部屋に入ると
ソウル時代に行った
彼女の部屋と同じ匂いがして
なんか複雑な気持ちになる。
あの時は良い雰囲気だったはずなのに
なんで今は別れ話なんだよ……。
俺は案内されたリビングのソファに
イライラしたままドカッと座わり
帽子をとって
髪をわしゃわしゃしながら
彼女を見上げる。
彼女とバチッと目が合うも
彼女はすぐに目を反らして
キッチンに行こうとした。
逃さない………
そう思って
「説明しろ」
そう声を掛けると
彼女の足はピタッと止まった。
「ったく……
お前今すげぇ意味わかんねぇからな」
「突然別れようって言うわ
理由ワケわかんねぇわ
電話出ねぇわでもう俺お手上げ」
そうため息をつきながら言うと
彼女はゆっくり振り返り
自分の足元を見た。