言われても
彼女は困るって分かってるのに
口からはつい、そう溢れていた。
どんな顔してるかなって
振り返って見ると
案の定、彼女は固まっていた。